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「聖母戴冠(天国)」ティントレット【ルーヴル美術館の名品150選】149

作品が語っているメッセージは何か?
世界屈指のコレクションを誇るルーヴル美術館。何万という作品中、絵画に注目、世界的に有名な作品群のうち「意味を読み解く」観点から面白い150の作品を厳選。
人物は?場面は?出典は?意味深なディテールが語っているものは?作品に隠されたメッセージを読み解きます。

ティントレット作「聖母戴冠(天国)」、1580年頃、INV570、1.43×3.62m、イタリア絵画部門、ドゥノン翼

天国。
めくるめく宇宙的なスケールで表わされる。
同心円状に雲が広がる。
その中に無数の聖人たち。
見上げる先に聖母とキリスト。
二人の頭上が明るく輝く。
世界の中心に神の愛があり、世界を動かす。
ダンテの「神曲」天国篇のイメージです。

◆巨大な作品の下絵◆

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