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『夜明けは目の前よ』『道に影が差しても 顔を上げれば光が見える』

【少年の君】

■中国・香港/2019年 ■監督: デレク・ツァン ■脚本: ラム・ウィンサム、リー・ユアン、シュー・イーメン■ 出演:  チョウ・ドンユイ、イー・ヤンチェンシーほか

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中国映画です!こんなにきちんと中国映画を観たのは初めてかもしれません。今年に入って観た作品の中で一番感動しました。始めは、学生の恋愛ものはあまり乗り気ではなかったのですが、社会問題などもテーマしている壮大な作品でした。エリート女子高生と不良少年の恋愛を描いた青春ものであり、中国の社会背景も描かれています。

主人公の女子高生チェンは高校三年生で受験勉強真っただ中です。おそらく映画の中で描かれているのは、日本でいう大学入試センター試験のような受験を目前にした進学校です。日本よりも、激戦と言われている中国の受験戦争、、、とにかく学校の中に貼られている横断幕の言葉がスゴイ(;'∀')そんな中、チェンの同級生がイジメが原因で自殺してしまいます。これをきっかけにイジメっ子からの標的がチェンになってしまいます。チェンはイジメられるうえに、家庭環境にも問題を抱えており、孤独な日々を過ごしていました。そんなある日、不良少年であるシャオベイに出合います。エリート高校生のチェンと不良少年シャオベイは真逆の世界に住んでいますが、各々孤独を抱えており、次第に惹かれあっていきます。

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チェンへのイジメは次第にエスカレートしていき、シャオベイは彼女を守ろうとしますが、とある事件が発生してしまい、物語は警察沙汰へと発展していきます。最後はどうなるのかな、、、とハラハラしたのですが、「やっぱりそうならないとね、、、、、」というのが個人的な感想です。

観終わったあとに調べて分かったのですが、主人公の女子高生チェンを演じた女優さんですが、なんと29歳だったそうです!!!全然見えませんでした(笑)主役の2人の演技がとても素敵で、作品も感動もので、アジア圏のあらゆる映画の祭典で賞を獲得しています。私もイチオシの作品です!!


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【由宇子の天秤】

■日本/2020年 ■監督・脚本: 春本雄二郎■ 出演: 瀧内公美、光石研ほか

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作品を観終わったあと、人間不信になりかけました・・・(笑)最初から最後まで暗く、登場人物みんな嘘つきで自分勝手な感じがしますが、そんな中主人公の木下由宇子氏が葛藤していく物語です。彼女は父親の経営する高校生の学習塾を手伝いながら、ドキュメンタリーディレクターとして働いています。学習塾の女子生徒の妊娠を発端にその生徒の家庭環境や由宇子氏自身の父親も関わって、とある問題に直面します。一方で由宇子氏がディレクターして制作しているドキュメンタリー番組では、女子高生と教師が自殺した事件について取材を進めていきます。この女子高生はイジメで自殺したとなっていますが、自殺した教員と性的関係があったと報道されたことにより、その遺族はメディアや世間からの誹謗中傷に苦しんでいます。由宇子氏は彼らの惨状を取材し事件の真相に迫ろうとしていくのですが、調べていくうちに新たな事実が発覚していきます。。。

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学習塾で起こった女子生徒の妊娠問題に、ドキュメンタリー番組の取材の中、由宇子氏は様々な決断を迫られます。自分の価値観、正義感、家族、年端もゆかぬ女子生徒の妊娠問題では彼女の将来や、気持ち、家庭環境、ドキュメンタリー番組の事件ではその遺族達の悲しみや世間の目、倫理観、そして自身の制作陣営の上からの圧力、、、様々なものを天秤にかけながらも由宇子氏はたくましく、優しく、彼女なりの正義を貫き通します。法律的にいいのかな?倫理的に何が正しいのか、、、考えさせられます。。。しかし、登場人物は達の多くは嘘をついているので、由宇子氏は新たな真実がわかるたびに葛藤していきます。

暗い作品なのですが、人間臭さのある作品で観れてよかったです。


<一言メモ>

今回の2作品は暗く、最後はどうなるのかハラハラの作品でした。ですが、社会問題がテーマとなっており、観れて良かった!と思える作品でした(*^^)v

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