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日本ブチハイエナ物語ー今会えるブチハイエナ全頭の情報ここにありー(1933年~2023年)

先日、日本の「シマハイエナ史」を紹介する記事を書きました。

続いては、ブチハイエナ史!

2023年現在ブチハイエナを飼育している動物園を中心に、その飼育の歴史をたどり、今会えるブチハイエナ全頭の情報を紹介していきます。

大変に長いので、覚悟してお読みください。
「多摩動物公園ユキヒョウ物語」の2倍以上あります。
動物園ごとの飼育史にしているので、目次を見て好きなところからお読みいただいてもいいと思います。




日本のブチハイエナは、シマハイエナの減少とともに飼育数が増加しました。関連性があるかは分かりませんが、世界的に見てもブチハイエナよりシマハイエナの方が生息数は少なくなってきたため、時の流れとともに自然とそうなっていったたのだと思います。

▼ハイエナ科の4種について違いをまとめてみました。


まず大前提として、ブチハイエナの飼育についての資料が残っている動物園は、非常に少ないです。

飼育されていたことが確実である動物園の過去の資料を見ても、そこにはブチハイエナの名前や写真がまったく掲載されていないことがあり、過去の園内マップにもその名が省かれていることもしばしば。
また、資料にハイエナの名前があっても、それはほとんどの場合ライオンやヒョウのことを説明するためだけに一瞬登場しているだけにすぎません。

それは、ブチハイエナが古くから人間によくないイメージを抱かれ、人気動物たちの情報を充実させることを優先された結果だと思われます。

そんな中で、ブチハイエナの情報を昔から今も残し続けている動物園がいくつかあります。
それは天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園です。こちらの3園に関しては飼育歴も長いため、かなり詳しく紹介していきます。

また国内のブチハイエナの家系は大きく分けて3つあります。

  1. 「天王寺家系」(「愛」と「秀」から)

  2. 「日本平・大宮家系」(「キラ」と「ホシ」から)

  3. 「のいち家系」(「エナ」と「ブッチー」から)

紹介するブチハイエナがどの家系に属するかについても記載しています。



①ブチハイエナ飼育園の推移


日本では1930年ごろからブチハイエナを飼育していますが、2000年以前は飼育園がかなり少なかったようです。
2010年以降、ブチハイエナの飼育園がかなり増えました。SNS等の情報発信に力を入れる風潮も高まってきたことから、近年になってやっと、ブチハイエナの魅力が誤解なく、広く伝わることとなりました。


2000年以前:5園
天王寺動物園、東山動植物園、日本平動物園、徳山市立動物園(不確定)、アドベンチャーワールド(不確定)

2006年:3園
天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園

2009年:4園
天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園、池田動物園

2010年:6園
天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園、池田動物園、円山動物園、のいち動物公園

2017年:11園
天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園、池田動物園、円山動物園、のいち動物公園、宇都宮動物園、アフリカンサファリ、しろとり動物園、秋吉台サファリランド、ノースサファリサッポロ

2023年:13園(現在)
天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園、池田動物園、円山動物園、のいち動物公園、宇都宮動物園、アフリカンサファリ、しろとり動物園、秋吉台サファリランド、ノースサファリサッポロ、千葉市動物公園、とくしま動物園


それでは物語の始まりです。


②日本のブチハイエナ史⑴現在も会える動物園


【1933年~】天王寺動物園(大阪府大阪市)

現在飼育されている個体:「愛」(2003年~)「レイ」(2011年~)「ハナ」(2017年~)

天王寺動物園公式ブログより 「愛」

天王寺動物園は、資料が残っている中ではおそらく日本で初めてブチハイエナの飼育を開始した動物園だと思われます。

▼天王寺動物園のブチハイエナ史
1933年6月28日:ブチハイエナ初来園(東アフリカより)
1943年9月4日~1944年3月15日:ブチハイエナ戦時処分
1966年8月31日:ブチハイエナ来園(戦後初)
2003年3月11日:「愛」「秀」タンザニアより来園
2004年7月12日:「優」誕生(初の繁殖)
2006年9月9日:アフリカサバンナゾーン完成
2007年8月15日:「蓮」誕生
2008年3月31日:「優」天国へ
2010年6月2日:「秀」天国へ
2011年3月28日:「蓮」池田動物園へ、「レイ」池田動物園より来園
2017年3月23日:「ハナ」上海動物園より来園
2020年9月28日:「愛」非公開エリアで隠居開始

<戦前のブチハイエナ>

●1933年

天王寺動物園では、1933年6月28日にブチハイエナが初めて来園しました。ところがそのブチハイエナ含むほとんどの猛獣が、戦前に処分されてしまいます。

昭和18年9月4日~19年3月15日にかけて、以下の動物に対して薬殺処置が実施された。
チョウセンオオカミ(雄・雌)、ヒグマ(雄・雌)、ライオン8頭(雄・雌・性別不明を含む)、ヒョウ(雌)、ブチハイエナ(雄)、ホッキョクグマ4頭(雄)、ピューマ(性別不明)、ニホンツキノワグマ(雄,雌)、ブチハイエナ(雌)、シマハイエナ(雄)、トラ(性別不明)、ツキノワグマ(雄)
またヒョウ(雄)1頭が絞殺された。

『戦時猛獣処分』の真相に迫る~戦争にまつわる70年前の動物園の悲話と実像~ より

<「愛」の来園まで>

●1965年

そして戦後21年になる1966年(1965年?)8月31日、ブチハイエナが再来園しました。

天王寺動物園広報誌『なきごえ』に掲載されているブチハイエナのエピソードから、その歴史をたどっていきます。

・「どうもうな面構え、おおかみの仲間は口がとがっているが、ハイエナの仲間は、このように口が大きく丸い。しまハイエナより珍種で、なき声に特徴があるが、早朝によくなく。」(1965年【VOL.01】6月号)

1965年【VOL.01】6月号より 表紙を飾りました
1965年【VOL.01】6月号より 「おおかみの仲間」として紹介

・「ヨーロッパオオカミが隣室のぶちハイエナとけんかをして後足をかまれました。」(1965年【VOL.01】5月号)

●1966年

・「ぶちハイエナ同士の大げんかがありヒン死の重傷を負いました。」(1966年【VOL.02】12月号)
・「ぶちハイエナが仲間にひどく噛みつかれ、首筋や、肩の皮がなくなるほどの重傷を負いました。早速治療鑑に移して手当をしています。」(1966年【VOL.02】6月号)
→けんかのエピソードばかり…。ブチハイエナはシマハイエナやオオカミと同じ空間で展示されていたのでしょうか。

1966年【VOL.02】6月号より

●1968年

・「このハイエナを隣室に移すのに締り具合の悪い扉に直径1.5cmの麻縄を結び付けて、寝室に帰れないように締めるようにして戸外に出したのですが、寝室から出て来た彼は何やら気に喰わぬものがあると、アッ!!という聞に一噛でこのロープを喰い切ってしまいました。私達は今更ながらぺンチのようなその歯の強いことに驚きました。」(1968年【VOL.04】12月号)

1968年【VOL.04】12月号より

●1969年

・「ブチハイエナの檻にある雨の日に6本もの『コーモリガサ』がつっこまれて、いずれもズタズタにされていたという飼育担当者の報告があった。」(1969年【VOL.05】9月号)

●1983年

・「開園のチャイムにあわせてコヨーテが鳴き始め、つづいてオオカミ類が一斉に鳴き、ハイエナやアビシニアライオンまでもなきだします。ただしアビシニアライオンはハイエナがなかない時はなかないようです。」(1983年【VOL.19】9月号)
→このエピソードはのちのとある伏線になります。

●1984年

・“天王寺動物園の長寿動物”「当園の長寿動物もすべて戦後っ子となりました。~ブチハイエナ(オス)昭和41年8月31日来園(18年2ヶ月)全国1位」(1984年【VOL.20】11月号)

ライオンを「鳴く気にさせる」天王寺のブチハイエナです

<秀と愛の来園>

●2003年

・「2003年2月24日、ブチハイエナのオスが1頭来園しました。」(2003年【Vol.39-04】4月号)
「秀(しゅう)」です。
・「2003年3月31日ブチハイエナのメス1頭が来園しました。4月14日から展示開始。」(2003年【Vol.39-03】【Vol.39-06】3月・6月号)
「愛(あい)」です。2023年現在も天王寺動物園で暮らしています。

2003年【Vol.39-03】3月号より 来園時の「愛」か「秀」

・「ハイエナというとサバンナの掃除屋のイメージがありますが、実際は統制の取れた群れを作って、狩りをする優秀なハンターであることが分かってきました。ライオンのほうが、ハイエナのおこぼれを頂戴することがあるそうです。」(【Vol.40-07】
→天王寺動物園はブチハイエナの正しい情報を昔から伝えてくれています。

<優の誕生>

●2004年

2004年【Vol.40-07】7月号より 表紙を飾りました

・「ブチハイエナが2頭生まれました。1頭は残念ながら17日に死亡しましたが、残る1頭は順調に育っています。ブチハイエナの繁殖は、当園では初めてです。」(2004年【Vol.40-09】9月号)
「優」誕生です。愛と秀が親になった日であり、天王寺動物園で初めてブチハイエナが誕生した日でもあります。

2004年【Vol.40-09】9月号より 「優」

・「こんなに大きくなりました!2004年生まれの赤ちゃん」
生後1日目:生まれてすぐに歩くことができるのには驚かされました
生後13日目:耳も立ちしっかりとしてきました
生後28日目:生まれた時から歯は生えていましたが、もう立派な歯並びに
生後49日目:生まれたときの体重は1kgでしたが、この日で4.5kgに
生後162日目:真っ黒だった毛色も親と同じような斑紋が現れてきました
【Vol.40-12】

ブチハイエナ優ちゃんの成長日記
「メスのの方が強く、オスのは逃げ回り、隅にいることが多く、交尾は観察されませんでした。そんなわけで、妊娠しているとは思われませんでした。~出産当日、朝早く出勤するとオオカミ舎で何かイヌかネコの赤ちゃんのような鳴き声がしました。管理通路に入って周囲を観察をすると、ブチハイエナのメスの寝室が血だらけになっていました。出産を疑いましたが、赤ちゃんの姿が寝室内のどこにも見当たりません。しかし、鳴き声は聞こえるので、声のする方へ探しに行きました。すると、排水溝の中で真っ黒な赤ちゃんが2頭鳴いていました。」(【Vol.41-07】
→優は発見が遅れたら亡くなっていたかもしれません。助かって本当によかったです。

生まれた次の日の優(2004.7.13)
(2005.7.1)もうすぐ1歳になる優。体重も40kgに近づき、丸々と太ってブチ模様も立派に。

▼「ブチハイエナ優ちゃんの成長日記」ぜひ全文読んでみてください

●2005年

・「優の体重測定と記録写真は1週間にごとに行い、1年間続けました。」(2005年【Vol.41-07】7月号)

<アフリカサバンナゾーン完成>

●2006年

「ビューポイントの前には床暖房の入った岩や、冷風の吹き出し口を設けてライオンやハイエナを誘い、冬でも夏でもガラス越しにライオンやハイエナを間近に見ることができるように工夫しました。」(2006年9月9日【Vol.42-10】10月号)

2006年【Vol.42-10】10月号より
2006年【Vol.42-10】10月号より 表紙を飾りました

●2007年

・「ブチハイエナの愛の出産に備え、寝室にベニヤ板を張り、ビデオカメラでの記録を開始しました。」(2007年【Vol.43-08】8月号)
→優の誕生から3年後、愛は再び妊娠しました。秀との相性はとてもよかったようですね。
・「2007年8月15日、ブチハイエナが2頭生まれました。一頭はすぐに死亡しました。」(2007年【Vol.43-09】9月号)→「蓮(れん)」の誕生です。

・「ハイエナ展示場内にウェットミスト装置を大阪市水道局のご協力を得て設置しました(11月まで)。」(【Vol.43-10】
・「8月14日に生まれたオスの。生まれて間もなくは全身真っ黒でしたが、頭部から少しずつブチ模様が見られ始めました。11月10日に屋外デビューを果たし、元気に遊びまわっています。」(2007年【Vol.43-12】12月号)

2007年【Vol.43-12】12月号より

<優の短い生涯>

●2008年

・「ブチハイエナの子どもが堀に落ちないよう放飼場に設置していた臨時の柵を撤去しました。また放飼場に新しい土も入れました。」(【Vol.44-03】2008年3月号)
・「朝から降りだした雪が積もったためアジアゾウ、アミメキリン、ブチハイエナ、ライオン、ウンピョウなど寒さに弱い動物たちを早めに収容したり、寝室の扉を開放し中に入れるようにしました。」(【Vol.44-03】2008年3月号)
→職員さんの優しさが伝わるエピソードです。

・「2008年3月31日、ブチハイエナの雌のの虫歯の抜歯手術を行いましたが、残念ながら手術後死亡しました。」(Vol44-4【2008年4月号】

優は天王寺で初めて生まれたブチハイエナ。3歳半という短い生涯でした。

・「硬い子牛の骨もへっちゃら、アゴの力が強いので噛み砕いて食べてしまいます。」(【Vol.45-03】

2009年【Vol.45-03】3月号より

・「大阪小児歯科専門医臨床研究会の協力を得て「歯を大切にしようデー! ~人も動物も歯が命~」を開催しました。~ブチハイエナの歯の掃除のための牛骨給餌とワンポイントガイドを実施しました。」(【Vol.46-06】

<秀天国へ>

●2010年

・「2010年6月2日、ブチハイエナの雄の消化管通過障害で死亡しました。」(2010年【Vol.46-07】7月号)

2010年【Vol.46-07】7月号より

「秀」は恥ずかしがり屋の可愛いハイエナでした。資料が残っている中では、日本で2番目にパパになったブチハイエナです。

<レイの来園>

●2011年~2012年

・「2011年3月28日、ブチハイエナの雄の(レン)を池田動物園へ搬出し、交換に雄のレイを搬入しました。レイは5月19日から展示。」(【Vol.47-04】
は現在も、移動先の池田動物園(岡山県)で元気に暮らしています。
・「ハイエナ舎では町出係員の持つ牛の大腿骨にひかれて、ブチハイエナの雌のがよだれを垂らさんばかり。けして、ガラスの前の子をねらっているのではありませんよ。」(【Vol.47-07】
・「肉食動物の“おやつタイム”は火曜日から金曜日の午後1時30分から、日替わりで実施しています。~ハイエナビューに設置している、餌の投入口から豚の骨を与えます。骨をバリバリ食べるブチハイエナの迫力ある姿をご覧いただけます。」(【Vol.48-08】

2012年【Vol.48-08】8月号より 「レイ」

・「2011年12月6日、ブチハイエナのレイを初めて同居させました。」(【Vol.48-01】
・「2012年9月3日、ブチハイエナのレイを同居させ様子を観察しました。」(【Vol.48-10】
・「2012年10月2日、ブチハイエナのレイを同居させ様子を観察しました。」(【Vol.48-11】
・「2012年11月1日、ブチハイエナのレイを同居させ様子を観察しました。」(【Vol.48-12】
→秀が亡くなってからは、愛とレイのペアリングを行っていました。2011年~2012年は怒涛の同居期間でした。2頭の相性はよかったのでしょうか。

●2014年

・「野間馬の福ちゃん、ブチハイエナの愛とご対面。」(【Vol.50-01】
ハイエナ夫婦
「天王寺動物園には4月で7歳になるレイ君と13歳になるちゃんのブチハイエナの仲がいい夫婦が暮らしています。夫婦円満の秘訣(ひけつ)は2011年に岡山県の池田動物園からおむこさんとしてやって来たレイ君が、来園以来アイちゃんに逆らったことがないからなのではないでしょうか。~“おやつタイム”の時にいつもエサを食べるのはちゃんで、一歩後ろで欲しそうに我慢しているレイ君には、哀愁がただよってきますが、これも夫婦円満のためなのです。朝、展示してすぐちゃんに忠誠の意味を込めて、足を上げ自分の体の臭いを嗅いでもらったり、ちゃんの機嫌が悪い時には「ヒーヒー」と甲高い声を出し、逃げながらご機嫌取りに頑張っています。」(2014年【Vol.50-02】2月号)
→レイがあまりにも健気でかわいそうと思ってしまいますが、ハイエナ界では序列を守ることが非常に重要なルールなのです。

2014年【Vol.50-02】2月号 より

・「2014年2月15日、ブチハイエナのレイが交尾しました。」(【Vol.50-03】
・「2014年4月8日、ブチハイエナのレイが交尾しました。」(【Vol.50-05】
→レイと愛の相性はよく、無事に結ばれました。しかし…
・「2014年9月27日、ブチハイエナの愛の帝王切開を行いましたが、胎子は死亡していました。」(【Vol.50-10】
→赤ちゃんは愛のお腹の中で死亡してしまっていたようです。帝王切開ということで、愛の体にも相当な負担がかかったでしょう。愛の健康が心配されます。

●2015年

・「2015年6月22日、ブチハイエナの雄のレイと雌のを同居させました。」(【Vol.51-07】
→帝王切開から9か月後、レイと愛は再び同居を再開しました。
・「ライオン、ブチハイエナ、小型ネコ舎、大型ネコ舎、オオカミ舎の動物たちに与えている1日分の餌の全量は鶏肉35羽、牛肉20kg、馬肉4kg、鶏の胸肉6kg、鶏頭40本、牛レバー4kgにもなります。オオカミ、ブチハイエナはほぼ丸のみで一瞬で食べてしまいます。」(【Vol.52-02】)
・「「ハイエナのような」という言葉や死肉をあさったりライオンの獲物を横取りするイメージが強いからか悪役のキャラクターで描かれがちなブチハイエナですが、レイ君を見てください!クリクリの目、大きな耳、こんなにも愛らしいお顔をしているんです。パートナーのちゃんを遠慮がちにひょっこり覗(のぞ)き見たり、テンション高くプールではしゃぐ様子も必見です!」(【Vol.52-10】

2016年【Vol.52-10】10月号より「レイ」

<「ハナ」来園>

●2017年

・「6月29日から7月9日にかけて募集したブチハイエナ(雌、2013年9月22日生まれ)の命名式を行いました。投票の結果、名前はハナに決定しました。」(2017.10月[秋号]
・「ブチハイエナのハナは3月に中国の上海動物園からやってきました。ブチハイエナは雌のほうが体が大きくなります。 先輩には雌のと雄のレイがいますが、今は雄のレイと同じぐらいの大きさです。これからのハナの成長とレイとの間に誕生するベビーが楽しみです。」(2017.10月[秋号]
→少し高齢になってきた愛に代わって、ハナがレイのお嫁さんとしてやってきました。

2017.10月[秋号]より「ハナ」

●2020年

・愛が入眠するだけのブログが投稿(可愛い)。(2020年5月21日)↓

<「愛」の隠居>

・「ブチハイエナのは高齢のため足腰が弱くなってきたため斜面が多い展示場から、フラットな非展示エリアへ移すことになりました。そこで、寝室の中に移動用の檻を設置し中に入る練習を始めました。」(2020年:Vol.56-03【秋号】)
・「アイは推定2001年野生生まれで、今年で19歳になります。最近は少し足腰に衰えが見え、目も白くにごってきました。移動後は、アイの姿をみなさまにお見せすることができなくなってしまいますが、高齢のアイのケアを優先させていただきたいと思います」(2020年8月14日)

●2021年

・「ブチハイエナの咆哮に対してほえて存在をアピールするライオン一家の様子をYouTubeで配信しました。」(2021年:Vol.57-01【冬号】)
→何年たっても天王寺のライオンたちは、ハイエナが鳴くと鳴くんですね(笑)伏線回収の瞬間です。
・「雄のレイは雄のハナの顔色をうかがいつつ同居練習を続けています。一日中仲良くすごせる日が来ることを願っています。」(2021.4月[春号]

2021.4月[春号]より 表紙を飾りました

・「オオカミ舎のバックヤードで暮らしているブチハイエナのの様子をFacebookで動画配信しました。」(2021年10月15日)

天王寺動物園で暮らしているブチハイエナの愛ちゃん 最近オオカミ舎のバックヤードに引っ越してきて、まだちょっと落ち着かないところはあるけどべろべろしに来てくれたよ❗ #天王寺動物園 #ブチハイエナ #愛 #べろべろ #動物園 #動物 #大阪 #ただ近 #tennojizoo #spottedhyena #ai #zoo #animal #osaka #minnanotennojizoo

Posted by 地方独立行政法人天王寺動物園 on Wednesday, October 14, 2020

こうして2020年9月28日から、高齢のため非公開エリアで暮らすことになった「愛」。立派なお母さんハイエナとして、そしてハイエナのボスとして、たくさん活躍してくれました。私たちは愛に会えなくなってしまいましたが、これからは自分のために、健康に楽しく生きてほしいと思います。

愛の隠居生活の様子は、公式ブログやSNSで発信されています。

●2023年

▼最近、久しぶりに愛の様子が投稿されました。(2023年11月21日)

<天王寺動物園のブチハイエナ>
愛(アイ)
(メス、野生由来個体。2003年にタンザニアから来園)
レイ(オス、2007年4月5日大宮公園小動物園生まれ。2009年に池田動物園へ。2011年に天王寺に来園)
ハナ(メス、2013年9月22日生まれ。上海動物園から2017年に来園)

以上、天王寺動物園のブチハイエナ史でした。

非常に長かったと思いますが、まだ1つ目です(笑)
まだまだ続きます。


【1988年~】日本平動物園(静岡県静岡市)

現在飼育されている個体:「ツキ」(2004年~)「セレン」(2009年~)

2023年10月撮影。左「ツキ」、右「セレン」

続いては、日本で初めて生まれたブチハイエナが暮らしている、静岡市日本平動物園のブチハイエナ史です。

▼日本平動物園のブチハイエナ史
1988年4月:ブチハイエナ初来園
2001年4月26日:「ホシ」来園
2003年6月20日:「キラ」来園
2004年5月20日:「ツキ」誕生
2005年2月28日:キラ・ホシの第2子誕生(間もなく天国へ)
2006年7月31日:「キラ」「ホシ」大宮公園小動物園へ
2009年3月16日:「セレン」来園

♂ 「ツキ」:2004年5月20日当園生まれ 
♂ 「セレン」:2007年4月5日さいたま市大宮公園小動物園生まれ

ツキは日本で初めて生まれたブチハイエナです。そのため、当園ではブチハイエナの繁殖賞を受賞しています。セレンは、当園からさいたま市大宮公園小動物園に出園したホシ(♂)とキラ(♀)の子どもで2009年3月に来園しました。生まれた場所が違うため、お互いにその認識はありませんが、2頭は兄弟です。

日本平のブチハイエナ「ツキ」「セレン」は兄弟。生まれた場所が異なるため互いに兄弟の認識はありませんが、両親は同じです。彼らの両親は、大宮公園小動物園で暮らしている「キラ」「ホシ」。2頭は2007年まで日本平動物園で暮らしていました。

ツキは、前述の天王寺で初めて生まれたブチハイエナ「優」と同い年。2か月だけツキのほうが早く生まれました。セレンは、天王寺で暮らす「レイ」と一緒に生まれた双子です。

ここからは日本平動物園情報誌『でっきぶらし』より、ブチハイエナのエピソードをたどっていきます。

<ブチハイエナ初来園>

●1988年

一九八九年の話題を追って【ハイエナの展示】

過去二十年間、日本平動物園で猛獣といえば、ネコ科とクマ科が中心でした。イヌ科といえば国産のタヌキとキツネがせいぜいで…。

シンリンオオカミの初お目見えが、一昨年の一月。次いで昨年四月にブチハイエナがやってきました。ハイエナ。そばで見ると意外に可愛い顔をしています。目がパッチリ、前足と後足のアンバランスがまた何とも愛嬌があります。そう、ハイエナのようにいやらしい奴なんていいますが、とんでもない誤解です。可愛いか可愛くないかはともかく、少なくとも人の物を横取りするようないやらしい奴ではありません。隣にいるライオンのほうが余程いやらしい。自分で狩りをすればいいものを横暴にも、ハイエナが苦心して獲った動物を横取りしてしまうのですから―。
それをうらめし気に見ているハイエナを、死肉を漁るいやらしい奴と誤解しているのです。でも、この種の説明は動物園のプレートにもちょいちょい見られます。日本平動物園においても、展示されるようになって一年近く経ちます。そろそろ、このような誤解は解いてあげてもよい頃でしょう。

72号(1989年11月)

日本平動物園に初めてブチハイエナがやってきたのは、1988年4月のことでした。天王寺動物園と同じく、ハイエナの誤解されたイメージを払拭するべく、昔から正しい情報を伝えています。この最初のブチハイエナがどんな生活をしていたのかは情報がありませんでしたが、見つけ次第追記していきます。

<キラ・ホシ来園>

●2001年

まず来園したのは「ホシ」
ホシはアフリカで生まれ、推定7ヶ月で日本平動物園に来園しました。

●2003年

2年後に「キラ」が来園。このとき推定5~6歳でした。ホシと同じく、アフリカ生まれの個体です。
キラとホシは結構歳の差があるカップルなんですよね。

<ツキの誕生>

●2004年

出産が期待される動物達を紹介します。

最初は、ブチハイエナのメス「キラ」。ちょっと専門的なお話ですけど、ハイエナの外生殖器は他の肉食獣と少し異なりメスはロート状の形態をしており、なおかつ、オスのような形態の生殖器もあります。このため外観からの雌雄の判別が難しい動物です。メスのハイエナを導入するときもDNA鑑定を行い、6頭目の検査で初めてメスを見つけることが出来たのです。このため繁殖期に他の動物達のような交尾体勢をするのかも定かではありませんでした。

しかし、今年1月初旬交尾らしき行動を数人の飼育員が確認しており3ヶ月半の妊娠期間を考えると5月下旬には赤ちゃん誕生が期待できます。ブチハイエナの出産は国内でも珍しいため、めでたく出産を迎えたら次回号にて詳細をお知らせします。

158号(2004年03月)

→キラは来園してすぐホシと仲良くなったようです。当時の日本平動物園はブチハイエナの出産成功例がありませんでした。そんな中でも順調にペアリングを進めていったようすがわかります。

そして…

2004年5月20日に、ブチハイエナのホシ(オス)とキラ(メス)との間に待望の赤ちゃん「ツキ」が誕生しました。当園では一度死産の例がありますが、出産育児は初めてのことなので、わからないことも多く、担当者一同試行錯誤しながらキラの子育てを見守っています。

159号(2004年05月)
ツキをくわえて運ぶキラのイラスト。くわえられた部分には傷ができてしまったようです。

・キラは性格の良い個体で人にも慣れており、陣痛から出産までを日中に飼育員の目の前で行った。
・朝から陣痛がきていたが出産は夕方に。
・キラは子供の体はなめたものの頭をなめなかったため、子供を包んでいる羊膜が顔のまわりについたままで、子供は一時呼吸ができない状態だった。飼育員がキラを隣の部屋に移して、子供の体をワラやタオルでこすりながら呼吸を促したところ、小さな声でしたが第一声をあげて子供は呼吸をし始めた。その後キラを元の部屋に戻すと、すぐに子供のそばに駆け寄り面倒を見た
・キラは面倒見が良い反面、心配性。夕方、展示場からホシが隣の部屋に入ってくると、ツキがオリ越しにホシの方にちょろちょろと寄っていくので、キラがそんなツキをくわえてウロウロしている様子が何度も見られた。
・キラの子育てストレスを緩和しようと、日中ホシと共にキラを展示場に出すことに。

159号(2004年05月)より(一部文言修正)

→キラがホシといることはストレス緩和になるけど、ツキがホシのところに行くことには母として、警戒してしまう。それってキラがちゃんと子どもの立場になって考えることができる性格だからだと思います。

職員さんたちは初めてのブチハイエナの赤ちゃんを無事に育てるため、キラ・ホシと協力しながら、様々な試行錯誤を繰り返していたことがわかります。そのかいあって、ツキは無事に育ちました。

●2005年

※2005年2月28日には、キラとホシの間に2番目の子供が誕生。
{ここだけの話ですが、今回の出産は飼育担当者をはじめ大変驚いています。その訳は交尾の確認がないため妊娠していることに気づかなかったのです。出産日近くになり、何となくお腹が大きくないかい?・・・、と思いながらも妊娠の確証はありませんでした。}

2回目の出産ということもあり、母親のキラは子育てにも余裕があります。このため2番目の子供は長男のツキと少し性格が違いおっとりタイプのようです。

163号(2005年01月)

→しかし2005年に生まれたツキの姉弟は、すぐに亡くなってしまったようです。

<キラホシ大宮公園小動物園へ>

●2006年

古くなった獣舎を改修するため、ふって湧いたように急にハイエナの夫婦とツキノワグマが他の動物園に行き、~

両親がいなくなって一人で淋しそうなツキは、人が見える上ばかり見上げていて、飼育担当が通ると嬉しそうに駆け回っていますが、なかなか美味しいものは降ってこないとうらめしそうな顔をすることも。

179号(2007年12月)

→キラとホシは、繁殖を目的とした動物の貸し借り「ブリーディングローン」によって、大宮公園小動物園(埼玉県)へ一緒に旅立ちました。
ツキは一頭になり、しかも工事のため急遽ホッキョクグマ舎へ移動(異様な光景だったそう)。そんな大忙し(?)だったツキですが、いつも元気だったため、検査の際は麻酔の効きが非常に悪く、獣医さんを困らせていたようです。

<セレン 大宮公園小動物園から来園>

●2009年

ブチハイエナ(オス、2007年4月5日生まれ)が埼玉県大宮公園小動物園から来園しました。当園にいる「ツキ」の実弟になります。もうすぐ2歳になりますが体重29kgと小さな個体です。ちなみに、ツキの体重は45kgですので、かなり大きさが違います。

187号(2009年04月)

「セレン」の来園です。セレンはキラとホシのブリーディングローンの成果として、日本平動物園に帰ってきました。

キラとホシはとても相性のよい夫婦。大宮公園小動物園に移動した翌年に、セレンを授かりました。もしかしたらキラは移動中にすでに妊娠していたのではないでしょうか。

大宮公園小動物園飼育日誌より セレンの引っ越しの様子

※セレンの引っ越し当日の様子

普段見ないものには警戒して近寄らないことも多いのですが、セレンはあっという間に箱の中に入ってしまいました。移動の前日には箱の中でゆっくり座っている姿も見られました。
ですから、輸送箱への収容はあっけないほど簡単にできました。
朝から車に揺られ、午後には無事に日本平動物園に到着したようです。

大宮公園小動物園飼育日誌より
双子で生まれたレイ(現在は天王寺動物園)とセレン。

こうして、現在の日本平動物園のブチハイエナ兄弟がそろいました。

<ツキとセレンの日常>

・「今動物園では猛獣館を建設していて、その建設で大きな音が発生するのがストレスになり、ハイエナが自分の足を噛むからと入院していました。」(191号(2009年12月)実習生だより)

●2015年

・「ブチハイエナの兄弟は、今年で11歳と8歳になりました。ブチハイエナの寿命は約30年、まだまだこれからなお年頃です。気になるのはお嫁さん問題ですが、当園では繁殖が成功したとしても飼育できるスペースがないことや、飼育している動物園が少ないため子どもの引き取り手もなかなか現れないことを考えると、難しい問題です。無計画に繁殖させるわけにはいかないのです。しかし今後ブチハイエナの人気がもっと高まり、たくさんの動物園で飼育するようになれば、ツキとセレンがお嫁さんをもらう日も来るかもしれない・・・と淡い期待を抱きながら、飼育担当者は今日もブチハイエナの魅力をみなさまに伝えるべく奮闘しています。」(227号(2015年12月))

→日本平動物園では2013年に「猛獣館299」という、ネコ科の猛獣やホッキョクグマを展示する施設がオープンしました。ブチハイエナも猛獣ですが、諸事情により元の古い展示場で暮らすことになりました。ツキとセレンに気づかず猛獣館に入ってしまう来園者が増えたことで、職員さんがブチハイエナの魅力について熱く語っています。
ちなみにこの投稿から間もなく8年になりますが、ツキとセレンのお嫁さんは見つかっていません。

ブチハイエナ舎。造りは古いですが、個体紹介やクイズボードがたくさん掲示されています。お肉をプレゼントするイベントは来園者で賑わいます。

●2016年

・「ブチハイエナ、世間一般に拡がっている悪いイメージとは正反対の動物で、極めて高度な身体能力と知能を持った非常に優れたハンターであり、しかも、群れの中にいる弱った仲間の面倒を、とても良くみている様子が目撃されている生き物です。」(230号(2016年06月))
→一般的に弱った仲間の面倒は見ない動物が多いのに、ブチハイエナは弱った仲間の世話を献身的に行う動物である、ということを解説しています(知らなかった)。

●2018年

・ハイエナスポットガイド(ツキのお誕生日会)
「「うわあ、嬉しいね、ツキ。すごいね!」とツキに声をかけたところ、早くプレゼントをよこせ、という目線でのアピールしか返って来ませんでしたが、みなさまの熱気は伝わったようで、ツキとセレンの兄弟はその日1日満ち足りた表情で過ごしていました。」(243号(2018年08月))

●2021年

・「ハイエナは嗅覚がとても優れているので、見えなくても寝室にお肉がないことはお見通し。いつもなら扉を開けるとダッシュで寝室に帰ってくるのに、絶食日は扉を開けても座っていたり、そっぽを向いたり。「ごはんがないなら帰らないよ!」というように、無言の抗議をしてきます。声をかけてもこちらをチラリとも見向きもしません。」(259号(2021年4月))


日本平動物園のブチハイエナについての情報発信は、常に正しい生態を伝え続けていることがわかります。日本で初めての繁殖を成功させた動物園としての責任や信頼感が感じられます。
一方で独特のポップなイラストや、砕けた言葉づかいで、ブチハイエナのことを楽しく理解してもらえるように努めてもいます。

▼日本平動物園のブチハイエナ
ツキ
(オス、2004年5月20日日本平動物園生まれ)

2023年10月撮影

セレン(オス、2007年4月5日大宮公園小動物園生まれ。2009年3月16日日本平動物園へ)

2023年10月撮影
園内掲示

ツキはこのあと登場する母「キラ」に、セレンは父「ホシ」に似ています。
以上、日本平動物園のブチハイエナ史でした。


【2006年~】大宮公園小動物園(埼玉県大宮市)

現在飼育されている個体:「キラ」「ホシ」

2023年11月撮影。左「キラ」、右「ホシ」

続いては、ツキ&セレンの両親「キラ」「ホシ」が暮らす、大宮公園小動物園のブチハイエナ史について紹介します。

▼大宮公園小動物園のブチハイエナ史
2006年7月31日:「キラ」「ホシ」来園
2007年4月5日:「レイ」「セレン」誕生
2009年3月16日:「セレン」日本平動物園へ
2009年6月8日:「レイ」池田動物園へ
2010年4月8日:「ブブゼラ」双子で誕生
2010年5月7日:赤ちゃん一頭が天国へ
2012年12月14日:「ブブゼラ」宇都宮動物園へ
2013年7月27日:ハイエナ舎リニューアル

<キラ・ホシ来園>

●2006年

「ブチハイエナが仲間入り!」

大宮公園小動物園(園長 日橋一昭)では、「ブチハイエナ」オスメス各1頭が新たに仲間入りしました。平成18年7月31日に静岡市日本平動物園から展示の充実のためブリーディングローンにより来園しました。小動物園の猛獣舎では、平成13年5月にそれまで飼育していたヒグマが老衰で死亡して以来ニホンツキノワグマのオス1頭が飼育されていました。寂しかった猛獣舎が、空き部屋にブチハイエナが入ったことで、活気にあふれてきました。

日本で飼われているブチハイエナは今回来園した個体を除き、静岡市日本平動物園、大阪市天王寺動植物公園に4頭のみです。関東地方の動物園では実に30年ぶりのお目見えとなります。メス中心の群れを作り、メスのほうがオスよりも強く、同居には細心の注意が必要なため、当面は1頭ずつ交代での展示となる予定です。

埼玉県政ニュースより

→2006年、キラとホシの来園です。
ブチハイエナは2007年時点で6頭しかいなかったこと、関東の動物園では1975年頃からブチハイエナの飼育歴がなかったこと、とても驚きました。
1975年頃までは一体どこの動物園で飼育していたのでしょうか。

※来園時の情報
・オス 個体名 ホシ 6才 
2001年4月26日推定7ヶ月で日本平動物園に来園 
アフリカ生まれ

・メス 個体名 キラ 推定8~9才 
2003年6月20日推定5~6才で日本平動物園に来園 
アフリカ出身、推定1998年生まれ

公開予定日  2007年8月5日
当面は、1頭ずつ交代で展示します。

<レイ・セレンの誕生>

●2007年

キラとホシが日本平動物園からやってきて1年後、2頭の赤ちゃんを授かりました。「レイ」「セレン」の誕生です。

「セレン」はアフリカにあるセレンゲティ国立公園、「レイ」は当時の飼育実習生(女性)の名前に、それぞれちなんで名づけられました(由来に幅がありすぎる…!)。

なお同年、大宮公園小動物園は「エンリッチメント大賞」を受賞しています。ツキとセレンの繁殖成功に関しても高く評価されました。

※エンリッチメント大賞:エンリッチメント(飼育動物の行動の多様性を引き出すための工夫)に取り組む動物園や飼育担当者を応援すると同時に、来園者である市民がエンリッチメントを正しく理解・評価することにより、市民と動物園をつなぎ、市民の動物園に対する意識を高めることを目指して、2002年度より実施している取組。

なおここからは、大宮公園小動物園飼育日誌に基づいて、ブチハイエナのエピソードを紹介していきます。

●2008年

・「ずっと仲が良かった兄弟「セレン」と「レイ」でしたが、6月頃から頻繁にケンカするようになりました。ケンカといっても彼らには順位があるようで、やられるのはいつも「セレン」でした。」(8月18日)
→セレンは麻酔科での治療が必要になるほど深い傷ができてしまい、以降2頭は別々で飼育されることに。

・「3つのグループに分けて飼育しています。ですから、運動場に出ているのはいつも1頭か2頭です。彼らは当園の人気物なので、たびたび会いに来てくださる方が多くいます。みなさんにも見分けてもらいやすいように、全頭顔写真入りの看板を作りました。」(10月31日)

・セレンとレイの性別判定(10月31日)
調査方法:PCR法(毛根細胞のDNAから調べる)

抜け落ちた毛は使えないので体から直接抜きます。
撫でてあげて気持ちよさそうになったところで「ブチッ」と引き抜きます。
一瞬驚いて、その後近寄ってこなくなったらどうしようと思っていましたが、案外何事もなかったようにしていました。そしてこの1つまみ(20~30本)の毛を、他の個体の毛と混ざらないように袋に分けて大学に送ります。
この方法で最も重要なことは確実に雌雄のわかっている個体のサンプルが必要であるということです。そのため、親の「ホシ」と「キラ」の毛も一緒に送りました。

結構抜くんですね。毛を一気に抜かれても気にしないハイエナ一家、肝が据わっています。
そして調査の結果は…

1:「レイ」
2:「セレン」
3:「キラ」(母親)
4:「ホシ」(父親)

→白い線がないとオス!3のキラだけ線がありませんね。ということで、レイもセレンもオスだと判明しました。

<レイとセレンの旅立ち>

●2009年

ブチハイエナのオスは早い個体は2才半位で大人(性成熟)になります。
彼も、もう2才を過ぎたため、そろそろ母親の「キラ」の元を出て行かなければなりません。

前述したように、セレンは3月16日に静岡市日本平動物園に旅立ち、兄のツキと暮らすことになります。

レイは6月8日に岡山県にある池田動物園へ旅立ちました。池田動物園はこの時初めて、ブチハイエナの飼育を開始したことになります。

息子たちを見送った父「ホシ」のようすはというと…
大好物のウマの腸を吊るして与えられたところ、緊張で腰が引けて近づかなかったそう。ヒモが怖かったのかも?

吊るされた腸にビビるホシ

<ブブゼラの誕生>

●2010年

・「レイとセレンが旅立って半年。2009年末から、繁殖を目的とした同居を再開。」(1月30日)

夜間はそれぞれの部屋にいて、運動場に出るときに一緒にします。

まずはあいさつから始まります。お互いのお尻のあたりのにおいをかいであいさつです。お互い片足を上げてクンクンしています。たまに、そのまま2頭でクルクル回ってしまうことも。たいてい、オスのほうが先ににおいをかぐのをやめるようです。

その後、メスににおいをかがれて、オスは怒ったような牙をむき出しにした表情になります。怒っているようですが、これは服従の表情のようです。ブチハイエナはグループの中で、メスのほうがオスよりも強いのです。

この顔を写真に撮ろうと何度かカメラを向けるのですが、そうするとやめてしまいます。あまり見られたくないのでしょうか?

→服従の証として牙を見せるなんて不思議ですね。特にハイエナはあごの力が強いですから、牙を見せる行為は一番の威嚇になると思ってしまいますが…。ホシはキラと何度も子を授かっているので、キラの扱い方がわかっているのでしょう(?)

そして…

4月8日、双子の誕生!

キラはだいぶ落ち着いた様子で時々子をなめています。子は1頭のようでした。~
キラは自分の体をしきりになめています。そして立ち上がりました。足元にツルンと黒いかたまりがすべるように出てきました。9時50分に2頭目が誕生しました。キラは子の体に付いた膜をきれいになめとり、その後も体が乾くまでなめ続けました。

その後、お腹の下に2頭を導いてゆっくり寝ころびました。もう大丈夫でしょう。今日で生後約10日。2頭は仲良く成長しています。ときどき首根っこを咬みあってブンブン振り回すけんかをしていますが、しばらくするとキラが仲裁に入ってその後仲良く乳を飲んでいます。

ちなみに、交尾は確認できなかったのですが、同居開始から出産まで112日。ブチハイエナの妊娠期間の平均が110日程度ですから同居後すぐに授かった命のようです。

→キラは、ツキを出産したときも体をなめて、懸命に世話をしました。今回もレイとセレンに続いて双子の出産でしたが、2頭とも落ち着いて世話をしていました。

「ブチハイエナ成長アルバム」には、3週目までの双子の成長の様子が残されています。

7日齢
生まれて3週間目

ところが…

みなさんに残念なお知らせをしなければなりません。

まもなく生後1ヵ月となる5月7日に1頭が死亡しました
ブチハイエナは双子でうまれても片方しか育たないことが多いといわれています。

しかし、母親の「キラ」は前回の出産で双子を無事に育てたため、今回も2頭ともキラにまかせることにしました。子供同士、時折けんかもしていましたが、片方が嫌がって逃げると終わる小さなけんかでした。
順調に1ヶ月が過ぎようとした7日の朝、ブチハイエナの獣舎に行くと、寝室内に子の姿が1頭しか見当たりません。キラに食殺されてしまったようです。はっきりした原因はわかりませんが、キラにとって、落ち着かない何らかの要因があって、2頭いっしょに育てていくことが無理だと判断したのかもしれません

野生動物の厳しい現実と本能をかいま見た出来事でした。

「残念なご報告。」(2010年5月24日)

→双子のうちの1頭は、生後1か月を迎える前に亡くなりました。本来野生で暮らす動物の赤ちゃんは、無事に育つ確率が非常に低いです。ブチハイエナは仲間を見捨てない動物だ、と前述しましたが、そうしなければならないこともあるということです。
当然ですが、キラは悪くありません。そもそも「悪い」とか「責任」とかいう概念はこの出来事に存在しないのです。

そして、生き残った赤ちゃんは、6月20日に公開されました。

公開当日の様子

公開時には両親のふるさとであるアフリカの音楽が流されたそうです(笑)
びっくりしてしばらく出てこなかった赤ちゃんは一旦さておき、名前募集の話が始まりました。

名前のコンセプトはずばり「アフリカ」。ブチハイエナを見に来てくれた人がアフリカを想像できるような、また、今まで知らなかったアフリカに興味を持てるように考えました。

1つめの候補は、「ンゴロンゴロ」。世界遺産にもなった保護地域の地名から取りました。
2つめは「フィシ」、スワヒリ語でハイエナのことです。
3つめは「オルネゴジネ」、マサイの言葉でハイエナを意味します。
4つめは「ムビラ」、アフリカに広く伝わる民族楽器です。
5つめは「ブブゼラ」、最近有名になった南アフリカの楽器です。
6つめは「マディバ」、南アフリカ共和国の元大統領、ネルソン・マンデラ氏の愛称です。

大宮公園小動物園イベント報告より

6文字の2つは日本人にはかなりパンチのきいた名前に思えますよね。個人的には楽器が由来となった2つの名前が素敵だなと思います。
10日間の応募期間があり、結果は…

「ブブゼラ」

アフリカ音楽にビビっていたブブゼラは、アフリカの楽器の名前をもらいました。

<ブブゼラの旅立ち>

●2012年

立派に成長したブブゼラは、2歳で宇都宮動物園(栃木県)へと旅立ちました。
兄のセレンは日本平動物園へ旅立つとき、輸送箱にすんなり入ったというエピソードがありましたが…

長い棒でつついたり、大きな音を出したりしましたが、ブブゼラも頭を使って棒の届かない位置に逃げる。餌を使って入れようとしても、後ろ足は箱の外にしっかりと残して餌を取り出て行ってしまう・・・(T。T)

時間ばかり過ぎて一向に入る気配がないので、最終手段として吹き矢で麻酔を打ちました。麻酔が効いているうちに箱に入れ、体重測定。ブブゼラは43kgありました。

ブブゼラはやっぱり少しビビりさんのようで、麻酔で眠らせての輸送となりました。
彼は現在も宇都宮動物園で元気に暮らしています。

そうして2012年に子育てを終えたキラとホシは、現在も2頭で穏やかに暮らしています。

<キラとホシの日常>

●2013年

ハイエナ舎リニューアル!

工事の最中、檻を外しガラスを入れる際は何日間か寝室内に閉じ込めっぱなしの日々が続きました。(きちんと餌はあげていましたよ!)

少々臆病で神経質なメスのキラは、重機の大きな音が怖かったようで、久しぶりに外へ出してあげた時には扉の所から上半身のみを出して様子をうかがい、全く外へ出ようとはしませんでした。その姿はまるで巨人の星の飛馬を電信柱の影から見守る星明子のようでした・・・(^~^;)

一方、オスのホシはというと、少し様子をうかがってすぐにうれしそうに飛び出していきました!

キラはよく向こうのカピバラやペッカリーを観察しています。

檻がほとんどガラス張りになったハイエナ舎。土や落ち葉が敷かれ、植物が植えられ、池や水たまりもあります。

パトロールするホシ
歯の掃除をするキラ
ホシのお気に入りの場所
お気に入りのまくらですやすやするキラ。長男のツキとそっくりです。
池には魚が泳いでいます。

この池についてなのですが…

●2021年

ブチハイエナはオスとメスの2頭で、同居することなく午前と午後で入れ替えをして展示場に出しています。

気温が高くなると、メスのキラは展示場の池を存分に利用します。体をつけるだけではなく、潜ることもします。でも、オスのホシは池を使うことはありません。水浴びは大好きでホースの水を柵越しにかけると大はしゃぎすることもあります。ですから、私たちは何かの理由で池が怖いか嫌いなのかと思っていました。

ところが先日、ハイエナたちを以前から観察しておられる方から、ホシが池に入らないのは、この展示場の池は、自分より上位である(ハイエナはオスよりメスがえらい!)キラのものと認識しているからではないかとご意見をいただきました。思えば繁殖経験のある2頭です。かつては展示場を一緒に使っていたはずです。同じ所にいれば、キラのお気に入りの場所をホシが横取りできないのは当たり前。同居時代を知らず、1頭づつの展示が当たり前になっていたので思い当たらなかった理由。もしかしたら正解かもしれません。

今、私たちはホシのために、ホシ専用のプールを作ってやれないか検討中です。

「おとなになっても」より

職員さんたちの優しさがわかるブログでした。
ホシはハイエナ界のルールに忠実なハイエナです。同居を解消しても、キラが池をたくさん使っていたことはずっと覚えているようです。

「ホシ専用のプール」ですが、お気に入りの場所に水をためて、そこで水浴びをすることがあるようです。よかったね、ホシ!


▼大宮公園小動物園のブチハイエナ
ホシ
(オス、推定2000年アフリカ生まれ。2001年4月26日日本平動物園に来園)
キラ(メス、推定1998年アフリカ生まれ。2003年6月20日日本平動物園に来園)
2頭は2006年7月31日、一緒に大宮公園小動物園に来園。優しい性格の仲良し夫婦です。キラは2023年現在、国内最高齢のブチハイエナです。

以上、大宮公園小動物園のブチハイエナ史でした。


【2010年~】円山動物園(北海道札幌市)

現在飼育されている個体:「カミ」

舞台は移って、北海道。
札幌市にある円山動物園のブチハイエナについて紹介します。

天王寺動物園、日本平動物園、大宮公園小動物園のブチハイエナたちはアフリカ出身で、血縁や引っ越し等で関連がありましたが、円山動物園のブチハイエナはまったく新しい血統の、韓国出身の個体です。

▼円山動物園のブチハイエナ史
2010年10月6日:「カミ」「カムトリ」韓国オー・ワールドより来園
2014年9月:メスだと思われていた「カミ」、オスだと判明。同時に2頭の個体名と認識が逆であったことも判明
2015年7月22日:アフリカゾーン カバ・ライオン館へ引っ越し
2016年6月4日:「カムトリ」九州自然動物公園アフリカンサファリへ

<カミ・カムトリ来園>

●2010年

2010年10月21日
韓国大田広域市と札幌市との姉妹都市提携を記念し、大田広域市内のテーマパークであるオー・ワールドの動物園と当園の間で動物交換をいたしました。
オー・ワールドからブチハイエナ2頭が当園に贈られ、無事に10月6日水曜日当園に入園いたしました。

円山動物園公式ブログより

円山動物園がブチハイエナの飼育を開始したのは2010年10月6日。
韓国大田広域市と札幌市との姉妹都市提携を記念して寄贈された個体「カミ」「カムトリ」です。
円山動物園はこの動物交換の際、リスザルを8頭、韓国に寄贈しました。

「カムトリ」 (2008年3月8日オー・ワールド生 オス)
「カミ」 (2009年9月3日オー・ワールド生 オス※メスだと思われていた)

カムトリは2008年3月8日生まれ(父オルパンイ・母ハイ)、カミは2009年9月3日生まれ(父チョムパギ・母カムスミ)です。

2頭の名前の由来は、ブチハイエナの赤ちゃんは体が黒いことから。韓国語で「黒い」を意味する「カマッタ」、黒いイメージを表す「カム」に、オスにつけられることが多い「トリ」を付けて、オスは「カムトリ」、メス(だと思われていた個体)は「カミ」と名付けられました。

『円山動物園だより』2010年冬号 より

2頭は北海道唯一(唯二)のブチハイエナとして、2010年10月21日に一般公開されました。来園当初は、「熱帯動物館」という施設の屋内で暮らしていました。

2頭のお披露目時にはセレモニーが開催され、多くの報道陣が集まりました。

ここからは円山動物園公式ブログより、カミとカムトリのエピソードを紹介します。

●2011年

円山動物園公式ブログより

ハイエナは自分で狩りができない屍肉食の動物だと見なされてきましたが、それは日中に見せる間食している姿にすぎません。
実はハイエナは、自分で狩りをすることができる『夜のハンター』なのです。
夕方から夜にかけて、シマウマやヌーときには、ライオンやゾウの子供までをもえじきにします。
上下のキバやあごが非常に強く他の肉食動物では歯が立たなくて見捨ててしまう硬い骨の残りでも、噛み砕くことができるのです。

円山動物園で飼育されているのはハイエナの中で最も大型のブチハイエナです。
北海道では円山動物園でしか見ることができません。

「あのね、僕だって狩りできるのさ」 2011年11月12日

●2012年

円山動物園公式ブログより

多くの皆様にお越し頂いた「ウンコレ」も16日をもちまして惜しまれつつも終了となりました。

今回のウンコレでは嗅げるウンコのうち一番臭かったものに投票していただくというコーナーを設けておりました。
一番臭かったものにシールを張ってもらうという形で投票をお願いしたのですが、結果はこちらです。

第1位:エゾタヌキ(452票)
第2位:ライオン(189票)
第3位:アザラシ(89票)
第4位:アフリカゾウ(66票)
第5位:カバ(60票)
第6位:アジアゾウ(60票)
第7位:ゴリラ(58票)
第8位:ハイエナ(47票)
第9位:クジャク(44票)
第10位:ダチョウ(36票)

クサかった?? 2012年8月19日

→ブチハイエナのうんこの臭さは結構上位にランクインしていますね(エゾタヌキの得票数は投票数の3割だったそうで、それもすごい)。
ブチハイエナは動物の骨までかみ砕くので、白いふんをすることが知られています。色だけ見ると臭くなさそうですが…いくら骨の割合が高くても、臭いものは臭いということですね。

「円山動物園だより」2021年夏号より

●2013年

円山動物園公式ブログより

かろうじて閉園後にハイエナを同居した時に写真を撮ったので紹介します。

これが一緒にしたときの写真なんですが、びっくりするくらい写真を撮るのが下手ですな…。
挨拶行動とかたくさんしてたんですよ。でもね、近づかないとうまく撮れないし、近づくとこっちを気にしてうまくいかないし結局ダメなんですよ。本当にブチハイエナは写真を撮りづらい動物なんです。

今年は絶好調!? 2013年1月4日

→2頭は繁殖を目指して何度も同居していたのですが…

<カミ、オスだと判明。しかも…>

●2014年

2012年8月、同居していたカミとカムトリの間に激しい闘争が起き、それがきっかけで別々に飼育されることになりました。

2014年9月、検査の結果、どちらもオスであることが判明。それに加えて、カミと呼んでいた方がカムトリ、カムトリと呼んでいた方がカミだったということも確認されたのです。

「ブチハイエナのカップル、実は雄同士だった」

札幌市円山動物園は25日、繁殖を目指し飼育しているブチハイエナのカップルが、実は雄同士だったことが分かったと発表した。

けんかが絶えないことから、超音波画像検査で性別を調べたところ、雌と思われていた1頭が雄だったことが判明した。ブチハイエナは雌雄ともに生殖器の形が似ており、外見で判別するのは困難だという。

6歳のカミと5歳のカムトリで、札幌市との姉妹都市連携を記念し、韓国・大田広域市の施設から2010年10月にやってきた。当初はカミが雌で、カムトリが雄と思われていたが、発情兆候がまったく見られず、繁殖行動に至らないことから麻酔をして、北海道大と協力して超音波画像検査のほか、性ホルモン測定を行ったところ、カミは雄だった。

ブチハイエナの国内飼育は7施設で16頭と少なく、円山動物園は今後も2頭の飼育を続け、新たな雌を導入して繁殖を目指すことにしている。

読売新聞(2014年9月26日号)より

性別の誤認はさておき、個体名の認識がなぜ逆だったかというと、来園時の輸送箱がそもそも逆だったからだそうです。そのため、2014年までのブログや資料は、カミとカムトリが逆になっています。
※この記事では可能な限り修正して掲載しています。

<アフリカゾーン完成>

●2015年

円山動物園公式ブログより
円山動物園公式ブログより

7月22日午後、ブチハイエナ2頭(カミ♂とカムトリ♂)を新施設『アフリカゾーン』に移動しました。

『アフリカゾーン』に移動した動物たちには新しい動物舎に慣れてもらわなければならず、『アフリカゾーン』オープンの日までご覧いただけなくなりますので、移動後の動物たちの様子をこちらのブログで随時お知らせしていきたいと思います。

ハイエナは麻酔をかけた後、檻に入れて運びだし、新居『アフリカゾーン カバ・ライオン館』に到着しました。
その後2頭は展示場とつづく「小部屋」で麻酔から覚めてもらいました。
これで一日目は終了です。初めてのお部屋であり、この日の晩は静かに寝てもらいました。

ブチハイエナの引越作業、無事終了しました 2015年7月26日
翌日、おそるおそる一歩を踏み出したカムトリ
カミも頑張って出てきました

▼アフリカゾーンの詳細についてはこちらの資料を見るとわかりやすいです。

こうして2015年7月に新しい施設に引っ越したカミとカムトリ。2頭にゆっくり慣れてもらうために、かなり長い期間、非公開になっていました。

円山動物園公式ブログより

「これは室内展示場のカミです。朝の10時だというのに、ぬくぬくと眠っております。カミの寝ているところは、実は、室内に設けたプールです。なぜか彼はこの水を張っていないプールの底が好きで、ここに乾草を持ち込んで寝ています。」

「カムトリは、同じように乾草をもらっているのですが、土の上でそのまま眠っています。写真の時は丸くなっていますが、おなかを出して寝ていることもよくあります。」

こんなにリラックスしているのに、なぜ「ライオン・カバ館」をオープンしないのか?
それは、こんなにリラックスしているカムトリですが、屋内展示場と屋外展示場の間の寝室に閉じ込められるのが嫌いなようで、屋内展示場と寝室の間の扉を閉める作業に手間取っています。

ブチハイエナの近況 2015年11月18日
「そんな大きな木は部屋にもってけないよ~!!」(円山動物園公式ブログより)

外はだいぶ慣れてきました。最初は、檻のない世界に戸惑っていたようですが、堀に落ちないように置いておいた枝を噛んで遊んでいます。

屋外展示場は、キリン館2階からも見れますので、お天気のいい日は、双眼鏡片手にお立ち寄りいただけると、もしかしたら、ブチハイエナたちに会えるかもしれません。

ブチハイエナの近況 2015年11月18日

動物ファーストの円山動物園。2頭のペースに合わせて時間をかけ、2015年12月23日、アフリカゾーンが一部観覧可能となりました。

<カムトリの旅立ち>

●2016年

2016年6月、カムトリが大分県にある九州自然動物公園アフリカンサファリへと旅立ちました。移動は陸路とフェリー。とても長い旅になったと思います。

・「ブチハイエナのカムトリとの交換で、エランドのオペルが5月26日来園しました。」(豪華二本立て その2 エランドのオペルが仲間入りしました 2016年5月28日)

カムトリの大分ライフについては、のちほど紹介します。

<カミの日常>

円山動物園公式ブログより「カミ」

アフリカに引っ越しした動物たちの近況報告です。
<ハイエナ編>
平日の午前と午後の1時間づつ、観覧訓練(人馴らし)を行っています。
人馴らしが順調なため、土日祝日も開けようか、時間も伸ばそうか、との話が出ていますが、人の問題、出入口の安全管理等解決すべき問題を抱えています。

近況報告(アフリカに引っ越しした動物たち) 2016年7月30日

●2021年

「円山動物園のこの動物に注目!」より

一頭になったカミは、現在も北海道の公営動物園の中では唯一のハイエナとして暮らしています。

寒さが苦手なブチハイエナですが、カミは雪がたくさん積もった日でも外に出て雪を掘って遊ぶことがあります。室内の暖かさが一番のようではありますが♪

●2022年

→カミの飼育担当である佐々木さんのインタビュー動画が掲載されました。
佐々木さんとカミのトレーニングのようすや、カミが展示場でどんなふうに過ごしているかを知ることができます。
動画内にあったカミの体重は54kgということで、オスにしてはかなり大きめのブチハイエナだとわかります。

「円山動物園だより」2022年秋号より

・「野生のハイエナは、食べきれなかったエサを、土や水の中に隠す習性があります。隠したエサを嗅覚を使って探したり、土を掘って取り出すため、動物園でも穴を掘って埋めることがあります。」(「円山動物園だより」2022年秋号
→寒い地域には生息していないブチハイエナですが、飼育員さんたちはカミの野生本来の行動を引き出そうと、さまざまな工夫をしています。

●2023年

「サポクラ通信」2023年6月号より

・「これまで4回ほど屠体給餌していますが、最初はどのように食べれば良いのか分からず、とりあえず噛んでみたり、水につけたり、とにかく時間がかかりましたが、今は効率よくおいしい部分から肉を剥ぎ取るように骨まできれいに食べています。 」(「サポクラ通信」2023年6月号



▼円山動物園のブチハイエナ
カミ(オス、2009年9月3日韓国大田広域市オーワールド(O-World)生まれ。2010年10月6日円山動物園来園。)

以上、円山動物園のブチハイエナ史でした。


【2010年~】のいち動物公園(高知県香南市)

現在飼育されている個体:「エナ」「ブッチー」(2010年~)「カロア」(2023年~)

のいち動物公園公式サイトより エナとブッチー

続いてはブチハイエナ3家系の中では最も新しい「のいち家系」を紹介します。高知県にあるのいち動物公園がその舞台です。

ここで、とてもややこしいことをお伝えします。

★現在、国内のブチハイエナにはメスの「エナ」と、オスの「エナ」がいます。メスの「エナ」がいるのが、のいち動物公園
★「ブッチー」と「ブッチ」もいます。「ブッチー」がいるのが、のいち動物公園
メスの「アズキ」と、オスの「あずき」もいます。メスの「アズキ」が生まれたのが、のいち動物公園

これからもれなく全員登場しますので、整理しながら読んでみてください。

▼のいち動物公園のブチハイエナ史
2010年:「エナ」「ブッチー」来園
2012年10月2日:「トーフ」誕生
2013年8月20日:「アズキ」「ダイズ」誕生
2015年3月:「アズキ」「ダイズ」アフリカンサファリへ
2020年~2021年:「ブッチー」にガンが見つかり手術
2022年8月27日:「トーフ」無麻酔で採血に成功(当園初)
2023年10月10日:「カロア」千葉市動物公園より来園
2023年10月11日:「トーフ」千葉市動物公園へ
2023年11月~:「カロア」、「ブッチー」との同居開始

<エナ・ブッチー来園>

●2010年

エナとブッチーは、推定2008年にタンザニアで生まれた個体。2010年に一緒に来園しました。

「エナ」のプロフィール
2010年に「ブッチー」と共に来園。
2012年には長男の「トーフ」を出産する。
リーダーとして冷静で、物事をしっかりと見極める強き母。

「ブッチー」のプロフィール
2010年に「エナ」と共に来園。
奥さん、かつリーダーである「エナ」に献身的で、寝転がる「エナ」の毛づくろいは「ブッチー」の役目。

のいち動物公園公式サイトより

2010年、のいち動物公園ではリニューアル工事が行われていました。内容は、ブチハイエナ・ハシビロコウの新展示、アナホリフクロウ舎の移設、テナガザル舎のタワー改修、トイレ改修など。

工事が終わり、万全の態勢で迎えられたエナとブッチー。来園したのは夏休み期間中でした。

<トーフ誕生>

●2012年

マイナビニュースより

エナとブッチーは非常に相性が良く、すぐに良い関係を築きました。そして2012年10月2日、のいち動物公園で初めてのブチハイエナの赤ちゃん(オス)が誕生しました。

名前は、生まれた日にちなんで「トーフ」

トーフは生後1か月で屋外展示場に出ました。エナは立派に世話をしていますね。

現在は削除されてしまっていますが、当時はトーフの成長記録も公開されていました。

「エナ」の陣痛が始まった10月1日から、子どもが生後56日目となる11月27日までの親子の様子が公開されている。

生後56日目の日記では、子どもがエサを食べる様子を紹介。アゴの力はすでにブチハイエナの片りんを見せており、骨にかみついたら放さないという。
また、馬肉や鶏肉はほとんど食べず、豚の骨にのみ執着しており、小さな歯でガリガリとかじる様子は、同ページに掲載されている動画でも見ることができる。

なお、現在同園ではブチハイエナの親子を公開中。驚かせると巣穴である屋内展示場と寝室に戻ってしまうため、あまり大きな音をたてずに見てほしいとのこと。

マイナビニュース「高知県のいち動物公園、ブチハイエナ親子の日記を公開中」より 2012/12/26

●2013年

生後約半年で、お父さんのブッチーとも一緒に展示場に出ることができました。ブチハイエナはメスが上位ですが、ブッチーはオスでありしかも息子でもあるトーフに対しても低姿勢なパパでした。
実はブチハイエナの序列は、遅く生まれたほうが上だと言われています。若い遺伝子を少しでも残せるようにそうなったのではないかという説もあります。

<アズキ・ダイズ誕生>

生後10か月のトーフに、妹ができました。
2013年8月20日、エナが女の子の赤ちゃんを2頭出産しました。2頭は「アズキ」「ダイズ」と名付けられます。

ブチハイエナの序列は、メスがオスより上、そして、遅く生まれたメスがさらに上になります。つまり、5頭のうち、アズキとダイズは生まれた瞬間に「最も上の存在」になったのです。上の動画を見ると、トーフは妹たちと遊んであげているような、遊ばれているような、そんな感じです。

●2014年

2014年から2015年ののいち動物公園では、国内最多の5頭の群れでブチハイエナを展示していました。エナを大黒柱として、野生のハイエナが群れでどんなふうに暮らしているか、観察することができました。

・ブチハイエナ双子 ダイズ、アズキの誕生会(8月17日)
「二姉妹の1歳の誕生日を記念してこれまでの成長記録の紹介と、動物には飼育係特製、肉のケーキをプレゼント。」

平成26年度高知県立のいち動物公園年報より

<ダイズ・アズキの旅立ち>

●2015年

・ブチハイエナ双子 ダイズ、アズキのお別れ会(3月1日)
「九州自然動物公園にブリーディングローンのため旅立つブチハイエナ雌2頭とのお別れ会を開催、担当者が成長過程など紹介した。成長過程など紹介した。また、来園者からの寄せ書きコーナーを設置。参加者:50名」

→2頭は繁殖のため、大分県にある九州自然公園アフリカンサファリへと旅立ちました。ダイズはそこで生涯を過ごし、アズキはのちに秋吉台サファリランドへと移動します。

兄のトーフよりも先に妹たちが旅立ったのはなぜだったのでしょうか。受け入れ先では、メスのブチハイエナの需要が高かったのかもしれません。

▼こちらのブログは、ブチハイエナ担当の飼育員さんが執筆したものです。エナとブッチーに家族ができるまでのことが書かれています。登録が必要になりますが、内容が充実しているので是非読んでみてください。

さて、のいち動物公園の公式ブログは、2021年以降のものが現在も残っています。

<病気を乗り越えたパパ>

●2021年

のいち動物公園公式ブログより

・「ブチハイエナの「ブッチー」は腰に皮膚癌が見つかり、昨年に摘出手術を受けましたが、新たに左足脚に見つかり手術しましたので、しばらくの間お休みさせていただきます。経過は順調で、エサもしっかりと食べて元気に過ごしていますので、ご安心ください。」(2021年06月08日)
→約1か月後…

のいち動物公園公式ブログより

・「6月上旬に皮膚がんの摘出手術を受けたためお休みしていたブチハイエナの「ブッチー」は、傷口がきれいにふさがったので展示場へと戻ってきました!「エナ」との久々の再会に、匂いを嗅いだり鳴き声を上げたりと、お互いに大興奮です。「ブッチー」にとっては「エナ」の尻に敷かれた生活が始まりましたが(笑)、メスをリーダーとするブチハイエナの群れの掟です。いつも温和なブッチーのお陰で、平穏な日常に戻りました♪」(2021年07月20日)
→ブッチーはエナのことが大好きのようです。尻に敷かれ続けても、それがブッチーにとっては幸せなのかもしれませんね。

●2022年

公式フェイスブックより

カメラがとらえた深夜にヘソ天で爆睡するブチハイエナ「ブッチー」!
メスが優位なハイエナ界、展示場で「エナ(メス)」と一緒に過ごす時は絶対にこんな姿で寝ないんだそうです。仲良し夫婦な2頭ですが、適度な距離感が大切なのかも…!

公式フェイスブックより 2022年6月22日

→この写真を見て、ブッチーのガンが治ってくれて本当によかったなと改めて思いました。

のいち動物公園公式ブログより

【動物ブログ】 飼育日記 ブチハイエナの採血をおこないました。

当園では2012年からブチハイエナのハズバンダリートレーニングをおこなっており、健康管理してきました。
今回、当園のブチハイエナでは初めて無麻酔での採血に成功しました。採血出来た個体は「トーフ」(オス9歳)です。

職員が同じ部屋に入ることができない肉食動物の場合は尻尾から採血するケースが多いのですが・・・ハイエナの尻尾は短い!
そういった場合、前肢から採血することもありますが、当園では格子を切るなどの工事をしないとブチハイエナに足を出してもらうことはできません。
施設の構造とブチハイエナの体の構造から採血箇所は首からということにしました。

ブチハイエナは非常に警戒心が強いのですが、食欲も旺盛なので、鶏肉をペースト状にした物を与えながらおこなうことで安定して、かつ職員もより安全に採血することができるようになりました。~

今回の血液検査の結果、「トーフ」に大きな異常は見られませんでした。

公式ブログより 2022年08月31日

→無麻酔で首から採血ができたのはこれが初めてでした。ブチハイエナは猛獣ですから、これは本当にすごいことです。

<トーフとカロアの交換>

●2023年

のいち動物公園公式ブログより「トーフ」

国内のブチハイエナ繁殖に向けて、千葉市動物公園から新たに「カロア」(メス)が当園に仲間入りし、当園の「トーフ」(オス)が同園に引っ越すこととなりました。
「カロア」は2023年10月10日(火)に到着予定、「トーフ」は10月11日(水)に出発予定です。「カロア」の一般公開日は未定ですが、決まりましたら改めてお知らせしますので、会える日を楽しみにしていてくださいね。

「トーフ」が当園でみなさんにお会いできるのは、10月9日(月祝)までとなります。「トーフ」は、2012年に当園で母「エナ」父「ブッチー」の間に生まれました。のんびり屋さんで、臆病なところもありますが、展示場で穴を掘ったり木を運んだり、遊ぶのが大好きです。

「千葉市動物公園とのブチハイエナ相互移動について」 2023年09月19日

のいち動物公園で初めて生まれたブチハイエナ「トーフ」は、11歳で千葉市動物公園に旅立ちました。たくさんの成長を見せてくれたトーフです。

10月8日に、トーフの送別会が行われました。

のいち動物公園公式ブログより

「トーフ」は当園で初めて生まれたブチハイエナです。両親と翌年生まれた妹2頭を含む最大5頭の群れで生活している時期もありましたが、父親との関係が上手くいかなくなってから、単独で生活していました。

今回の移動は繁殖を目的に、メス3頭を飼育していた千葉市動物公園の「カロア」と入れ替わりで移動する形で実現しました。

のいち動物公園公式ブログより

トーフにもちゃんと低姿勢だったパパ「ブッチー」との関係は、いつの間にか悪化してしまっていたようです。

そして、「カロア」が無事に来園。
・「輸送箱から出るのに少し時間を要しましたが、職員に警戒することもなく、餌も良く食べています。搬入直後は先住の「エナ」と「ブッチー」が「カロア」の寝室に興味津々。「カロア」も外の様子を気にして鳴き交わすなどしていました。」(2023年10月18日)

のいち動物公園公式ブログより
のいち動物公園公式ブログより カロアに興味津々のエナとブッチー

カロアはメス。エナよりも年下なので、3頭の中では序列が最も上になります。エナやブッチーは血縁がなくても、カロアが自分たちより若い個体だとわかるのでしょうか。

「カロア」のプロフィール
千葉市動物公園より来園。
体が大きい。好奇心旺盛で観覧者の方によく近づいてくる。

のいち動物公園公式サイトより

カロアは今後、ブッチーとの繁殖を目指すことになります。
2023年11月から早速同居の練習を始めているようです。

「不思議な技でブッチーを投げ飛ばすカロア(噛んではいません)」(のいち動物公園公式ブログより)

ブッチーはカロアにも低姿勢でいくのかと思われましたが、なんとカロアの背中を攻撃しに行ったそう!(下剋上狙い??)ですが全く歯が立たず、カロアの不思議な技で投げ飛ばされてしまいました。

カロアに追いかけられる日々の始まり

カロアに下剋上の無謀さを思い知らされたブッチーは、再び尻に敷かれる生活に。2頭が楽しく、仲良くなっていってほしいなと思います。

▼のいち動物公園のブチハイエナ
エナ(メス、推定2008年タンザニア生まれ、2010年のいちへ)
ブッチー(オス、推定2008年タンザニア生まれ、2010年のいちへ)
カロア(メス、2019年南アフリカ生まれ、2023年10月千葉市動物公園より来園)

以上、のいち動物公園のブチハイエナ史でした。


【2011年~】池田動物園(岡山県岡山市)

現在飼育されている個体:「蓮(レン)」(2011年~)「ブッチ」(2013年~)

池田動物園公式サイトより

池田動物園のブチハイエナは「天王寺家系」に属します。2011年に天王寺で生まれた「蓮」が現在暮らしているのが、池田動物園です。

さきほどのややこしい話で紹介した、
メスの「ブッチ」は池田動物園にいます。
オスの「あずき」は、池田動物園で生まれました。

▼池田動物園のブチハイエナ史
2009年6月12日:「レイ」大宮公園小動物園より来園
2011年3月28日:「レイ」天王寺動物園へ、「蓮(レン)」天王寺動物園より来園
2013年11月11日:「ブッチ」しろとり動物園より来園
2015年9月13日:「ジェイ」誕生
2016年3月16日:「ジェイ」しろとり動物園へ
2016年10月13日:「あずき」「みらい」誕生
2017年9月「みらい」秋吉台サファリランドへ
2017年12月18日:赤ちゃん誕生
2018年:「あずき」しろとり動物園へ
2020年8月:ハイエナ舎リニューアル

●2009年

<レイ来園>

大宮公園小動物園飼育日誌より

大宮公園小動物園で、「セレン」とともに生まれた「レイ」(オス)は、2009年6月12日に池田動物園に来園しました。

双子のブチハイエナのもう1頭「レイ」が6月8日に岡山県にある「池田動物園」へ引っ越しました。

あちらでも、しっかりとブチハイエナの魅力を伝えてくれることでしょう。
この引越しで、日本国内でのブチハイエナの飼育園は4園目となりました。
「レイ」が大好きな大宮公園動物園ファンも、県外にお住まいでこのHPをご覧になっている方も(特に西日本の方)ぜひ、「レイ」に会うために池田動物園を訪れてみてください。

※ちなみに現在、ブチハイエナを飼育している動物園は、「日本平動物園」「天王寺動物園」「池田動物園」と当園だけです。

大宮公園小動物園飼育日誌より

<レイと蓮の交換~天王寺動物園~>

●2011年

ブチハイエナのれん君です☆ 2007年8月14日生まれのおとこのこです。2年前に池田動物園にやってきました(^^) ハイエナのイメージとは違いとても可愛らしい顔をしており来園者からも人気者です! 週に4回の給餌の際には、鶏肉や馬肉を豪快に食べる姿をご覧いただけます。 ぜひ見に来てください(^_^)/

Posted by 池田動物園 on Monday, September 2, 2013

レイは約1年半池田動物園で過ごし、前述したように天王寺動物園の「蓮」と交換という形で、再びお引越ししていきます。

「蓮」は2007年8月14に天王寺動物園で生まれ、2011年3月に池田動物園へやってきました。愛と秀の息子です。

<ブッチ来園>

●2013年

ブチハイエナのブッチちゃんが来園しました☆ 先日、しろとり動物園よりブチハイエナのブッチちゃん(雌)がやってきました(^_^) とても人懐っこい性格で、すぐに環境の変化にも慣れてくれ、現在は レン君とお見合い中です。良いペアとなってくれたらいいなと思います(*^_^*)

Posted by 池田動物園 on Wednesday, December 4, 2013

蓮のお嫁さんとして、2007年しろとり動物園生まれの「ブッチ」が2013年11月11日に来園しました。

ブッチはすぐに池田動物園の環境に慣れたようで、来園から1か月もしないうちに、蓮とのお見合いを始めることができました。

いいね!の総数が1111件を達成しました! それにちなんで、2013年、「11」月「11」日に池田動物園にやってきたブチハイエナ、ブッチちゃんの搬入風景を公開! 頑丈で思い鉄の移動檻に入ってきたため、出勤していた男性飼育係総出で運びました(^_^;) 寝室のドアと移動檻の入り口を密着させて入り口を開けましたがなかなか移動せず、30分以上檻から出すために四苦八苦したのも今ではいい思い出です(* ̄ー ̄*)

Posted by 池田動物園 on Tuesday, February 17, 2015

2013年、「11」月「11」日に池田動物園にやってきたブチハイエナ、ブッチちゃんの搬入風景を公開!
頑丈で思い鉄の移動檻に入ってきたため、出勤していた男性飼育係総出で運びました(^_^;)
寝室のドアと移動檻の入り口を密着させて入り口を開けましたがなかなか移動せず、30分以上檻から出すために四苦八苦したのも今ではいい思い出です(* ̄ー ̄*)

公式フェイスブックより

●2014年

ブチハイエナの蓮くん。 お隣のブッチちゃんの部屋への扉が開きましたが、遠慮?しているのか中に入らず境目から様子を見ています。 肉食獣だけど草食系男子なのでしょうか…………

Posted by 池田動物園 on Thursday, March 20, 2014

どちらも人懐っこい性格ですが、異性のブチハイエナに対しては…少し装飾気味でした。でも、2頭の相性は悪くありませんでした。

<ジェイ誕生>

●2015年

9月13日。 当園で飼育しているブチハイエナの蓮・ブッチの間に待望の赤ちゃんが誕生しました! 大人と違いブチ模様のない黒い毛色ですねΣ(゚д゚ ) 今週木曜日から一般公開されますので、ぜひ会いにきてくださいね(*^▽^*)

Posted by 池田動物園 on Tuesday, October 20, 2015

2015年9月13日、蓮とブッチに赤ちゃんが誕生しました。
SNSにその名前は登場していませんが、「ジェイ」という子です。

ジェイの成長の様子は、SNSでたくさん公開されました。

ジェイはその後2016年3月16日、お母さんのブッチの故郷であるしろとり動物園へと旅立ちます。

昨年9月に誕生したブチハイエナの赤ちゃん(オス)が、3月16日に香川県のしろとり動物園にお引越ししていきました! これまでご覧になってくださった皆さんありがとうございました。 しろとり動物園でも元気に過ごして、皆さんの人気者になってもらいたいですね!

Posted by 池田動物園 on Tuesday, March 22, 2016

ジェイは移動先のしろとり動物園で、とんでもない事実が発覚することになります。

<あずき・みらい誕生>

●2016年

公式フェイスブックより

フェイスブックでの報告が遅れてしまいましたが、10月13日にブチハイエナの赤ちゃんが産まれました(^^)

現在は一般公開も始まり、かわいい赤ちゃんの姿にハイエナ舎前はとても賑わっております(*^_^*)
まだご覧になられていない方は、ぜひお早めに動物園へ遊びに来てください
また、赤ちゃんの名前募集も行っておりますので、きめられた名前の候補の中からみなさまぜひ投票ください。
みなさまお越しをお待ちしておりますヽ(^o^)丿
   《赤ちゃん公開情報》
公開時間:10:30~(毎日)
当面は寝室と出入り自由展示となります(見えない時間帯がございます)ご了承ください。
名前募集期間:11月12日~12月9日
命名式:2017年1月22日(予定)

公式フェイスブックより

2016年10月13日には、双子の赤ちゃんを授かりました。
1頭はブッチが育て、もう1頭は人工哺育に切り替えられました。

「ハイエナの双子はどちらか1頭しか育たないことが多い。」大宮公園小動物園のキラとホシの間に生まれた子どもを紹介した際、そんな話をしました。もしかしたら池田動物園でも、ブッチが1頭だけお世話していたのを飼育員さんが発見して、人工哺育になったのかもしれません。

☆ハイエナの赤ちゃんの命名式を行います☆ 昨年10月13日に生まれたブチハイエナの赤ちゃんの命名式を行います。現在、生まれて約3ヶ月となる赤ちゃんは順調に成長し元気に過ごしております(^^) 約1ヶ月間行なっていた名前募集では、1000通...

Posted by 池田動物園 on Wednesday, January 11, 2017

●2017年

ブチハイエナの赤ちゃんの命名式を行いました☆ 昨年10月13日に生まれた2頭のハイエナの赤ちゃんの名前が決まりました(^^) 『みらい♂』と『アズキ♂』です。 (みらい:母親と同居している赤ちゃん) (アズキ:人工哺育の赤ちゃん) 約...

Posted by 池田動物園 on Sunday, January 22, 2017

ブチハイエナの赤ちゃんの命名式を行いました☆
昨年10月13日に生まれた2頭のハイエナの赤ちゃんの名前が決まりました(^^)
『みらい』『アズキ』です。
(みらい:母親と同居している赤ちゃん)
(アズキ:人工哺育の赤ちゃん)
約1100通の応募の中から一番多かったこの2つの名前に決めさせていただきました。応募に参加していただいた皆様、ありがとうございました。
現在、2頭の赤ちゃんは順調に成長し、だんだんと体の模様も変わってきています。
これからも、可愛さいっぱいとなる『みらい』、『アズキ』をよろしくお願いします(*^_^*)

2017年1月23日

2頭の名前は、投票で「みらい」「あずき」に決まりました。
ハイエナの双子が、母親の子育てと人工保育で1頭ずつ育つというのは、池田動物園が初めてではないでしょうか。

<赤ちゃん誕生>

おはようございます☀ 嬉しいニュースです!...

Posted by 池田動物園 on Friday, January 26, 2018

2017年12月18日、蓮とブッチはまたまた赤ちゃんを授かりました。
ところが公式からのお知らせは、年が明けてから赤ちゃんの公開が始まったという投稿が最後。

この赤ちゃんの名前や、その後どうなったのかについてはわかりません。

<みらいとあずきの旅立ち>

●2017年~2018年

2017年9月、「みらい」は秋吉台サファリランドへ、2018年、「あずき」はしろとり動物園へと旅立ちました。

<ハイエナ舎リニューアル>

●2020年

本日、旧ハイエナ舎の準備は左側の部屋のレイアウトを進めました!毎日少しずつですが、進めていきたいと思います。 もうしばらくお待ちください(^^) (園内動物の引越しを予定しております)

Posted by 池田動物園 on Tuesday, August 4, 2020

24日水曜日の休園日にブチハイエナの蓮くんを旧ホワイトライオン舎、ハタリくんがいたお部屋にお引越ししました。ベンガルトラのヒロくんとハタリくんが亡くなってからそのままになっていましたが、この度スタッフで検討した結果ハイエナを移動することにし...

Posted by 池田動物園 on Friday, June 26, 2020

24日水曜日の休園日にブチハイエナの蓮くんを旧ホワイトライオン舎、ハタリくんがいたお部屋にお引越ししました。

ベンガルトラのヒロくんとハタリくんが亡くなってからそのままになっていましたが、この度スタッフで検討した結果ハイエナを移動することにしました。
これはこの場所に新規導入するのではなく、少しでも今いる動物たちに飼育の改善を考えたものです。移動をして2日目の蓮くんは、まだ落ち着かず少しずつ状況を確認している段階です。しばらくチラッと見えたり見えなかったりだとおもいますが、蓮くんに合わせていきたいと思いますのでご理解ご協力のほどよろしくお願いいたします。 何歩か頑張って出たのか足跡がありました。
※メスのブッチちゃんの移動は7月1日以降の予定です。

公式フフェイスブックより

先日紹介しましたが、ハイエナのレンくん、ブッチともに落ち着いて過ごしています。 まだ環境に慣らすためしばらくの間は室内を開放し、ご覧いただけない場合がございます。 これからもよろしくお願いします😄 #レン #ブッチ

Posted by 池田動物園 on Wednesday, July 1, 2020

蓮とブッチは、新しくなったハイエナ舎にお引越ししました。
引っ越し後はゆっくりと慣れる時間を設け、今ではすっかりリラックスできるようになっています。

●2022年

蓮やブッチが落ち着いて過ごせるように、飼育員さんたちはマッサージを定期的にしているようです。

本来ブチハイエナは人間と触れ合う生き物ではありませんが、2頭がストレスなく暮らしていけるのが一番なので、個人的には素敵なやり取りだと思います。

売店にて、しれっと販売しているレッサーパンダとハイエナのウンチ標本🐾💩 どちらも本物のウンチを樹脂で固めています。興味のある方は是非お買い求め下さい😆 数量限定です‼️ #動物園 #zoo #ウンチ #アクリル標本 #レッサーパンダ #ブチハイエナ

Posted by 池田動物園 on Saturday, May 14, 2022

売店にて、しれっと販売しているレッサーパンダとハイエナのウンチ標本。

どちらも本物のウンチを樹脂で固めています。興味のある方は是非お買い求め下さい。
数量限定です!!

公式フェイスブックより

池田動物園の売店では、数量限定でブッチと蓮の白いふんを樹脂で固めて販売していたようです。現在は販売されていないと思われますが、これは池田動物園だけでしか行われてなかったと思います(笑)

▼池田動物園のブチハイエナ
(2007年8月14天王寺動物園生まれ、2011年3月来園)
ブッチ(2007年しろとり動物園生まれ、2013年11月11日)

これからも、蓮とブッチは仲良く暮らしてほしいと思います。
以上、池田動物園のブチハイエナ史でした。


※ここから民間の動物園等も登場してきます。資料が少ない場合があり、その際は一般の方のSNS投稿やYouTube動画等を貴重な情報として掲載しています。


【2011年~】しろとり動物園(香川県)

現在飼育されている個体:「エナ」「ジェイ」「あずき」「ブッシュ」「ケイシー」「ケリー」「オリー」「ジム」「ブロック」「レンガ」

香川県にあるしろとり動物園のブチハイエナは「天王寺家系」です。

オスの「エナ」がいるのがしろとり動物園です。これまで4度父親になった、新しい血統を持つ個体です(出身地は不明)。
オスの「あずき」は、池田動物園で生まれ、現在はここしろとり動物園にいます。

▼しろとり動物園のブチハイエナ史
2011年:「エナ」来園
2016年3月16日:「ジェイ」池田動物園より来園
2018年:「あずき」池田動物園より来園
2018年8月:「ブッシュ」誕生
2019年1月25日:「ガブ」「キュル」「ヤミー」誕生
2019年7月24日:「ケイシー」「ケリー」誕生
2019年11月21日:「ヤミー」「キュル」秋吉台サファリランドへ
2020年1月12日:「オリー」「ジム」誕生
2020年1月末?:「ブロック」「レンガ」誕生
2020年8月31日:赤ちゃん2頭誕生
2022年8月9日:「ガブ」とくしま動物園へ

<エナ来園>

●2011年

しろとり動物園のブチハイエナ史は、2011年の「エナ」の来園から始まります。エナの出身地は不明ですが、海外からの来園だと思われ、当時は国内のどのブチハイエナとも血縁がありませんでした。

<ジェイ来園>

●2015年

そして、岡山県池田動物園で生まれた「ジェイ」が、エナの「お婿さん」として2015年に来園します。

昨年9月に誕生したブチハイエナの赤ちゃん(オス)が、3月16日に香川県のしろとり動物園にお引越ししていきました! これまでご覧になってくださった皆さんありがとうございました。 しろとり動物園でも元気に過ごして、皆さんの人気者になってもらいたいですね!

Posted by 池田動物園 on Tuesday, March 22, 2016

実は、「エナ」はメスだと思われていました。そして、池田動物園の項目で前述した「ジェイ」はオスだと思われていました。偶然にも性別がそれぞれ逆だったのが功を奏して、2頭は無事に(?)夫婦になることができました。

エナ君、ジェイちゃん、です。何度も唱えて性別と一緒に覚えましょう。

<あずき来園>

そして、2016年に池田動物園で生まれた「あずき君」がやってきます。ジェイちゃんの弟ですね。

<ブッシュ誕生>

●2018年

開園以来初のハイエナの赤ちゃんが1頭産まれています☺️
ミルクも飲んでスクスク成長中です(*^ω^*)
基本は赤ちゃんハウスでトラとライオンと一緒に遊んでいます‼️

公式インスタグラムより

その後、エナ君とジェイちゃんは繫殖に成功し、2018年8月にオスの「ブッシュ」を授かります。

※あずき君とブッシュは、現在は非公開の個体であるという情報があります。

<ガブ・キュル・ヤミー、ケイシー・ケリー誕生>

●2019年

2019年はしろとり動物園のブチハイエナベビーラッシュ期です。

1月25日、エナ君とジェイちゃんは2度目の繫殖に成功。生まれた子は三つ子で、「ガブ」(オス)「キュル」(オス)「ヤミー」(メス)と名付けられます。

ガブ、ヤミー、キュルは誕生から少し成長した姿まで、資料が多めに残っています。

ブチハイエナの三つ子が母子ともに健康な状態で育つのはとてもすごいことですよね。

そして「ヤミー」「キュル」は、生後約9か月で山口県の秋吉台サファリランドへ移動します。

そして三つ子が生まれた半年後、7月にエナ君とジェイちゃんは、またまた赤ちゃんを授かります。2頭生まれた子どもたちは、「ケイシー」(オス)「ケリー」(メス)と名付けられました。

この時点で、しろとり動物園のブチハイエナの序列は…
1位:ケリー(メス・2019年7月生まれ)
2位:ヤミー(メス・2019年1月生まれ)
3位:ジェイ(メス・2015年生まれ)
4位:ケイシー(オス・2019年7月生まれ)
5位:ガブ・キュル(オス・2019年1月生まれ)
6位:ブッシュ(オス・2018年生まれ)
7位:あずき(オス・2016年生まれ)
8位:エナ(オス・2011年来園)

となります。

<オリー・ジム誕生>

●2020年

エナ君とジェイちゃんは、2020年1月にも双子を授かります。
今回は2頭ともオスで、「オリー」「ジム」と名付けられました。

2頭はあまりにもやんちゃな性格だったため、別々の寝室が必要になりました。その関係で、非公開のブッシュとあずきの公開予定がありましたが見送りになってしまいました。

<ブロック・レンガ誕生>

●2020年

しろとり動物園公式サイトより

2020年1月末頃に再び双子の赤ちゃんが生まれたようです。
この双子は「ブロック」「レンガ」と名付けられました。

2頭の誕生間もない2月5日から、期間限定で抱っこイベントが開催されました。赤ちゃんの成長により、すぐに終了したイベントです。

そして、2020年8月31日にも赤ちゃんが誕生しました。

2頭は首輪をしていたり、母親のようすがなかったりすることから、人工哺育で育てられた可能性があります。

この双子の名前は不明ですが…ブロック、レンガとは誕生日が異なるので別の双子であることは確かです。

●2021年

こちらのブログでは、しろとり動物園のブチハイエナ家族がどんなふうに生活しているか、少し知ることができます。

<ガブの旅立ち>

●2022年

三つ子のうち1頭だけ残っていた「ガブ」

2022年8月9日、とくしま動物園初のブチハイエナとして出発しました。

●2023年

2023年現在、名前がわかっている個体だけでも10頭のブチハイエナが暮らしています。

一番最近の投稿は「ジム」でした。

Tiktokでもブチハイエナの魅力を発信しています。

▼しろとり動物園のブチハイエナ
エナ
(オス、20211年来園)
ジェイ(メス、2016年3月16日池田動物園より来園)
あずき(オス、2018年池田動物園より来園)
ブッシュ(オス、2018年8月生まれ
ケイシー(オス、2019年7月24日生まれ
ケリー
(メス、2019年7月24日生まれ
オリー(オス、2020年1月12日生まれ
ジム
(オス、2020年1月12日生まれ
ブロック(2020年1月末生まれ
レンガ
(2020年1月末生まれ
2020年8月31日生まれの2頭

国内で最も大所帯のしろとり動物園のブチハイエナ。
今後も家族の動向に注目です。

以上、しろとり動物園のブチハイエナ史でした。


【2012年~】宇都宮動物園(栃木県宇都宮市)

現在飼育されている個体:「ブブゼラ」

▼宇都宮動物園のブチハイエナ史
2012年12月14日:「ブブゼラ」大宮公園小動物園より来園
来園以降、毎年誕生日会を開催。

<ブブゼラ来園>

●2012年

大宮公園小動物園飼育日誌より

名前が決まりました!(2010年7月9日)

名前の候補はすべて、アフリカを連想させる言葉から考えました。
彼らのすむ「アフリカ」の環境について考えよう!自然を守ろう!」といわれても、「実際どうしたらいいのだろう?」と思いませんか?
意識していないことを、急に考えるということはとても難しいことです。そこで私たちは、まずは彼らのすむ「アフリカ」に関心を持ってもらいたいと思いました。

「ブブゼラってすごく大きな音の楽器だよね。」とか「あの音を聞くと南アフリカのワールドカップを思い出すなぁ。」とか、この名前を聞くとみなさんの中に、いろいろな記憶がよみがえってきませんか?彼の名前を見たときにそんな記憶を紐解いてほしいのです。
反対に楽器の「ブブゼラ」をみかける機会があったときは、彼を思い出してほしいのです。

そんなことの繰り返しで、ブチハイエナとアフリカの印象が少しずつ重なると思います。

大宮公園小動物園飼育日誌より

2010年4月8日に大宮公園小動物園で生まれた「ブブゼラ」 。お披露目の時に流れていたアフリカ音楽にビビっていたけど、アフリカの楽器の名前がつけられた男の子です。

大宮公園小動物園飼育日誌より ブブゼラを運ぶ母の「キラ」

2012年12月14日、立派に成長したブブゼラは、宇都宮動物園の初めてのブチハイエナとしてお引越ししました。

それではブブゼラの宇都宮ライフを紹介していきます。
主に担当飼育員の「明太子」さんのブログを参考にしています。

●2014年

宇都宮動物園公式ブログより

ブログでの登場は初めてでしょうか?
というのも、写真を撮ろうとすると、近づきすぎてレンズにおさまらないんです(^0^;)

人懐っこすぎの、ブブちゃん。
先日は、牛骨のプレゼントをしました♪
ライオンも食べないような太い骨も食べてしまう顎の力。さすがの迫力でした!
骨にはタンパク質が豊富にあり、ハイエナは好んで食べます。残骸荒らしをしているんでは、ないですよ。ライオンたちが残す、骨はハイエナにとってはごちそう。狩りも上手なんですよ♪

誕生日会では、ハイエナの可愛さと迫力を活かしたプレゼントをあげますので、是非楽しみにしていてください♪

宇都宮動物園公式ブログより

→ブブゼラは宇都宮動物園に来園してからすぐに人気者になりました。「ブブ」と呼ばれ親しまれています。
お誕生日会も、毎年開催されています。

宇都宮動物園公式ブログより お誕生日会のブブゼラ

→お誕生日会に集まった来園者の数がとても多いことからも、その人気ぶりがうかがえます。

●2015年

今回は、鳴き声をご紹介。
ハイエナの鳴き声は幾つかあり、コミュニケーションをとります。

ここでひとつ紹介します。
当園ではこの鳴き声をよく耳にします。

注意!!
大音量ですので、ご注意下さいませ!!
5km先まで聞こえるそうです。

また、鳴き声には人間の「笑い声」に似たものもあるんですよ♪

宇都宮動物園公式ブログより

→ブブゼラのブブゼラのように大音量の鳴き声です。
定期的に聞いて、ハイエナの故郷アフリカを思い浮かべてみたいですね。

●2015年

今回はハイエナの食べるスピードをいかしたプレゼント。
これです!

宇都宮動物園公式ブログより 2016年の誕生日会でプレゼントされた「わんこ肉」

わんこそばならぬ、

わんこチキンボーンばい!

動画で回数を数えているのは、おわんの数でした。
しかも今回はエプロン姿のぞうさん(飼育員さん)と私明太子が協力して行う賑やかなものだったんです!!
ぞうさんがおわんの肉を私のどんぶりにわたし、私がとんぐでブブゼラに肉をわたす。(わたしわたしうるさいなー)素晴らしいチームプレーだったのです(笑)

宇都宮動物園公式ブログより

→2015年の誕生日プレゼント。これはすごいですね。ブブゼラのいい刺激になりますね。
普通のイヌだったら早食い防止になりそうですが、ブブゼラはどんな形でお肉を出されても、爆速で完食します。

宇都宮動物園公式ブログより

ブブ(皆ブブゼラをこう呼んでます)は私や他の好きな人をどんなに遠くで見つけても、すぐに近寄ってくるため、写真が撮れないんです。テンション上がりすぎて、ちょこまか動き回りますしね(笑)

以前、絶食(日)はすぐに部屋に入ると紹介しましたが、飼育員が好きだから入るのであって、餌が無いことに納得しているわけではありません(笑)

最後はレンズを舐められ、携帯がべちゃべちゃになってしまいました(~O~;)

ブブは100%人の印象を変える子です。
やはり、某映画での悪役、獲物を奪うといったイメージから、「凶悪、怖い」そんな印象を持っているようで、ブブを見たお客様は「あれっ?可愛い❤」という言葉をよく言ってます。

宇都宮動物園公式ブログより

→飼育員さんが大好きなブブゼラ。
「ブブは100%人の印象を変える子です。」という飼育員さんの言葉が印象的なブログです。

●2016年

宇都宮動物園公式ブログより

主役のブブはとてつもない甘えん坊。
体をスリスリしたり、顎を触ると名一杯に顎をあげて触ってアピールをし気持ちいい顔をします♪

しかし、イベントとなるとソワソワ。
「今日は何の日?人が集まっとる。」
と意外と臆病な性格もありますので、少しビビり気味?
ハイエナは牛の骨もバキバキと食べる驚異的な顎の力を持ってます♪
鳥の骨付き肉なんかはご飯粒のようなもの。ほぼ、丸飲みで食べるのが速いのです♪

そんなハイエナの特長を生かした、わんこ蕎麦ならぬーわんこ肉なのです♪
わんこ肉はブブしかやってないんではないでしょうか??

宇都宮動物園公式ブログより

●2017年

宇都宮動物園公式ブログより

飼育員の作業で、掃除、餌作り、観察の他に造作というものがあります。動物舎の中に、その動物にあったものを造ることなのですが、これが楽しいものです♪

ブブゼラは何かを枕にして寝ることが大好きなので、砂場ベットを造りました。

宇都宮動物園公式ブログより

→ブブゼラも、お母さんの「キラ」のように、ちょうどいい枕を作ってもらえたようです。兄の「ツキ」ともそっくりですね。最初は砂場に少しビビっていたブブゼラですが、今では一番のお気に入りスポットです。

宇都宮動物園公式ブログより

野生のハイエナは骨を水に浸しておき、食料として貯蔵しておきます。野生の本能でしょうか?

ブブゼラもご飯は必ず水場に運んで食べたり、多ければ水につけておきます。

宇都宮動物園公式ブログより

→このブログを読むまで知らなかったハイエナの生態です。どこの動物園でもこのことは発信されていない気がします。

そして、2017年のお誕生日会は…

「恒例のわんこ蕎麦ならぬ、わんこ肉と明太子特製マンガ肉です♪」宇都宮動物園公式ブログより

→一段と豪華なプレゼントになっています。「マンガ肉」は人間が食べると骨だけ残りますが、ハイエナは跡形もなく食べてしまいます。ブブゼラは、むしろ骨の方が好きなんだそうです。

骨が好きすぎて抱きしめてしまうブブゼラ。宇都宮動物園公式ブログより

●2018年

宇都宮動物園公式ブログより

→2018年のプレゼントは来園者からの花束と、丸鳥2羽付きのわんこ肉でした。もちろん牛骨も。

▼鳴き声の動画もアップデートされました。

●2021年

宇都宮動物園公式ブログより

→ブブゼラのお誕生日会は、年を重ねるごとに豪華になっています。看板や手書きのイラストまで掲載されるってすごいですよね。

そして、2021年のプレゼントは…

宇都宮動物園公式ブログより

スペシャルマンガ肉!!
実はこれ、
スライスした肉を何枚も重ねたミルフィーユ状態!
これをわんこ蕎麦のように連続で食べてもらおう
ということです!
さらにさらに!ハイエナは骨も大好き!
骨まで美味しく食べられる、素晴らしい
プレゼントなのだー!

宇都宮動物園公式ブログより

→とうとう、お肉でお肉に文字を書いてしまう飼育員さん。

宇都宮動物園公式ブログより

→骨が大好きなブブゼラは、来園者に見せびらかしてから食べました。

●2022年

宇都宮動物園公式ブログより

→ブブゼラお誕生日会の進化はまだまだ止まりません。

宇都宮動物園公式ブログより

→2022年は何と、桜の木をかたどったお肉の盛り合わせ。そういえばブブゼラは春生まれでしたね。
ブブゼラが爆速で完食するようすがtwitterにも投稿されています。

●2023年

→2023年、最新のお誕生日会のようすです。
10回目のお祝いにして満を持して、ブブゼラ自身がお肉にかたどられました。
10年間宇都宮で愛され続けるブブゼラです。

そして2023年は、お誕生日ともう一つ、お祝い事がありました。

宇都宮動物園公式Twitterより

「第8回動物美男総選挙」という宇都宮動物園のイベントで、ブブゼラが1位となったのです。

祝勝会でもらったプレゼントは、なんと王冠をかたどったお肉。ブブゼラはいつもいろんな方法で、飼育員さんたちに楽しませてもらっているのですね。これからも宇都宮動物園とブブゼラに目が離せません。

▼宇都宮動物園のブチハイエナ
ブブゼラ(オス、2010年4月8日大宮公園小動物園生まれ、2012年12月14日宇都宮へ)

以上、宇都宮動物園のブチハイエナ史でした。


【2015年~】九州自然動物公園アフリカンサファリ(大分県宇佐市)

現在飼育されている個体:「カムトリ」「ネイト」「ロコ」

アフリカンサファリ公式サイトより

▼アフリカンサファリのブチハイエナ史
2015年3月:「ダイズ」「アズキ」のいち動物公園より来園
2016年6月:「カムトリ」円山動物園より来園
2018年初旬:「アズキ」秋吉台サファリランドへ
2018年:「ロコ」来園
年月日不明:「ネイト」来園
2019年5月:「ダイズ」天国へ
2021年:「カムトリ」「ネイト」の子誕生?
※他、非公開個体等いる可能性あり

<ダイズ・アズキ来園>

●2015年

※2015年はダイズとアズキともにまだ公開はされていなかったと思われます。

【探し物はなんですか?】 ブチハイエナのダイズちゃん! 今日は何をしているのかと観察していると… 岩組の近くで何か探し物をしている様子! 近づいてみると、探し物に集中していたのかびっくりさせてしまいました∑(゚Д゚) びっくりさせてゴメンね(ーー;) 結局探し物は見つかりませんでした…笑 公開場所:動物ゾーン(ハイエナセクション) HP http://www.africansafari.co.jp

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Saturday, May 13, 2017

アフリカンサファリでは基本的に、飼育動物の個体名を公表していません。
ですが、2022年9月まで更新されていた公式フェイスブックでは、ダイズやアズキの愛称が記載された投稿が多くみられます。

【ダイズの投稿】

【アズキの投稿】

アズキとダイズは、のいち動物公園で生まれた姉妹です。2015年3月、アフリカンサファリへやってきました。

【お気に入りの石のソファー】
ブチハイエナのダイズちゃんは気分が乗らないとなかなか動こうとしません・・・
そういう時はお気に入りの石のソファーでゴロン!!笑
ここはセクションが一望できる一等席( *´艸`)
時々周りを確認するために首だけを動かすのですが・・・
起きる気配は全くありません"(-""-)"
やる気がおきないダイズちゃんでした!

公式フェイスブックより

【大きな里芋?】
ある日、ハイエナセクションを監視していると…
岩の横に何かを発見!?
石なのか?里芋にも似ているようだが!笑
近くに寄って見てみると、丸くなって寝ているアズキちゃんでした(*^o^*)

公式フェイスブックより

【遊ぶの大好き】
この日は、どこからか氷を見つけてきたブチハイエナのアズキちゃん!笑
舐めてみたり、かじってみたり楽しそうに遊んでいました(^o^)
その様子が気になったダイズちゃんは…
アズキちゃんの持っている物は全て欲しくなってしまう性格のようで、、、(^^*)♪
今日も元気に追いかけっこがスタート!!
しばらくすると、疲れてしまったのか、飽きてしまったのか、、、
氷を舐めながらスヤスヤ眠りについた2頭でした( ^ ^ )笑

公式フェイスブックより

<カムトリ来園>

●2016年

円山動物園に北海道初のブチハイエナとして「カミ」とともに来園した「カムトリ」です。

カムトリは2016年にアフリカンサファリにやってきてから、ダイズやアズキと同じようにしばらくバックヤードで過ごしていたようです。

アズキやダイズの個体名が公表されている時期もなぜか、カムトリの名前は公式SNSで一度も登場していません。本記事では、SNSで投稿されたブチハイエナの写真から、外見的特徴で見分けています。

カムトリは他のブチハイエナより体毛の赤みが強く、ややたてがみが長い印象です。

【お久しぶりです!】 久しぶりにブログに登場したブチハイエナのアズキちゃん!! 現在、展示訓練中なのでお客様に気が付いてもらえないこともありますが、動物ゾーンで毎日ご覧になれます(^O^) 場所はトラセクションとチーターセクションの間でご覧になれますので、訓練中のハイエナさんを探してみて下さい♪ 公開場所:動物ゾーン(ハイエナセクション) HP http://www.africansafari.co.jp

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Friday, November 4, 2016

一方、アズキは2016年11月頃から展示場に出る訓練を始めたようです。
2017年からは、展示場でダイズと仲良く暮らすようすが多く投稿されました。

<アズキの旅立ちとロコの来園>

●2018年

【眠気に勝てず…】
12月に入り寒い日が続いてますが、少し日が照り天気がいいと動物たちもお昼寝をします!
ハイエナのアズキちゃんは、遊ぶのが大好きな女の子♪
この日も朝から走り回って遊んでましたが、やはり眠気には勝てず気持ちよさそうに眠ってしまいました(-.-)Zzz
あまりにも気持ちよさそうに寝ているので、見ているこちらまで眠くなってしまいますね(。-∀-)笑

公式フェイスブックより

2017年12月12日の投稿を最後に、アズキの写真は見られなくなりました。
おそらく年末から2018年の初旬にかけて、山口県の秋吉台サファリランドへお引越ししたと思われます。

そして…

【ニューフェイス】
もうご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、実はハイエナセクションにニューフェイスが登場しました!!
まだまだ幼さが残る男の子のロコくんです!
ダイズちゃんとは一緒に遊んだり、仲良く過ごしています( ^ω^ )
ですが、かなりの臆病な性格で些細なことにもすごくビックリしてしまうことがあります…
やんちゃ盛りでもあるので、時々ダイズちゃんにしつこく迫りすぎて怒られることもあります!笑
そんな先輩であるダイズちゃんに色んなとこを教えてもらったり、暖かく見守られながらようやく展示場デビューしました♪

公式フェイスブックより 2018年7月28日

「ロコ」の来園です。

ロコがどこの動物園から来園したのかはわかっていませんが、ダイズのお婿さんとして繁殖する目的でやってきたのだと思います。
まだ幼さが残る外見から、1歳前後での来園だったのではないでしょうか。

【なんかちょうだい!!】 食欲旺盛のブチハイエナのロコくん! まだまだジャングルバスが怖いようで、バスの姿を見つけると飛んで逃げてしまいますが… ジープから声をかけると、キラキラした期待の眼差しでスタッフを見てきます(*゚▽゚*) 「...

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Monday, November 19, 2018

【なんかちょうだい!!】
食欲旺盛のブチハイエナのロコくん!
まだまだジャングルバスが怖いようで、バスの姿を見つけると飛んで逃げてしまいますが…ジープから声をかけると、キラキラした期待の眼差しでスタッフを見てきます(*゚▽゚*)
「何かおやつちょうだい!」
っと言い出しそうなぐらいの熱い視線…笑
ついつい多めにおやつをあげてしまいそうになってしまうスタッフでしたε-(´∀`; )笑

公式フェイスブックより

屁っ放り腰になりながらおやつの骨を食べるロコくん!
ハイエナさんはメスの方が強いので、骨を齧ってダイズちゃんに怒られないかとビクビク…
なので、いつでも逃げれる体制で食べます!笑
ですが…一方のダイズちゃんは、セクションチェックに余念がないようでロコくんの事は御構い無しε-(´∀`; )
ダイズちゃんはあまりロコくんに対して怒ることはないです!笑
それでもダイズちゃんに気を使うロコくん…
もしかしたらこれが仲良しの秘訣なのかもしれませんね(*^ω^*)

公式フェイスブックより

→ロコとダイズのペアリングは少しずつ進んでいったようです。

<ネイト来園>

【意外な特徴】 冬に備えて、毛がフサフサなハイエナさん! ハイエナさんは首回りから背中にかけて タテガミのように長い毛が生えています! ライオンさんには負けますが、 とても立派で暖かそうです♪(´∀`*) まだまだ謎が多く魅力的なハイエナさんを、 ぜひ見に来てくださいね!(*^_^*) 公開場所:動物ゾーン(ハイエナセクション) HP http://www.africansafari.co.jp/

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Saturday, December 7, 2019

出身や時期は不明ですが、この時期にメスの個体「ネイト」が来園しました。ネイトは体が大きく、毛が長いことが特徴です。
ネイトは来園後、オスの「カムトリ」とのペアリングを開始しました。

<ダイズ、天国へ>

●2019年

2019年頃からアフリカンサファリのフェイスブックは、ブチハイエナの個体名を記載しなくなりました。

2018年5月15日 の投稿を最後に、ダイズの姿は見られなくなりました。
大変悲しいことにダイズは、2019年5月に亡くなりました。2013年8月20日に生まれたダイズは、まだ6歳になる前でした。

死因は「難産」。ダイズはロコとのペアリングが順調に進んでいて、赤ちゃんを授かっていたのです。大変悲しいことに、お腹の赤ちゃんとともに天国へ旅立ってしまいました。

ダイズの母「エナ」が、ダイズとアズキを帝王切開で出産したことも思い出されます。ブチハイエナの出産は、母子ともに安全に終わる可能性が非常に低いことを、ダイズは改めて教えてくれました。

【イメージアップ!】
世間では、またもやイメージダウンしている様子のハイエナさん( ̄▽ ̄;)
泥棒!や臭い!などと言ったイメージがあるようですが…。
そんなことありませんよ!!
ハイエナさんは、主に自分で狩りをして生活を
しています!
むしろ肉食動物の中では、狩りが上手な方なのです!(*^^*)
また、他のに動物が狩った獲物の横取りは、
肉食動物では日常茶飯事なのです♪
楽にお腹いっぱいになりますからね!(笑)
そしてハイエナさんは、肉食動物としては
臭くない方です!
ネコ科の動物とは違い、うさぎのようなコロコロウンチにスプレー(匂い付け行動)を行う事ができない為あまり匂いがありません!
ぜひ色んな魅力のあるハイエナさんを
見に来て下さいね♪

公式フェイスブックより

→こちらの写真はロコかカムトリだと思われます。

●2020年

2020年からは、カムトリとネイトがほぼ毎日展示場に出ています。

【お気に入りの枝】 暑い日のハイエナさんは、 よく池に入って遊びます(o^^o) 今日は一頭が気に入った枝をくわえて 池に入っていきました!(笑)   枝で遊びたいハイエナさんと、 かまってほしいハイエナさん…。 最終的に、かまって...

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Saturday, September 26, 2020

2頭は一緒に遊んで長い時間を一緒に過ごしてきました。

<カムトリとネイトの日常>

●2021年

SNSの情報では、2021年頃にカムトリとネイトの間に赤ちゃんが生まれたという情報があります。
公式には発表されていないので定かではありませんが、本当ならとても嬉しいことですね。

●2022年

【タイプの違い】 いつも通りの2頭のハイエナさん! 食欲旺盛で飼育員さんにおねだりするハイエナさんとマイペースでまだ眠たそうなハイエナさん(笑) よく観察していると2頭が行う駆け引きがあるので、みなさん見れるのを楽しみにぜひお越しください! 公開場所:動物ゾーン(ハイエナセクション) HP http://www.africansafari.co.jp/

Posted by 九州自然動物公園アフリカンサファリ on Friday, April 1, 2022

【タイプの違い】
いつも通りの2頭のハイエナさん!
食欲旺盛で飼育員さんにおねだりするハイエナさんとマイペースでまだ眠たそうなハイエナさん(笑)
よく観察していると2頭が行う駆け引きがあるので、みなさん見れるのを楽しみにぜひお越しください!

公式フェイスブックより

公式フェイスブックは、2022年9月で投稿を終了しました。
その後はTwitter(X)とインスタグラムで情報発信を行っています。

カムトリとネイトの日々はずっと見守っていたくなります。故郷の韓国から、そして北海道から、長い時間をかけて大分県に落ち着いたカムトリ。ネイトと楽しく過ごしてほしいです。

そして、パートナーを失ったロコも、これから何らかの形で家族ができればいいなと思います。

▼九州自然動物公園アフリカンサファリのブチハイエナ
カムトリ(オス、2016年6月円山動物園より来園)
ロコ(オス、2018年来園)
ネイト(メス、2018年頃?来園)
※他非公開個体もいる可能性あり

以上、アフリカンサファリのブチハイエナ史でした。


【2017年~】秋吉台サファリランド(山口県美祢市)

現在飼育されている個体:「アズキ」「キュル」「ミライ」「ヤミー」「ライミー」「ミミー」「ラミー」

▼秋吉台サファリランドのブチハイエナ史
2017年8月?:「ミライ」池田動物園より来園
2018年初旬:「アズキ(メス)」九州自然動物公園アフリカンサファリより来園
2019年11月21日:「キュル」「ヤミー」しろとり動物園より来園
2021年6月15日:「ライミー」誕生(母ヤミー、父ミライ)
2022年5月6日:「ミミー」「ラミー」誕生(母ヤミー、父ミライ)

山口県にある秋吉台サファリランドには「天王寺家系」を中心としたハイエナの家族が暮らしています。2017年に来園した「アズキ」のみ、「のいち家系」に属します。

秋吉台サファリは、2021年、2022年と2年連続ブチハイエナの繁殖に成功した動物園。ブチハイエナの群れ展示を行っている数少ない施設でもあります。

それでは公式Twitterを参考に、秋吉台サファリのブチハイエナ史を紹介していきます。

<みらい来園>

●2017年

「ミライ」(池田動物園では「みらい」表記)は2016年10月13日、池田動物園で生まれた男の子。
2017年8月頃、1歳になる前に秋吉台サファリランドへ来園しました。ミライの来園が秋吉台サファリランドの初めてのブチハイエナ来園だったかどうかは定かではありませんが、恐らくそうだと思われます。

展示場デビューは9月。割とすぐに環境に順応したようですね。

いいものを拾うと飼育員さんに自慢するミライ。好奇心旺盛で人懐っこい性格です。

<アズキ来園>

「アズキ」(「あずき」表記の場合あり。オスの「あずき」と区別するため本記事ではカタカナ表記)は2013年8月20日、のいち動物公園で「ダイズ」と一緒に生まれた女の子。

2015年3月に九州自然動物公園アフリカンサファリへダイズと一緒に引っ越した後、単身秋吉台サファリランドに移動しました。

それまでダイズと仲良く暮らしてきたので、寂しい移動だったかもしれません。でも、ミライが待ってくれていました。

●2018年

来園してから数か月経っての展示場デビュー!ゆっくりと馴致を行ったようです。展示場デビューの前から、先住のミライとのペアリングが行われていたようで、デビューの日には一緒に展示場に出ていました。

<ミライとアズキの日常>

アズキは辛抱強い性格で、メスらしく堂々としています。ミライはアズキに興味津々で、アズキがいるとそわそわしていたようです。

教えたわけではありませんが自然とし始めました。
鶏肉の細切れを口の方に投げてあげると器用にキャッチしてくれます。2頭ともうろうろしているとみらいの方が俊敏なので肉を取られてしまいます。アズキはじっとして待つ方がより多く肉を貰えることに気づいているのだと思います。

アズキはまだ遠慮があるのか、ミライにお肉を取られることがあったようです。

一緒に遊ぶのも好き。枝の取り合いはブチハイエナをペアリング中の動物園ではコミュニケーションの一つとしてよく見られる行動です。

・「みらいくんは気に入った枝を1ヶ所に集めてコレクションしてます。」(Jan 5, 2020

ナイトサファリにも一緒にデビュー。

・「彼女のあずきちゃんです。ミライ王子はメロメロです。」
・「(メスが強くなる)とおもいますが、メスのあずきちゃんは最近来たばかりなので、もともといたオスのミライくんのほうが、積極的ですね。」

<ヤミー・キュルの来園>

●2019年

しろとり動物園で2019年1月25日に生まれたヤミー、キュル、ガブの三つ子のうち、「ヤミー」(メス)と「キュル」(オス)は秋吉台サファリランドへ移動しました。

既にミライとアズキでペアリングを行っている秋吉台サファリ。ヤミーとキュルはきょうだいなので、ペアリングはできません。

つまり…
新たなペアを組みなおすことに!

<新たなペアリング~ミライ×ヤミー、アズキ×キュル~>

●2020年

関係をはぐくんでいたミライとアズキですが、ヤミーとキュルきょうだいと、それぞれペアリングをすることとなりました。

▼相性バッチリペア

ミライとヤミーは相性ばっちり。甘えん坊彼氏のミライと、年下姉さん気質のヤミーです。

・「個体差はあるのですが、みらいが(キャットニップに)一番良い反応をします」(Jun 20, 2022)

▼のんびりマイペースペア

アズキとキュルはマイペース。
いつもお互いのペースを大切にしています。

そして、このペアリングの組みなおしが功を奏しました。

<ライミー誕生>

●2021年

ミライ&ヤミーペアが、オスの赤ちゃんを1頭授かりました。2021年6月15日、秋吉台サファリの初めてのブチハイエナ誕生です。

ヤミーは出産当時2歳。初産と育児を見事にやり遂げました。

赤ちゃんの成長の様子は、公式SNSでたくさん発信されました。お母さんの首元を枕にしているようすがとても可愛いですね。

赤ちゃんは生後約2か月で、屋外に出る練習を始めました。
育児に専念していたヤミーとミライは、久しぶりのお外にとても喜んでいるのがわかります。
赤ちゃんは少しビビってしまい、なかなか外に出てきません。それに気づいた両親が赤ちゃんのもとに戻っていくのが、なんとも微笑ましいです。

●2022年

赤ちゃんの名前は、誕生から約10ヵ月経過した2022年4月4日、「ライミー」に決定しました。両親の名前が由来した、素敵な名前です。

<ラミーとミミーの誕生>

ライミーの名前発表から1か月後の2022年5月6日、ヤミーとミライは双子の赤ちゃん(どちらもオス)を授かりました。

まず、お昼に1頭誕生。
なんと屋外での出産でした。産室が用意されていたはずなので、飼育員さんたちも想定外だったようです。

ヤミーは屋外で産んだ赤ちゃんをしっかりくわえて獣舎に運び、少々そわそわしながらも母親としての行動をとっています。

その日の夜中、もう1頭が誕生。授乳も立派にできて今います。

赤ちゃんは生まれてすぐ群れの中で暮らしました。年上のライミーお兄ちゃんも子育てに加わっています。

こちらの2頭は比較的早く(生後10日頃から)展示場に出たようです。2頭となるとヤミー母さんの負担も2倍になるので、外でのびのびと子育てするのがよかったのかもしれません。

赤ちゃんたちはとても仲良しでやんちゃ。行動範囲が広がるとともに、両親と兄の心配事は増えるばかり。

公式YouTubeより。仲良し(?)の5頭。

そして、名前が決まるのも早かったです。今回は投票ではなく職員さんたちで決定したようです。2頭は、ライミーと同じく両親から名前をとって「ラミー」「ミミー」と名付けられました。

・「ライミーの時も離乳が始まってからお父さんの子守りの割合が増えてきたので、みらい父さんの活躍はこれからだと思います」(Jun 4, 2022)

ハイエナは母も父も一緒になって、群れで子育てを行います。ヤミーもミライも立派なパパママになりました。

●2023年

現在も、ミライ・ヤミー一家は家族5頭で仲良く展示されています。
母、父、兄、弟たちそれぞれの行動が異なり、ブチハイエナの社会行動を観察できます。

アズキとキュルは、マイペースにペアリング中。いつか2頭の赤ちゃんも見られるといいですね。

▼秋吉台サファリランドのブチハイエナ
ミライ(オス、2017年8月池田動物園より来園)
アズキ(メス、2018年九州自然動物公園アフリカンサファリより来園)
キュル(オス、2019年11月21日しろとり動物園より来園)
ヤミー
(メス、2019年11月21日しろとり動物園より来園)
ライミー(オス、2021年6月15日生まれ)
ミミー(オス、2022年5月6日生まれ)
ラミー
(オス、2022年5月6日生まれ)

以上、秋吉台サファリランドのブチハイエナ史でした。


【2017年~】ノースサファリサッポロ(北海道札幌市)

現在飼育されている個体:「ウーピー」「ピーター」「アンバー」

公式インスタグラムより「ピーター」

北海道札幌市にある、ノースサファリサッポロ。ここには3頭のブチハイエナが暮らしています。

▼ノースサファリサッポロのブチハイエナ史
2017年5月:「ピーター」南アフリカより来園
2021年5月:「ウーピー」南アフリカより来園
2023年3月:「アンバー」誕生

<ピーター来園>

●2017年

みなさん、こんにちわ💕

ハイエナのぴーたーといいます!

よろしくです!

のーすさふぁりさっぽろに、ことしからあたらしくできた 『あふりかぞーん』にキリンの ふくくん
といっしょにいるよ✨

あまえんぼうっていわれてるけど、あそぶのがだいすきなだけなんです!みんなもたくさんあそんでね!

公式インスタグラムより

資料が残っている中では、ノースサファリサッポロ最初のハイエナは「ピーター」。20016年に南アフリカ生まれたオスで、2017年5月に来園しました。

ピーターは、ノースサファリサッポロが公式インスタグラムを開設してから3つ目の投稿で登場した、園の愛されキャラです。

ピーターはたまに匍匐前進のような不思議な移動方法で遊ぶことがあります。

ピーターは飼育員さんが大好きのようで、すり寄ったり、鳴き声で返事をしたりします。

<ウーピー来園>

●2021年

ピーターがすっかりノースサファリサッポロのアイドルになったころ、南アフリカからお嫁さんがやってきました。

2020年11月南アフリカ生まれのメス「ウーピー」です。

ウーピーはまだ1歳になる前に来園しました。お嫁さんになるには少し早かったので、ゆっくり環境に慣れてもらいながら成長を待つことに。

来園時から人に馴れており、職員さんとのふれあいの様子がSNS等にアップされています(ノースサファリサッポロは猛獣とも触れ合う動物園です)。

ウーピー。
それはね、スタッフがウーピーと遊ぶときように入れていた椅子でね、ウーピーがそうやって普通に座るために入れたものではないんだけど、とりあえずそうやって座れるんだね、可愛い、りょうかいです。笑

公式インスタグラムより

ウーピーにも少し不思議な一面があるようで、おもちゃとしてプレゼントされた椅子を椅子として使ってしまうということがありました。
職員さんはきっと、たくさん噛んでボロボロにしてしまうことを期待(?)していたのでしょうが…。

<アンバー誕生>

●2023年

ウーピーの来園から1年が過ぎたころから、ピーターとウーピーのペアリングが始まりました。

不思議カップルの2頭はとても相性がよかったようで、2023年3月、待望の赤ちゃんを授かりました。

6月には名前が発表され、「アンバー」に。

アンバーは「ボンバー」という名前のゴールデンレトリーバーと一緒に育ったようです。

ブチハイエナのピーター♂左とウーピー♀右がお見合いしました❣️

初めは緊張していた2頭もだんだんと慣れてきてチューをするまでに❤️
最後の動画は2年前のウーピーです。

ご存知の方も多いと思いますがピーターもウーピーも甘えっ子でとっても可愛い子ちゃんです。
これからの2頭の恋の行方を見守ってください!

公式インスタグラムより(2023年11月25日)

ピーターとウーピーはまだまだ若いカップル。
最近もペアリングを再開しているようです。

アンバーの成長と、ピーター&ウーピーの不思議カップルたちの関係がどうなっていくか、今後も注目です。

▼ノースサファリサッポロのブチハイエナ
ピーター(オス、2016年南アフリカ生まれ、2017年来園)
ウーピー(メス、2020年11月南アフリカ生まれ、2021年5月来園)
アンバー(2023年ノースサファリサッポロ生まれ)

以上、ノースサファリサッポロのブチハイエナ史でした。


【2020年~】千葉市動物公園(千葉県千葉市)

現在飼育されている個体:「イトゥバ」「エサンドワ」「トーフ」

2023年9月撮影 「エサンドワ」

▼千葉市動物公園のブチハイエナ史
2020年7月2日:「イトゥバ」シンガポール動物園より来園
2020年7月21日:ブチハイエナ展示場オープン
2020年12月16日:「エサンドワ」シンガポール動物園より、「カロア」南アフリカ共和国より来園
2022年:オスだと思われていた「カロア」、メスだと判明
2023年10月:「カロア」のいち動物公園へ
2023年10月:「トーフ」のいち動物公園より来園

千葉市動物公園には現在3頭のブチハイエナが暮らしています。
飼育を開始したのは2020年7月と割と最近ですが、現在までにいろいろなことがありました。

いよいよチーターとブチハイエナの展示場がオープンします!
県内唯一となる展示場が新たに誕生!

オープン日時:2020年7月21日(火)12:00
展示動物の来歴:
・チーター
オス3頭(チェコ:プラハ動物園)
メス4頭(フランス:モンペリエ動物園2頭、ノルウェー:クリスチャンサン動物園2頭)
ブチハイエナ:
メス1頭(シンガポール:シンガポール動物園)
他にオス1頭、メス1頭を導入予定

千葉市動物公園公式サイトより


<イトゥバ来園>

●2020年

2020年7月2日15時15分、千葉市動物公園最初のブチハイエナ「イトゥバ」が、シンガポール動物園より来園しました。2016年11月17日生まれの女の子です。

千葉市動物公園ではチーターとブチハイエナの展示場が新しく建設され、イトゥバは日本の気候や千葉市動物公園の展示場に慣れるため、展示場オープンより早めに来園しました。

・「イトゥバちゃんの状況報告。やっぱり輸送箱から出てきてくれないので、本日は輸送箱を固定して部屋と行き来できる状態にしました。ゆっくり慣れていこうね。イトゥバちゃん」(2020年7月2日)
・「心配している方もいるようですので8時現在のイトゥバちゃんです。輸送箱から出てきて部屋でしっかりご飯も食べて寝てました。思ってた以上に皆様がハイエナに関心をもってもらえていることに驚いています。愛嬌たっぷりのイトゥバちゃんです。」(2020年7月3日)

来園後はしばらく輸送箱から出なかったイトゥバですが、その後ごはんをしっかり食べ、次の日にはおかわりをおねだりしたり、リラックスして眠る様子も見られました。

イトゥバの公開前から、千葉市動物公園公式X(twitter)にはたくさんのイトゥバの写真や動画がアップされました。

そのおかげで来園してからすぐに人気者に!
多くの人が公開を待ち望んでいました。

2020年7月21日、ブチハイエナの展示場がオープンしました。
記念式典も開かれました。

公開翌日からは早速イトゥバのオリジナルグッズが販売。
イトゥバは展示場が好きなようで、帰宅拒否していたそうです。

<エサンドワ・カロア来園>

イトゥバの来園から4か月後の2020年12月16日、2頭の仲間が増えました。メスの「エサンドワ」(2018年12月27日シンガポール動物園生まれ)と、「カロア」(2019年10月4日南アフリカ生まれ)です。

みんな少しずつでいから
新しい環境に慣れていきましょうね!

①イトゥバは少し不安げな様子
②エサンドワはあまり動じず
③カロアは遊び先行型

公式X(Twitter)より(2020年12月19日)

来園間もないときから、職員さんは3頭の性格を見分けていました。

3頭になってから、さまざまな変化がありました。分かりやすいのは「鳴き声」。イトゥバは「フープ」という外的要因によらず出す大きな鳴き声を、カロアは「ソフト・グラント・ラフ」という獲物を追うときや逃げるときに発する声を出し始めました。
エサンドワは…マイペースな日々を過ごしていたようです。

3頭は性格も外見も異なります。

【牛骨を食した翌朝】
3頭とも半分ほど食しました。
食べ方に個性がある様です。

①イトゥバは粉砕型
②エサンドワは食べ方も部屋の汚し方も豪快
③カロアは綺麗に半分だけ食べ、満足のへそ天!?

公式X(Twitter)より(2020年12月26日)
園内掲示

<カロア、メスだと判明>

●2022年

「カロア」について、当園で繁殖を目指しお見合いを続けておりましたが、闘争行動が続いたため、国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学と北海道大学の協力によりPCR検査とエコー検査を行った結果、オスではなくメスであることが判明しました。

千葉市動物公園公式サイトの発表より(現在は削除)

オスとして、イトゥバとエサンドワのお婿さんとして来園したカロア。
主にイトゥバとの闘争(マウントや噛み付き、追いかけまわす行為など)が続いたため検査を行ったところ、オスだと判明しました。

園内掲示

↑カロアがオスだと判明するまでの経緯は、千葉市動物公園内の掲示で知ることができます。以下に少し内容を紹介します。

イトゥバはシンガポール動物園でのエコー検査、エサンドワは出産の経験があることから、メスであることが確実。カロアのみ性別の根拠がなかったようです。

性別判定のPCR検査で重要なのは、性別が確定している個体のサンプルも使用すること。千葉市動物公園のメス2頭に加え、のいち動物公園のペア「エナ」と「ブッチー」のサンプル(採取日:2021年12月1日)も使用しました。
また、確実性を高めるため、2022年6月1日にエコー検査も実施。するとカロアの陰嚢だと思われていた部分が卵巣だったと判明。
さらに、2022年6月14日、カロアの過去の性別判定の履歴も判明します。南アフリカでの搬入の際にPCR検査が行われており、そこでオスだと判定されていたのです(誤謬)。エコー検査も実施することがいかに重要かわかります。

ブチハイエナの社会では、血縁のないメス同士が同居することはほぼありません。3頭が全員メスだと判明してからは、同居をやめ、新たなペアの組みなおしを検討することとなりました。

<カロアとトーフの交換>

●2023年

千葉市動物公園公式サイトより「トーフ」

こうして千葉市動物公園は、のいち動物公園で2012年10月2日に生まれた「トーフ」を、イトゥバとエサンドワの正式なお婿さんとして迎えることになりました。

雌雄誤認のハイエナとお別れ 千葉市〔地域〕

千葉市動物公園は、検査で新たに雌と判明したブチハイエナ「カロア」を高知県立のいち動物公園(高知県香南市)に移すのを前に「送る会」を開催した。雨が降る中、おりの前には老若男女の市民が集まった。

会では、金網越しに餌やりが行われる傍らで、飼育担当者の山本大河さん(28)がカロアとの思い出話を披露。ホームページに載せる写真を撮った際のエピソードでは「すごい勢いで寄ってきてくれる。ぶれた写真しか撮れない。飼育員泣かせだがかわいかった」と寂しげに語った。

カロアは2020年に雄として園にやってきた。園は繁殖のため雌2頭との「お見合い」をセッティング。しかし反応が芳しくなく、昨年体内の超音波検査とDNA検査を実施したところ、雌と判明した。ブチハイエナは雌の外性器が雄の外性器に酷似しており、見た目には雌雄の識別が難しいという。10月、のいち動物公園の雄と交換される。

時事ドットコムより(2023年09月26日)
出発数日前のカロア(2023年10月撮影)

カロアはトーフとの交換で、のいち動物公園に旅立ちました。
とても人懐っこい性格のカロアは、展示場への扉が開くとすぐに来園者のもとに走ってきました。立ち上がったり、尻尾を上げて喜ぶ姿もたびたび見られました。

不思議な体制で暴れるカロア

水浴びが大好きなカロアは、展示場の池に飛び込んで独特なフォームで泳いで(暴れて)いました。

のいち動物公園の展示場にも池がありますが、少し深いのかまだ入ることができないようです。

まだまだ若いカロア、歯もきれいで立派。
ブチハイエナは獲物の骨まで食べるので、年齢とともに歯がすり減っていきます。

2023年10月9日、カロアは高知県へ出発しました。
前述したように、現在はオスのブッチーとのペアリングを行っています。

トーフも無事に千葉市動物公園に到着しました。

一般公開の開始時期は未定ですが、ゆっくりと千葉の環境に慣れてくれています。
これからイトゥバとエサンドワとどんな関係を築けるか、とても楽しみですね。

▼千葉市動物公園のブチハイエナ
イトゥバ
(メス、2016年11月17日シンガポール動物園生まれ、2020年7月来園)
エサンドワ(メス、2018年12月27日シンガポール動物園生まれ、2020年12月16日来園)
トーフ(2012年10月2日のいち動物公園生まれ、2023年10月来園)

以上、千葉市動物公園のブチハイエナ史でした。


【2022年~】とくしま動物園(徳島県)

現在飼育されている個体:「ガブ」(2022年~)

徳島市公式ウェブサイトより

現在ブチハイエナを飼育している動物園の中で、最も最近飼育を開始したのがとくしま動物園です。

2019年1月25日にしろとり動物園で生まれた三つ子、ヤミー、キュル、ガブ。ヤミーとキュルは、秋吉台サファリランドに移動しました。ヤミーは母となり、キュルはアズキというパートナーが見つかりました。

<ガブの来園>

●2022年

しろとり動物園で一頭残された「ガブ」は、展示スペースの関係で非公開となっていましたが、ヤミーとキュルが移動してからやく3年後の2022年7月、とくしま動物園へ移動となりました。

とくしま動物園のブチハイエナ史が始まります。

2022年8月にブチハイエナの「ガブくん」、3歳が仲間入りしました。
肉食動物で、体長123センチ・体重50キロと迫力があります。食欲旺盛でがぶがぶご飯を食べることから名前が付けられたそうですよ。

「いつか徳島」より

「ブチハイエナ「ガブ」の展示開始(2022年8月9日)」

とくしま動物園に新しくブチハイエナの「ガブ」が仲間入りしました。
展示開始は8月11日の山の日からです。
動物園の新しいスターに会いにきてください。
(しばらくの間、体調をみながらの展示となるため、不定時となります。)

<新規動物紹介>
分類 ブチハイエナ
個体名 ガブ
年齢・性別 3才 オス
来園 秋吉台自然動物公園サファリランド
展示場所 タイガープロムナード

徳島市公式ウェブサイトより
広報とくしま2022年11月1日号 より

ガブが来園することは、徳島県のさまざまなメディアで取り上げられました。

ガブの来園はなんと四国放送ラジオでも発表されました。
ブチハイエナ一頭の来園でもとても歓迎されているようすが分かり、嬉しくなります。

とくしま動物園園内掲示

ガブは来園から3日後の8月11日に一般公開されました。

とくしま動物園では、ガブにさまざまな種類のお肉をあげているようです。どの動物園でも、ブチハイエナはお肉を丸飲みするのですね。

とくしま動物園初のブチハイエナ、ガブくんは、実は人前に出るのは2年ぶり秋吉台では他のハイエナ達とうまくいかなくなってしまい、飼育員さんとだけ過ごしていました。

徳島に来て、環境には慣れた様子でしたが、久しぶりにたくさんのお客さまに囲まれたことで、不安が膨れ上がって落ち着きがなくなりはじめました。
動物園では、しばらくの間、ガブの体調をみながら、お客さまが少ない時間帯を見計らって展示したいと思います。

公式インスタグラムより(2022年8月13日)

公式インスタグラムで、ガブがしろとり動物園にいるとき、ほかのブチハイエナたちとは別居していたこと、人前に出るのは2年ぶりであることが明らかになりました。

オレンジ🍊ガブ
ブチハイエナのガブ、内気で部屋に引きこもりがちなのですが、オレンジの匂いはリラックスするらしく、開園前に顔で転がして遊んでいました。
ネコ亜目に分類されるハイエナですが、柑橘の成分を嫌がる様子もなく楽しんでいました。

ガブとオシャレなフレンチレストランでデートするときのメインディッシュは「チキンソテーオレンジソース」ですネ!(丸呑みして終了…)

公式インスタグラムより

ガブは2年間同じ飼育員さんとだけ過ごしてきたことから、知らない人間が苦手。来園者の数が多いと寝室に戻ってしまいます。開園時間のほとんどは展示場と寝室との間の通路にいて、展示場に全身出ていることは珍しいそうです。

最近のガブの様子です。
だいぶんお客さまにも慣れてきて、部屋から出ていろいろ破壊をしてくれるようになりました。

ガブのパドックは、元々ピューマ用だったのですが、ついにピューマの棚をかじり始めてしまいました。この先どうなってしまうのでしょう。
でも飼育員さんはガブがモノを壊すたびに嬉しそうに次のオモチャを考えてます。うーん、壊されるためのオモチャ、悩ましい…

動物園では時々傷だらけのオモチャがパドックに置き去りにされています。動物たちがどうやって遊んだのか、どんな習性なのか、楽しかったのかつまらなかったのか、色々想像しながらオモチャを見てみてくださいね。

公式インスタグラムより

破壊王ガブ またまた参上!
破壊王ガブのアゴの力って、ものすごく強いんです!
重たい丸太を自分の部屋に持ち込もうとしたガブを見つけた飼育員さん、「スゴイスゴイ」とビックリしながら撮影しました。
丸太を部屋に持ち込んで得意げにしているガブをご覧ください。

それにしてもこんなに強いのに、お客さまにはビビリのガブ…
そこが可愛いところなんですよね〜(^-^)

公式インスタグラムより

●2023年

もうすぐGWだというのに冷たい冷たい雨が降っています。
お客さま…いらっしゃいません(涙)

こんなとき、ガブくんは部屋から出て外を眺めています。恥ずかしがり屋というより、人間が苦手なのかもしれませんね。

ブチハイエナの展示場は、いつも部屋と外を自由に行き来できるようにしています。ガブが部屋にこもっているときは展示場は空っぽです。

本当はお客さまにガブのカワイイところをいっぱい見ていただきたいのですが、ガブの意思を第一に尊重してあげてほしいと思います。

それにしても今日は寒すぎます!ガブは外で寒くないのかな?(苦笑)

公式インスタグラムより

ガブの来園から1年が経ちますが、まだまだ慣れるのには時間が必要。人前に出ていなかった生活の方がまだ長いですからね。

暖かい日は展示場に出て寝ていることが少し増えたようです。
動物にとって「眠る」という行動は、その場所が安心できるという証拠。

ガブも少しずつとくしま動物園を安心できる場所だと認識し始めているようです。

とくしま動物園とガブのブチハイエナ史はまだ始まったばかり。これからもガブが楽しく暮らせるように、見守り続けたいと思います。

▼とくしま動物園のブチハイエナ
ガブ(オス、2019年1月25日しろとり動物園生まれ、2022年8月9日来園)

以上、とくしま動物園のブチハイエナ史でした。




③日本のブチハイエナ史⑵現在は飼育していない動物園


最後に…

現在ブチハイエナを飼育していない動物園で、飼育歴があった動物園を紹介します。資料はほとんどないので、定かではないものもあるかもしれません。


【1952年~】東山動植物園(愛知県名古屋市)

戦後はじめてカバがやってきたのは、昭和27年7月のことです。この年に開園70周年を迎える上野動物園が、前年10月に動物買い付けのための職員をアフリカに派遣したことがきっかけとなりました。

アフリカを出発し横浜港へと向かった船は、7月19日に神戸港へ寄港。ここで動物商に引き渡す動物、オスのカバ1頭、オス・メス各1羽のダチョウ、ゾウガメ、ブチハイエナを船から降ろしました。

東山動植物園公式サイトより

愛知県名古屋市にある東山動植物園では、1952年からブチハイエナを飼育していました。
シマハイエナの飼育歴もあるため、同じ環境で暮らしていたと思われます。

ただ、飼育個体の情報などは見つかりませんでした。


【1990年頃】徳山市立動物園?(山口県 ※現在の周南市徳山動物園)

『最新全国動物園水族館ガイド』(日本テレビ発行 1992/4/1)より

徳山市立動物園(現在の周南市徳山動物園)では、「ハイエナ」がいたという資料があります。
ただ、ブチハイエナかどうかは不明です。


【1990年頃】アドベンチャーワールド?(和歌山県)

『最新全国動物園水族館ガイド』(日本テレビ発行 1992/4/1)より

アドベンチャーワールドでも、「ハイエナ」がいたという資料があります。
ただ、ブチハイエナかどうかは不明です。


【2015年頃?】おびひろ動物園?

自分はここで生まれて初めてハイエナを生で見ました。
「ハイエナのような」と悪い意味で使われる動物ですが、意外と小さく、見た目もとても可愛かったです。

2015年2月28日の口コミより

北海道帯広市にあるおびひろ動物園でも、ブチハイエナが飼育されていた可能性があります。ただ、一般の方の口コミであること、「ハイエナ」とだけ書かれているためブチハイエナではないかもしれないことから、確かではありません。


③おわりに

千葉市動物公園「エサンドワ」

いかがでしたでしょうか。

日本でこれまで生きてきた、生きている、ブチハイエナの歴史です。
ブチハイエナは非常に個性が豊かで、感情をたくさん表に出してくれる動物です。この記事を読んで、少しでもブチハイエナに関心を持ったり、愛情を抱いたりしてもらえたらと思います。

ブチハイエナの飼育には難しいことがたくさんあります。性別判定に始まり、ペアリングや出産・育児の成功率の低さ、環境の変化に順応できない個体のケアなど、さまざまなことが挙げられます。

そんな中で戦前からブチハイエナの飼育を継続してきた日本。
今はもうこの世にいないブチハイエナたちが、たくさんのことを教えてくれたはずです。
主に3つの家系から、確実に命が繋がれてきました。2010年以降2倍に増えたブチハイエナの飼育園で、たくさんの情報が共有されている証拠でしょう。

ブチハイエナに会ったことがない人は、ぜひ会いに行ってみてください。
イメージが変わると思います。

私が初めて会ったブチハイエナは千葉市動物公園の「エサンドワ」。メスなので想像の1.5倍は大きくて、声が振動で伝わってくる、顔が整っていてつぶらな目がとても可愛い、など新たな発見がたくさんありました。

今後は日本全国のブチハイエナに会いに行って、その個性をこの目で見て、どんな環境で生きているのか、しっかりと知ることが目標です。


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