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2023年8月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい! けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!……という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりでおすすめのマンガを紹介しているので、とにかく新作が読みたい! という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事があなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら


宙の入り江(全3巻)

うだるような暑さにつたう汗、美しい海、圧巻の星空。“夏”の全てが凝縮されたような離島を舞台に、心に傷を負う中年と少年が織りなす人間ドラマ。 傷跡は残るだろう、でも季節は巡りまた夏がくる。透き通るように美しい、休息と再生の物語。

ROPPEN-六篇-(2巻)

マンガを読んでいると一目見て「あ、こいつヤバい強いんだろうな」っていうそういう“匂い”を感じるキャラっているのですが。『ROPPEN-六篇-』はその匂いを消して読者に近づいてくる.....気づいた時はもう遅い。 最凶の殺し屋たちによる最狂の殺し合い、必読です。

そうです、私が美容バカです。

マンガ家さんが体当たりで美容を探求するマンガは色々あるけど『そうです、私が美容バカです。』は波長というか、全てが妙に自分と共鳴してマジで好き。 だって俺も家系ラーメンは美容に良いと思ってるしヨクイニン欠かさず飲んでるし......わかります!まんきつ先生ええ!

メダリスト(1〜8巻)

司は従来のスポーツマンガにおける“コーチ像”みたいなものを良い意味で覆してくれた気がする。 厳しい指導は行うけど、選手を敬称で呼んだり、高圧的な態度や萎縮させるようなコミュニケーションは取らない。正しい“厳しさ”や“指導”を体現している人。

詳しいことは「mi-mollet」さんでレビューを書いているのでこちらもぜひ。なんと1話無料試し読み付きです⛸️

天国 ゴトウユキコ短編集

好きとか嫌いとか、他者へ抱く感情はそんな簡単な言葉で片付けられないし、決してクリーンで美しいものだけじゃない。ぐっちゃぐちゃで無骨な“あの日の感情” を両手で丁寧に掬い取ったような一冊です。 特に『家庭教師』というお話が好き。

Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 8月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。詳しくはこちらをぜひ。

雷雷雷

マンガワンの新連載。冷静に考えるとめちゃくちゃ重い設定・展開なのに、そうさせないポップさというか、読んでいて気持ちの良いテンポ感がとってもクセになる。かわいい。すごく好みです。

喰う寝るふたり 住むふたり 続(5巻)

こんなにも続編が神な作品そうない。 前作を上回るとかじゃなく、リツコとのんちゃんは変わらず、でも経過年数や時代と共にアップデートさせた展開、2人の変化……なんだか“生きている物語”だなって。 リツコ、のんちゃん、ずっとお幸せに!

Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 8月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。詳しくはこちらをぜひ。

プライド(全12巻)

「LINEマンガ」で配信していたのをきっかけに久々に読み直した、一条ゆかり先生の『プライド』。もう寝なきゃ……と思ってもやめられない引力、読後に内から湧き上がるエネルギー、全てが凄まじい神マンガ。そして、大人になってから読み返すと本当にやばいなと。それぞれの“プライド”が気高く、壮絶すぎてぶっ倒れる。 あと、境遇は違うけれど萌にしぬほど共感して苦しい。向上心より闘争心が強いタイプ。戦うべきは人じゃなくて、自分なんだって.…..。頭では理解してるけどさ!

夜さんの愛しの晩餐

よく煮込まれたビーフシチューはお肉の食感と染み渡るような旨みが体に嬉しい、寒空の下で食べる肉まんはより一層皮のもちもち感と具材の美味しさが際立つ.......つまり、食事とは決して栄養補給だけではない、食事でしか得られない喜びがあるのだと。そんな食の魅力を“吸血鬼”が教えてくれるという、異色のグルメマンガ。

Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 8月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。詳しくはこちらをぜひ。

この漫画を書くとき僕はオバケよりも世間にどう受け止められるかのほうが怖かったのです

障がいを持つ方の心霊体験を漫画化。確かに怪談って健常者の物語ばかりだったと気付かされる。 明晰夢の話は切ない怖さがあって.....聾学校で噂されるトイレの花子さんはガチで怖い!

作戦名は純情

連載開始からわずか数カ月、LINEマンガのランキング上位に突如参入した話題のwebtoon『作戦名は純情』。主人公の女子高生が“人が一生の間に愛される量”が見える不思議なガラケーを手に入れたことから始まる物語。今後の展開への淡い期待、人物相関図におけるハートの矢印予想をも打ち砕いていくストーリー展開がたまらん。あと、どこを切り取っても絵になるというか、華やかな画はwebtoonならではだなぁと。イケメンキャラが多数登場する作品にはマッチするフォーマットだよね。

四畳半王妃~マリー・アントワネット転生王妃のやり直し~

ロリータファションを通じて、マリー・アントワネットと現代の女子高生が繋がり、互いに成長していく異世界転生モノ。今や一大ジャンルとして人気を博している、異世界転生モノ……..転生した世界観の作り込みや、転生後に与えられる能力など、異世界転生モノは設定が命と言っても過言ではないが、久々に設定大優勝! と感じた作品。それが、『四畳半王妃~マリー・アントワネット転生王妃のやり直し~ 』。

Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 8月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。詳しくはこちらをぜひ。

竜馬がゆく(1〜5巻)

司馬遼太郎先生による『竜馬がゆく』を、鈴ノ木ユウ先生がコミカライズ! 全く新しい“坂本龍馬”に出会える、そしてその竜馬に手を引かれるようにして、次々とページをめくってしまう。そんな作品です。

詳しいことは「文春オンライン」さんでレビューを書いているのでこちらもぜひ。

十次と亞一

明治・大正期を舞台に、売れない漫画家・十次(じゅうじ)と、売れっ子の幻想小説家・亞一(あいち)の奇妙な巡り合わせを描いたミステリーもの。

Real Sound ブックさんの連載「漫画ライター・ちゃんめい厳選! 8月のおすすめ新刊漫画」でも紹介している作品です。詳しくはこちらをぜひ。

3月のライオン(17巻)

ああ、島田さんの一言よ。痺れた。孤独や傷みが強さを作るのだと、愛や祝福を受けて“軽さ”という新たな闘い方をする零を終わらせにかかる、美しき死神のようだ。 強さ、そして人としての幸福。それらは両立できるんだろうか。

スキップとローファー(9巻)

もー!氏家くん!! 氏家くんが最高過ぎて超好きです。 なんか、こうやって実はあのひとおもろいよね、素敵なひとだよねって知っていく……この嬉しい感覚が学生時代にはたくさん転がってた気がしていて。スキローはそんな瞬間を追体験させてくれる。

2023年8月雑記🎐

まずは毎回恒例の今月のお仕事報告から。

▼ インタビュー:「勉タメジャンプ」担当編集 本田佑行さん

「週刊少年ジャンプ」の副編集長にして「勉タメジャンプ」の担当編集、本田佑行さんにインタビューさせていただきました。ジャンプが“本気で作った”子ども向けの学習マンガ雑誌『勉タメジャンプ2023 SUMMER』はどうやって生まれたのか? その裏側に迫りました。

▼ インタビュー:『NARUTO』オフィシャルサイト

「Vジャンプ10月特大号 」に、昨年取材・執筆を担当した『NARUTO』オフィシャルサイトのコラム記事が掲載されています。“だってばよ”は訳さない……?! 知られざるマンガの英語翻訳の裏側をぜひご覧ください。

▼ 分析コラム:コミックナタリー、QJWeb

『作戦名は純情』『喧嘩独学』の分析コラムを担当させていただきました。どちらもwebtoon作品ですが、描かれる内容や魅力の違いを比べてみてください。

その他執筆記事一覧はこちら

8月はロッキン、初めての競馬、映画はしご、納涼歌舞伎……など、ニンジンぶら下げなら走り続けたので、心身ともにずっとハイでした。取材してても、原稿やってても、会社へ行っても、なんだか鼻息が荒いというか(笑)ずっと高揚している感じ。この反動が明日から始まる9月に来そうでちょっと怖いんですけど、楽しくって輝いていた夏の日々を抱きしめながら、9月も進もうと思います。

で、8月の一番の思い出というか、強烈に脳裏に刻まれている記憶は、やっぱり「ROCK IN JAPAN FES 2023」ですね。

フェス自体は何度か行ったことがあるものの、今回人生で初めて一人で参戦してきたんですよ。別に一人で行くのはなんともないんだけど、なんせこの殺人的な猛暑。一人で行くということは、いざというときにすぐ助けてくれる人がいないわけで…….色々詰むじゃん! と。いつも以上に万全の準備したり、当日の2週間前からあえて炎天下のなか1時間ウォーキングするなど、謎に体力作りをして挑みました。

そしてお目当てのアーティストはこちら。エレファントカシマシ! 35周年の、夏の、フェスのエレファントカシマシをなんとしてでも拝みたくて。しかも運良く、最前エリアチケットも当選したので、まさかのこれまでで一番至近距離で彼らの音楽を聴くことできました。

夕暮れの空に響き渡る「今宵の月のように」。ロッキンの会場にいるみんなを優しく包むように始まった、エレファントカシマシのステージ。

だけど歌い終わるやいなや、ささっと“男椅子”という名のパイプ椅子をセットする宮本さん。え、ロッキン初日で、どう見ても若年層が多いフェスで「珍奇男」をやるのか?! と思っていたらマジで歌い上げていました。しかも目ひん剥いて、最後はギターをぶっ叩きつけてたよ。5月に行われた「JAPAN JAM」でも歌ってはいたけど。なんというか、エレファントカシマシって絶対にトレンドとか若年層に寄らない。もちろん、時代に合わせて進化、変化している所もあると思うけど、これが「エレファントカシマシだ!」っていう絶対に曲げないものがある。

もっとこうすればうまくいくかもしれないのにね……っていう道を選ばず、傷つきながらも前に進み続けて35年目。それが「エレファントカシマシ」っていうバンドなんだなぁと。この日のステージを見てしみじみと感じました。

そんな彼らを見て。そりゃ宮本さんかっこいい! 的なミーハーな感想もありますけども、やっぱり「お前はどうなんだ?」と。あの叱咤激励されるような、ヒリつくようなステージが大好きで。今年も、また来年も、その再来年も、エレファントカシマシのステージに足を運ぶんだろうなと思います。

2023年8月5日。一人でロッキンへ行って、あんな間近で憧れのエレカシを拝んで。 あぁ、私は一人だってなんでもできる、どこへだって行けるんだなって。独身アラサー限界OLの私はものすごく勇気をもらいました。

後半にかけて何度も「勝ちにいこうぜ!」と叫んでいた宮本さん。私には“自分に”というメッセージとして強く心に刺さりました。

さぁ、9月も勝ちにいくとしますか。


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