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2022年10月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに、今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい!けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!…という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい!という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事が、あなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら

光が死んだ夏(2巻)

全く別の”ナニカ”にすり替わってしまった幼馴染の光。 待望の2巻では、あんなに不気味で禍々しかった光が可愛くてたまらないし、よしきは良くない方向へ覚醒しているような気が…。 私たち読者も”ナニカ”に踊らされているような最高に不穏な最新刊だった。

Lv1魔王とワンルーム勇者(1〜7巻)

2023年にアニメ化決定と聞いて再読! 魔王討伐後に落ちぶれてしまった勇者が、復活を遂げた魔王とタッグを組んで再起していくファンタジーもの。最初はゆるい日常系、人外ラブコメみたいな面白さがあるんだけど、中盤からガチバトルものへと物語が盛り上がっていく。アニメ楽しみだ〜!

センチメンタル無反応 真造圭伍 短編集

田舎の中学生、終末世界の兵士たち、思春期の高校生…ままならない日常と気持ちを抱く登場人物たち。だからこそ生まれる彼ら彼女を取り巻く悲喜劇が胸に響く。 特に「美術部の海野さんと山田くん」が可愛いじれったさ炸裂で好き。

宇宙の音楽

誰よりも吹奏楽を愛し、充分な素質やスキルを兼ね備えながらも、持病でせいで奏者の道を挫折した少年が主人公。 まさかあのポジションから吹奏楽部を描くとは…!これからの展開がとても楽しみなマガポケ最新作。

BLAST

『宇宙の音楽』と同じくマガポケでスタートした新連載。超強豪校でコンクールメンバー入りを目指す少年の話で、先輩の指導シーンが緻密、また同期のキャラが濃くて読み応えがすごい。

闇の少年(上・下)

本誌掲載時は椋洸介の名で連載していたけれど、その正体は『ピアノの森』の一色まこと先生だったということでも話題の本作。 これは映画「学校の階段」シリーズが好きな人には絶対刺さる作品。怖いだけじゃなく、冒険譚要素と切なさが残る、とても好きなタイプのホラーだった。

天使な子生意気(全20巻)

すっごく久々に読み返した通称・天こな。大人になった今読むとこの作品ほんとにすごいなと…。 最初はコメディ色強いけど、最後まで読むと根底にあるのはジェンダーギャップのお話だということに気付く。だけども、オチとしてはちゃんとラブコメなんだよな。ずっと大好きな作品。

ルリドラゴン(1巻)

ある日突然ルリの頭に生えたツノ。それをきっかけに自分の父親がドラゴンであることを知る。 身体の変化や周囲に及ぼす影響について悩みながらも、うまく折り合いをつけて女子高生ライフを楽しむルリの姿、そして教師や友人達の相互の理解の姿勢が読み手の胸を打つ。

まつりのあと

腹の底が熱くなるような、素晴らしい読切作品だった。 幼い頃に自分が相手に負わせた傷と一方的に負わされた傷。全く同じ種類の傷ではないけれども、その傷に覚えがある。みなさんはどうですか?

サンダー3(1巻)

ひょんなことから異世界に転移してしまった中学生3人組が、何者かに連れ去られた妹を救うべく奮闘する物語。 あらすじとしては非常にシンプルなのに、なんだろう。これ読んでると脳がバグる、混乱する! どちらが異世界で誰が異界の生物なのか…。とんでもない怪作だ。

漫身創痍(1巻)

新人漫画家と表舞台から消えた天才漫画家が織りなすクリエイター群像劇。 創りたいのは売れる漫画か、描きたい漫画か?という業界における普遍的な問い。それに対して真反対の2人が共鳴していく過程に痺れる。あと小説みたいなセリフ遣いが美しい画と合っていてすごく好き。

ブレス(2巻)

メイクアップアーティストを目指す男子高校生が繰り広げる青春ストーリー。 …と言いながら青春なんて爽やかな要素より各登場人物たちのギラついた野心、闘志がページいっぱいに溢れる本作。 自分の力不足や劣等感さえも武器にしてしまう、激アツの2巻。最高!

トリリオンゲーム(5巻)


稲垣理一郎先生&池上遼一先生の最強タッグでお送りする、起業マンガ『トリリオンゲーム』。もうこれは最新巻を読むたびに言っている気がするんだが、本当に面白すぎて読み終わるまでの時間が体感的に秒…。 ソシャゲ事業の啓蒙マンガみが強い巻だったけれど、どの事業にも通じる大切なマインドが描かれていたんじゃないのかなと。心揺さぶられた!

BLUE GIANT EXPLORER(7巻)

もうね、表紙が全て!ジャズの聖地・ニューオリンズにてようやくメンバーが揃い彼らのステージが始まる。EXPLORERシリーズは物語の展開がゆっくりなイメージがあるけれど、今巻でかなり動き出した感あるな。あ、アニメーション映画公開決定、おめでとうございます!!!!

太陽と月の鋼(5巻)

江戸時代を舞台にした陰陽師バトルファンタジー。前巻に引き続き描かれる土御門晴雄の生い立ちと呪い。呪いの根源とは決して薄暗いものではなく、自分や周りの人間を守りたいという、誰かの純粋な願いなのかもしれない。最新刊が発売されたばかりだけど次の巻が待ち遠しい…。

透明男と人間男 ~そのうち夫婦になるふたり~(1〜2巻)

さまざまな種族が共存する世界を舞台に、盲目の人間女性・夜香さんと透明男・透乃眼さんが織りなすオフィスラブコメディを描く。“見えない”が二人を繋ぐという、なんとも斬新な設定なお話。透乃眼さんは透明男なので、言わずもがな顔や表情は一切登場しない。けれど、彼の細かい所作やセリフから伝わる紳士っぷり!画力はもちろん表現力がすごい。

下弦の月(全2巻)

「ALL TIME BEST 矢沢あい展」へ行ったら、たまらなく懐かしくなって再読した『下弦の月』。これ本当に「りぼん」で連載してたの?!って思うほど重厚な物語だなと…。小学生の頃は蛍サイドで読んでいて、なんというかコナンの少年探偵団的なテンションで“アダムとイヴの正体”っていうところにワクワクしていた気がするんだけど、アラサーになると悲哀に満ちたラブストーリーの方にとんでもなく心が揺さぶられる。きっとこれからも何度も読み返すんだろうな。

こっち向いてよ向井くん(1〜4巻)

男女の恋愛観のズレをコミカルに描く『こっち向いてよ向井くん』。個人的には男性版『東京タラレバ娘』って気がするんだけど、タラレバは女性が陥りがちな過ちに鋭くフォーカスしているのに対し、向井くんは両者の目線でそれぞれの過ちを描いているから、男女ともに楽しめる作品になっている気がする。

マリッジトキシン(1〜2巻)

結婚詐欺師をアドバイザーに迎え、殺し屋が婚活をする…というポップでバイオレンスなバトルアクションもの。とんでもなく話のテンポが良く、絵も綺麗で可愛い。1話から設定が盛り盛りだし、割とキャラも多いのに、全く混乱せず読める(それどころか没頭してしまう)のはすごいなと。

ラーメン赤猫(1巻)

猫が営むラーメン屋「ラーメン赤猫」でアルバイトをすることになった人間女性・珠子。猫と人間が織りなすお仕事×人間ドラマを描く。最初は、珠子に任される仕事が猫の毛繕いであるなど、どうしても単なる“人間と猫”感が強いが、物語が進むにつれて珠子も「ラーメン赤猫」の一員としてお店を盛り上げていく。お店をさらに良くしていくために真正面から向き合う珠子と猫たちの姿よ…。もうこれは割とガチめなお仕事ヒューマンドラマなんだよ…。

パンプキンナイト(1〜7巻)

standfmで「おすすめのマンガ1冊を3分で語る」という配信を毎日やっており、ハロウィン向けな作品を紹介したいなぁと思って思い出したのがこちら。

カボチャのマスクを被った“パンプキンナイト”と呼ばれる謎の女子高生が繰り広げる殺戮を描いたスプラッタホラーもの。最初はただただグロ過ぎて離脱しそうになるが、パンプキンナイト誕生秘話や、惨殺を続ける理由を知ると、マジで「パンプキンナイト!やったれ!」の気持ちになる。パンプキンナイトは貞子に並ぶホラーアイコンになっても良いのでは?ってくらいとんでもなく良いキャラです。

カナカナ(1〜4巻)

他人の心が読めるという秘密を抱える少女・佳奈花と、特になんにも考えてない優しいバカな元ヤン青年・マサが織りなすハートフルコメディ。先ほど紹介した『天使な子生意気』の西森先生の最新作!西森先生が描くヤンキーというかヤンチャキャラの青年って、どうしてこんなに“良い奴”なんだろうか。あとこの独特なテンポとギャグ…!キャラの年齢と中身が(あえて)伴っていないところがそれを生み出しているのかな、なんて思った。

ガチ恋粘着獣 ~ネット配信者の彼女になりたくて~(1〜8巻)

タイトル通り、ネット配信者にガチ恋した女性たちの恋愛模様を描いた作品。恋愛模様というか、ファンからガチ恋、さらに家凸してしまう域に到達するなど、超えてはいけない一線を飛び越えて“粘着獣”になるまでの過程を鮮烈に描く。女性たちが獣と化す瞬間はまるでマーベル映画を観ているかのような躍動感とパワフルさに満ち溢れている。あと個人的に絵がめちゃくちゃ好み。

コンポスター葬式

今年の5月に話題になった読切『デス鮭ハンター』の有波先生の最新作。実在する“コンポスター葬”をテーマにしたホラーアクションもの。デス鮭の時も思ったことだけど、起承転転転転転転転転結(スンッ)という物語の展開が本当にツボ。

わたしの家はフツー(1〜3巻)

女系家族・柳家で繰り広げられる、少し不思議な恋と家族の物語。祖母、母、三姉妹の暮らす(父親が単身赴任中)柳家の元に、ある日突然大河くんという不思議な青年がやってくる。そんな大河くんの存在をきっかけに、家族がそれぞれ自己開示をして一層自分らしく生きられるようになったり、隠し続けていた秘密が明らかになる。元々仲のいい家族ではあるものの、本当の意味での家族になっていく姿に胸を打たれる。

だがしかし(全11巻)

『よふかしのうた』でお馴染みコトヤマ先生の過去作。駄菓子屋が舞台の日常コメディで、うまい棒、モロッコヨーグルト、ブタメンなど、実在する懐かしの駄菓子が登場する。思わず誰かに話したくなる、知られざる駄菓子トリビアやアレンジレシピは必見。あと、中盤からは、恋愛、友情、将来の夢…といった要素も混じり合い、駄菓子関係なく漫画として楽しめるところや、思わずグッとくるラストがたまらない。

2022年10月雑記

今月はありがたいことにめちゃくちゃ取材案件が多かった月でした。インタビュイーの熱量や現場の空気感が伝わるような記事にすべく、絶賛原稿の執筆に奮闘しております。10月は今日で終わりますが、個人的にはまだ終わらないんだぜ…。

そして、ここからは告知です。

ライター・コラムニストの佐藤友美さんが編集長を務めるメディア「CORECOLOR(コレカラ)」にて、マンガコラムの連載が始まります。

その名も「あちらのお客さまからマンガです」。仕事や人間関係、恋愛……今不安に思っていることやお悩みを、わたしがおすすめのマンガと共にアドバイスをお届けする、というものです。

コロナ前はよく飲み歩き、酔っ払っては人にマンガをおすすめしまくっていて。しかもそれが今の活動の原点だったりするので、この連載が始まるのはとても嬉しいというか、何か不思議な気持ち。

そして、私自身、松本大洋先生の『ピンポン』から“才能は努力で補える”ことを教わり、矢沢あい先生の『Paradise Kiss』で“別れるという愛し方”を知り、荒川弘先生の『鋼の錬金術師』の主人公・エドワードの生き様、セリフの全てが私の心の支えになっています。私がこれまでの人生でマンガにたくさん助けられてきたように、この連載がほんの少しでもみなさんの力になれたら嬉しいです。

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