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あのマンガのヒロインたちに憧れて

"マンガ飯"という言葉がある。

マンガの作中に登場する料理のことで、それらを実際に作った時の総称としても使われる。

有名なマンガ飯といえば、最近だと羽海野チカ先生の『3月のライオン』に登場する"甘やかしうどん"が代表例としてあげられ、SNSでは実際に作ってみた人の写真や動画が沢山投稿されている。

マンガは時にエンタメという枠を超えて、食・思想・考え方といった方面で私たちに強く訴えかけてくると思う。

その中でも、私は"ファッション"という方面で影響を受けたヒロイン...いや、憧れのミューズたちがいるので紹介したい。

無邪気で勇敢なあの子に憧れて

人体錬成と呼ばれる禁忌を侵した2人の兄弟が全てを取り戻すべく旅に出る『鋼の錬金術師』。

主人公であるエドワード・エルリックと弟であるアルフォンスには、ウィンリィ・ロックベルと言う幼馴染の少女がいる。

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彼女はとにかく無邪気で元気。辛い過去を持つエルリック兄弟の背中を押すように、ころころと表情を変えその場を明るくしてくれる。また、時にはエルリック兄弟たちが敵対するキンブリーと闘うために自ら人質となることを提案する。

そんな、ヒロイン枠に止まらない勇敢さと度胸に惹かれた私が気になったのはウィンリィのピアスだった。

ウィンリィは、右耳に4つ、左耳に2つの合計6つピアスを開けている。私は小学生で『鋼の錬金術師』に出会ってから本作の大ファンだったので、物語を読み進めるうちに、ウィンリィは11歳の時にホークアイ中尉に憧れてピアスを開けたこと、そしてエルリック兄弟がお土産として渡してくれるピアスを全部身につけようとしたためピアスホールを6つになるまで開けたことを知った。

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ちょっとでもウィンリィに近づきたくて、私は高校1年生の時に彼女のマネをしてピアスを両耳に1つずつ開けた。3つめはダメという我が家のルールに則り、ウィンリィと同じ数を開けることは敵わなかったけれど、今でもピアスをつける時には、無邪気で勇敢な彼女の物語を思い出す。

妥協しない女性になりたくて

Web発マンガの中で今一番大好きなマンガ『これだからゲーム作りはやめられない!

ゲーム会社を舞台にしたお仕事マンガで、働く人の背中を押してくれるアツいエピソードとさりげないキュン要素にどハマりした。

私が憧れたのは本作の主人公である2Dデザイナー・飯島めぐみ。

血液型と年齢が同じところに勝手に運命を感じている話は置いといて...

好きなゲーム業界に就職し"好き"を仕事にした飯島めぐみは、仕事に対し「このままで良いのだろうか?」とマンネリを感じ悩むのだが、同僚の南に影響され情熱を取り戻していく。

そして情熱を取り戻した時の彼女は強いのだ。例えば「萌え」をテーマにしたゲームのロゴデザインを作成する時には、畑違いのテーマに苦戦するのだが、自分自身が萌え系ゲームを体験することでデザイン像を掴み着実に進めていく。

そんな妥協しない姿勢にかっこいいを通り越して美しいとさえ思った。それと同時に彼女の内面を表しているかのような、凛としたボブヘアがとても素敵に見えたのだ。

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本作に出会ったのは昨年の夏。ちょうどその時、公私ともにすごく辛かったこともあり、心機一転ばすっと飯島めぐみボブに。

ボブが定着してからもうすぐ一年経つが、私は彼女のように妥協しない女性になれただろうか。

高校時代に出会った"お姉さん像"を追い求めて

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私は洋服の中でロングスカートが大好きだ。

ピタッとしたトップスにふわっとしたスカート。季節問わずにこのワンツーコーデで構成されているといっても過言ではない。

このコーディネートの背景にあるのはハチクロのあゆちゃんだ。

あゆちゃんというのは、羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』という作品に登場するキャラクター・山田あゆみのこと。

本作は、美大を舞台にした青春ラブストーリーで登場人物たちの美しくも切ない片思いを描いている。

その中でもあゆちゃんは、陶芸科に在籍する美大生で、スラッとしたモデル体型に綺麗なロングヘアが特徴的。文句なしの美人さんなのに、自分が一番好きな人からは好かれない...というなかなか複雑なキャラクターだ。

ハチミツとクローバー』を初めて読んだのは、高校2年生の頃。素直で明るくて可愛くて、失恋してもみんなの前では明るく振舞うあゆちゃんに釘付けになった。

他人から見たらどんなに情けなくても みっともなくても彼を想う この気持ちたったひとつが冷たくて明るい私の宝物だった

これは、『ハチミツとクローバー』8巻に登場するあゆちゃんのセリフだ。自分の片思いを断ち切り、新しい恋へ一歩踏み出そうとする時の葛藤が現れていて、このシーンであゆちゃんはフワッとしたロングスカートをなびかせながら川沿いを一人で歩く。

当時の私にとって、このシーンはとても印象的で頭から離れなかった。

大人になったらこんなに苦しい恋愛をすることがあるのかな...とい言う未知の感情に憧れたと同時に、この時のフワッとしたロングスカートが、当時制服のミニスカートを履いていた私にとって、なんだかすごく大人の女性に見えた。それと同時に、いつしかあゆちゃんは私が思い描く"お姉さん像"になった。

時が経ち、私はウィンリィやあゆちゃんよりも大人になってしまった。唯一、『これだからゲーム作りはやめられない!』の飯島めぐみが同い歳。

"大きくなったら〇〇みたいになりたい"

の、"大きく"は何歳まで許されるのかは分からないけれど、私が心惹かれる限り憧れのヒロインたちの姿を追い求めたいと思った。


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