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2乳幼児ワーママ南アに来た【第9週/10】羊な日本人を讃えたい

社会貢献プロジェクトはフィナーレへ。

今プロジェクトのお客様であり、南アで若年層の失業問題に取り組むNPOの方々に向けて提言のプレゼンを実施。

その後はケープタウンへ移動して
【1】スキルと人格
【2】日本人の長所と短所
について考えた。もう、帰国が間近だ。


最終プレゼンは大成功

我々のチームは

雇用を創出することを至上命題として、若年層を一本釣りではなく、起業家予備“群”として規模を優先して育成を行うのであれば、現在の一部の教育過程と職能開発を融合するべきだ。
エコシステムとして制度を整えていく必要があり、アントレプレナーに伴走する良質なインキュベーターも同時に強化していくべきだ。

「インキュベータープログラムの構想」より

という主旨で提言をまとめた。
教育を司る、日本で言うところの文科省の方もいらしてくれた中で、このメッセージはオーディエンスの方々に、かなり納得度を持って受け入れられた。

プレゼン後は、我々、お客様、オーディエンスの方との感謝の応酬になり、感動的なフィナーレに。

特にNPOの会長Johnが「20年以上のキャリアの中で最も素晴らしいコンサル経験だった」と言ってくれたのは嬉しかった。

プレゼンでの私の担当はイントロ3分。
でも英語プレゼンも5年ぶりなもんで‼︎
ツカミも含めて暗記した。。。

うまくいって本当に良かった。

パーティタイム!そして今回のプロジェクトにおける真の成功とは

プレゼンの後は、お客様のオフィスがオープン・ガーデンの素敵なビュッフェ会場に様変わり。
サーバントも10人以上おり、美味しいランチ・ビュッフェを用意下さった。
お客様の心憎い手配が忘れ難い。

だけど、この時間にこそ意味があったのだ。

「海外から社会貢献だなんだ鳴り物入りでコンサルタントが来てプレゼンするぞ」という呼水で、
地域のお偉いさん達含めてステークホルダーが一同に集まること。

お客様たるNPOがずっと考えていたことを我々が第三者として精緻化し、言語化し、全ステークホルダーに一斉に提言すること。

我々はいわばお客様たる現地NPOにとっては客寄せパンダであり太鼓判だったのだ。でも、私はこれをネガティブな意味で言っているのでは無い。

客寄せパンダ 兼 太鼓判の仕事を高いクオリティで出来た事を誇っても良いんじゃないだろうか。

5週間しか滞在出来ない我々が社会を変えるのではなく、やっぱり現地社会を変えるのは、彼らなのだから
改めて、最終プレゼンは大成功だったと思うのだ。

リーダーは人格者でなければいけない

今回の経験を経て、リーダーシップを形作るのは何かという観点で「スキルと人格どっちが大事ですか」と言われたら、間違いなく「人格」と答えよう、と思うようになった。

今プロジェクトの仕事を進めるという面では、高い英語力やチームワーク、コンサルティングスキルが求められた。

だけど、振り返ってみて真のリーダーシップをどう見出したかといえば、これらのスキルの多寡ではなく、人格がものをいうように思った。

人格者として私が感じた重要な要素とは、
他人を理解し、尊重し、実際うまくやろうという努力を保ち続けている人
であることだった。
無論これをやろうとすれば、英語力や洞察力などスキルが必要にもなる。
ただスキルに比肩するくらい、人としての成熟が大事だと感じた。

言葉が100%は通じないのに、あなたがどんな思いでお客様やチームに対峙しているかは如実にわかってしまう。

あるいは、プロジェクトが別々で仕事は一緒にはしなくても、4週間の生活の中で、誰彼がリーダーとして優れているかはわかってしまうのだ。

もしかしたら、私の言う「人格」というのも、もっと客観的な指標で要素分解出来るのかも知れない。
でも、私は闇雲にそれを追求するよりも「善き事を追求しよう」という根底の姿勢に結論したい。

日本人は本当に素晴らしい、けど惜しい!

今回、自分のチームには日本人は私1人だったが、同時期の社会貢献プログラムとして、別のプロジェクトチームに他3人の日本人が来ていた。

それぞれのチームにそれぞれの難しさがある中、全員それぞれに良い仕事をしたことが大変誇らしい!

プロジェクトの内外で色々事件も起きる中、決して敵を作らず、チームの中で足りない役割を柔軟に拾った日本人。
我々の社会性って素晴らしい!との思いを新たにした。

一方で「意見して初めて意思疎通出来る」文化の人々から見た日本人の第一印象は、
なんと言っても、、、、羊🐑メェ。

喋らない。ニコリと賛同してくれる。
危険は感じない。
和も乱さない。従順。
しかしどう闘えるのかもよくわからない!

相手と長く過ごせる時間があれば、
羊の皮を被った狼ですとも猪ですとも証明できるのだけど、第一印象が勝敗を決める場面では、気をつけないといけない。

我々は寡黙に考えている訳だけど、寡黙なあまり考えも意見も無いように思われる危険がある。
しばし議論を泳がせ、場を読みたい気持ちを諦め、
議論のスタートからバシっと「I want」と言える能力は時に重要だ。

・・・ああ、でもでも。
お母さんはいよいよ帰ります。
お母さんに返ります。

娘がもう立っているらしい。


動画は絶景のケープポイントより。
地形そのものが持つ線形によって生まれる美しさに息を呑んだ。

乗っている自動車の真横を走り抜けるダチョウ
猿は危険だと声高に伝える看板。実際危険。

※上記は2019年7月の日記の転載です。