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兼業ライターが「文章がうまくなりたいんです」と言われたときにオススメしている書籍5選

ご無沙汰な方も初めましての方もこんばんは。めいこと申します。

私はスタートアップに務めながら兼業で文章の仕事をしております。社内外で執筆案件を頂戴しながら、たまにディレクター兼編集者としてライターさんの文章を扱わせていただいています。

社会人2年目からオウンドメディア編集に携わることになったので自分自身も未経験からの出発、かつライター経験のない学生さんに記事を書いていただく機会も多々ありました。

こうしたバックグラウンドもあり、ライターを目指す方や、さらに経験を積みたい方のサポートも細々としております。

そこで多く訊かれるのが、この質問です。
「文章がうまくなりたい。参考になる本はありますか?」

あなたの「文章がうまくなりたい」はどこから?

一口に文章がうまくなりたいといっても、背景にあるニーズはさまざまだと思います。私は、「文章のうまさ」には以下の4段階があると考えています。

1.「伝わる一文」を書ける
短文のなかで、主述や言葉が正しく使えている
2.「伝わる文脈」を書ける
長文の中で、論理構造や展開が分かりやすく構成できる
3.「情報価値の高い文章」を書ける
取材や資料収集を通じ、知識ゼロから充実した内容の文章が書ける
4.「独自性の高い文章」を書ける
オリジナリティある文体で文章が書ける

世間一般の「文章がうまい」は、「伝わる一文」を書けるor「独自性の高い文章」を書けるの両極端に振れていることが多いように思います。

でも、両者の間には大きな壁があります。私が相談をいただくのも、「伝わる一文」が書けるようになった後で、いざ長文に向き合うと「なんだか伝わらない」「こなれていない」と悩む方が大多数です。

その理由は、

2.「伝わる文脈」を書ける
3.「情報価値の高い文章」を書ける

という2つの壁に阻まれているからではないでしょうか。そこで今回は、この壁を超える助けになる書籍をご紹介しようと思います。

そもそもアドバイスができるほど筆が立つほうではないので、おこがましいことこの上ないのですが……。でも、未経験から、しかも兼業で、そこそこの単価でお仕事をいただけるようになるまでの道のりは再現性があると思います。実感をもって「役に立った」と思う本をご紹介します。

前置きが長くなりました。では、ここからは書籍のご紹介とレビューをご覧ください。

『言葉ダイエット:メール、企画書、就職活動が変わる最強の文章術』(橋口幸生 著)

電通のコピーライターによる著作です。事例はビジネス文書やメール文面が中心で、さまざまなBefore Afterが事例が掲載されています。「伝わる一文」を書けるようになった方の最初のトレーニング本として最適です。

まずはここから。Slackなど社内連絡の文章が思うように書けない……と感じるビジネスパーソンも、ぜひ手にとっていただきたいです。

『入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法』(山崎 康司 著)

この本の元ネタは『考える技術・書く技術』(バーバラ・ミント 著)という海外のビジネス書で、コンサルなどロジカルな思考を必要とする方々の間でバイブル的に読み継がれています。

ロジックの通った文章構造の作り方や、雑然とした文章をどのように組み直すかなどを解説しています。事例が日本企業寄りなので、元ネタよりも実践的かつ読みやすいと感じます。「伝わる文脈」を書けるようになるための1冊として強くおすすめします。

『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(古賀 史健 著)

『嫌われる勇気』の筆者による著作です。洗練された文章を書くためのハウツーが一通り揃っているのが一押しのポイントです。さらっと参照できるので、チェックリスト的にお手元にあるとお役立ちです。

『言葉ダイエット』や『入門 考える技術・書く技術』を通じて「伝わる文脈」を意識したビジネス文書や企画書が書けるようになってきたら、この本で「情報価値の高い文章」の一歩を踏み出すとよいと思います。

『インタビューの教科書』(原 正紀)

インタビューの準備、取材、設計までのセオリーをまんべんなく紹介した解説書です。取材は、前提知識がゼロの状態から「情報価値の高い文章」を生み出すための手っ取り早い手段です。インタビュー案件は単価を上げやすいですし、取材スキルは普段の打ち合わせや商談にも役立ちます。

取材慣れしている方には不要かもしれませんが、初めて取材案件を受けるライターさんはとても参考になると思います。

『調べる技術・書く技術』(野村 進)

ネタ探しから実際の執筆まで、いわゆる取材記者的な執筆セオリーを紹介する書籍です。「情報価値の高い文章」づくりに特化して学べる内容です。専門性の高い記事や紙媒体など、ライターとして仕事の幅を広げるうえでヒントになる内容が詰まっています。

「文章がうまくなりたいなら数をこなせ」がしんどい人へ

文章術の本を読んだことのある方なら「文章がうまくなりたいなら、とにかく数をこなせ」というアドバイスを見たことがあるのではないでしょうか。

私は、そのアドバイスがしんどくてたまりませんでした。

ぶっちゃけ、文章を書くことそのものは全く好きではありません。むしろ辛いです。企画や取材が楽しいのと、自分が「面白い」と感じる人やモノを世の中にプレゼンできるワクワク感が好きで文章の仕事を続けています。

最近のスポーツ業界では、長時間の練習だけが上達の道ではないと言われています。先人の力を借りて最短距離を走る上達方法は、スポーツだけではなく、ライティングでも、ビジネスでも、あらゆる領域で通用すると私は信じています。

できれば書きたくない。でも文章がうまくなりたい。ならば巨人の肩の上に乗ればいい。

そうやって文章術の本を読み漁ってきた経験から、全力でおすすめする5冊を紹介しました。もしも私のような方がいれば、この記事をぜひ役立ててほしいです。


私の執筆実績に興味を持ってくださった方は、以下のまとめをご覧ください。ありがたいことに、素敵なメディアさんばかりです。


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