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2022年12月「読んだ!」マンガまとめ

こんにちは。マンガライターのちゃんめいです。

新旧問わずに、今月読んだマンガを全て紹介する本企画。元々マンガが大好きで毎月たくさんマンガを読んでいましたが、マンガライターとして活動し始めてから読む量が尋常じゃなく増えました。できることなら全作品しっかりとした漫画評を書きたい!けれど、現実的になかなか難しい。いやでも、せめてあらすじや一言感想メインだけでも!…という謎の使命感からこのnoteが誕生しました。

ちなみに、「Real Sound ブック」さんでは“今月発売された新刊”というしばりで毎月おすすめの新刊マンガを紹介しておりまして。さらに12月は、今年の総決算として「今年のキーワードは再始動と進化!? 漫画ライター・ちゃんめい厳選、2022年のおすすめ新刊漫画10選」という記事を書かせていただきました。

いま読んでおくべき10作品をサクッと知りたい!という方はこちらもぜひ。

読み応えのある、または濃密な漫画評が読みたい方にとっては、こちらのnoteはかなり薄く感じるかもしれませんが、もし良ければ読んでいってくださいませ。この記事が、あなたにとって新たなマンガとの出会いになりますように。

▼ 過去の記録はこちら


カナカナ(既刊4巻)

12月に突入し年末進行スケジュールで心身ともに疲弊してるひとに読んでほし過ぎてTwitterでも大布教していたこちら。人の心が読めてしまう5歳の少女・佳奈花と、ひょんなことから一緒に暮らすことになった元ヤン青年・マサ、この2人が織りなすハートフルギャグコメディ。既刊購入済み、かつ最新話まで読んでいるのに、通勤時間や休憩時に「サンデーうぇぶり」でちまちま読み直しちゃう!程よく笑えて、荒んだ心が海の様に穏やかになるんだ……セラピーかな?

ヘブンの天秤(1巻)

神への愛と情熱が足りないという理由で“堕天使”判定を受けた天使・メロは下界の人間20人を救うミッションを課せられる。 人間が抱える闇と地獄の果てしなさ、そして“完全なる救い”はこの世にもあの世にもないのだと……ポップに残酷な真実をぶん投げてくる怪作でした。

スペアタウン 〜つくろう自分だけの予備の街〜(新連載)

清野とおる先生の新連載! かくかくしかじかで“第二の赤羽”を探すという展開なんだけど、清野とおる先生と街は混ぜるな危険(良い意味で)というか、この組み合わせは絶対に面白くなる以外の選択肢がないのよ。これからも楽しみです。

わたし、今日から「おひとりさま」(1巻)

SNSを見ているとよく流れてくるマンガ広告。数あるマンガ広告の中で「3話まで読んだ瞬間、鳥肌が立った!」と衝撃の声が相次いでいる作品。なかなか不穏な展開に心がゾワゾワしますが、読後感としては「最っ高!」です。これだから人生って面白いし、踏ん張り続けたいって思う。

mi-molletさんで書評も執筆させていただいたのでこちらもぜひ。

女の園の星(3巻)

待望の最新刊!!! クワガタボーイのステッカー作り出したあたりからずっと思ってはいたけど、古森さんはマジで「おもしれー女」なのよ。 そんな彼女の無意識な心根の良さや、最高にクレイジーな家族との絆(?)が垣間見える……古森ファンとしては最高の3巻でした。

夢てふものは頼みそめてき Daydream Believers(1巻)

明治から大正にかけて活躍した実在の浮世絵師・池田輝方とその妻・百合子の出会いから画業に没頭し大成していくまでを、当時の世相を交えて描く。前作 『スインギンドラゴンタイガーブギ』とは一味違う心地よいハイテンション感が良い。

満州アヘンスクワッド(11巻)

満スクは第一印象が不穏な奴ほど後に最強な仲間になる説あるので、表紙を飾る工作員18がどうなるのか非常に楽しみなところ。 そして、最新刊と同時発売されたガイドブック。

これを読むと物語の輪郭がよりくっきりと見えてくるのでおすすめです。

BEASTARS(全22巻)

CORECOLOR」で連載しているコラムで『BEASTARS』の話をしたかったので改めて再読。

この作品のユニークな点は、クラスメイトたちは友達であると同時に「食う」「食われる」という歪な関係性の上に成り立っているところ。本能的に考えると肉食獣にとって草食獣は捕食対象であるけれど、友達だから食べてはいけない……そんな一瞬で崩れてしまうような危うさを孕んだ世界を舞台に描かれるのは、動物たちが対立したり、反対に種族を超えて友情や愛を育む様子。強烈な生と死の匂いを感じる作品で、改めて読み直して本当に大好きだなと実感。どうして『BEASTARS』の話になったのかはコラムをぜひに。

キラキラとギラギラ(1巻)

キラキラな少女漫画タッチと『魁!!男塾』並みにギラついた劇画タッチの世界。身分違いの恋ならぬ“画風違い”の恋を描いたラブコメディ。 画風だけではなく各々の文化というか、キャラの仕草や行動の違いみたいなものもコミカルに描かれていて面白かった。

この一杯は天使の取り分(1巻)

フィギュアスケーターの夢から逃げてウイスキー蒸溜所でひっそり働く鳩子は、ある日ウイスキーの貯蔵庫に棲まう天使と出会う。 ウイスキーがくれる束の間の癒し、自分と向き合う勇気.…..お酒漫画の枠に止まらない“再生”の物語。優しさに包まれる後味が良い。

ひとがたり(1巻)

余命半年の老婆、留年寸前の大学生、老いと死に憧れる宇宙人……性別、年齢、種族をも異なる3人が織りなす奇妙な日常譚。 命が有限である人間と不死身な宇宙人が交わる事であぶり出される、死とどう向き合うのかという問い。重いテーマなのに淡々としたこの空気感が好きです。

山田くんとLv999の恋をする(既刊6巻)

祝!アニメ化決定ーーーーー!!!ネトゲがテーマのラブコメディなんだけど、もうね、山田、山田!!!!!(書影・左側の男性)2023年にアニメ化をきかっけに全国民が山田に恋をすると思う。国民的彼氏山田。山田がどこまでも完璧にかっこいいという点、あと彼の表情が読めないから「山田は今何を考えているの?!」って主人公並みに読者がドキマギするタイプの神ラブコメです。

霧尾ファンクラブ(1巻)

学生時代に友達と「好きな人がもし〇〇だったらどうする?」って話でサイゼで一生盛り上がってた人に読んで欲し過ぎる。 あとセリフと行動が摩訶不思議すぎて、爆笑ではなくンフフッと自分でも驚くほど謎な笑いに見舞われる。なのに最後……ずるい好き!

銀太郎さんお頼み申す(1巻)

Z世代の主人公が、謎の着物美人・銀太郎さんとの出会いをきっかけに着物の美しさ、日本の伝統文化の奥深さに目覚めていくお話。 着物用語や文様の由来などの知識が深まる一方で、全てが銀太郎さんの過去と絶妙にリンクするからどこか切なさとロマンを感じる。

名探偵コナン 灰原哀セレクション (上・下巻)

先日解禁された劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』予告映像を観まして。なんかみんなで全力で哀ちゃん守りに行ってる勢い強くて超良いんだが??!!!! 助けてって言えない、自己犠牲心が強い哀ちゃん。だから周りからしっかりと守られてるとウッてなる…..という勢いで灰原哀セレクションを購入しちゃいました。コナンと灰原哀の出会い、その他彼女にまつわる重要シーンを選り抜いて収録した一冊(というか二冊)です。

セシルの女王(3巻)

エリザベス1世と彼女を支えた忠臣・セシルに迫る宮廷ドラマ。 目を覆いたくなるほど鮮烈に描かれる血塗られた歴史。けれど、この時代に本当にあったかもしれないアンとジェーンの連帯に胸を打たれる。男の駒なんかで終わらない、したたかに強い2人が好きだ!

2022年12月雑記

まずは、今月のリリースされた嬉しい&楽しいお仕事についてご報告させてください。

▼ インタビュー:『ブルーピリオド』山口つばさ先生、『BEASTARS』板垣巴留先生…あの人気マンガ家たちが“あの曲“を描く!?話題のYouTubeチャンネル「EGAKU」が生み出す絵と歌の共鳴

ガチ視聴者で大大大大ファンのYouTubeチャンネル「EGAKU」様にインタビューさせていただきました。

▼ コラム:『東京卍リベンジャーズ』最終回が賛否両論を呼ぶ理由。“ループもの”が持つ危うさとは?

今年から月一で執筆させていただいている「QJweb」さんの漫画コラム。Yahoo!にも転載されたのですが、ヤフコメがマンガ好きの方々によって良い感じに賑わっていて書いてよかったなと。

▼ 連載:あちらのお客さまからマンガです/第2回

これを読んだ私のライターの師・さとゆみさんが「これはやべえ、めちゃくちゃおもしろいっ!一気読みした(※普段はすごく丁寧な言葉遣いをされる方です)」と言ってくださった記事。師匠からの「おもしろい」の一言はいつもとは違う嬉しさがあるなとテンションが上がりつつ、改めて背筋が伸びました。

その他今月の執筆記事・お仕事はこちら

いやはや、2022年も今日で終わり!びっくり。とっても私事ですが、12月24日が誕生日なので、12月は個人的にスーパーお祭り月間です。

気持ち的にフワフワしやすい月間…..に加えて、今月は取材案件と来年に向けての新しい仕事が多くて。本当に“秒”で過ぎ去った月でした。(1月に続々とリリースされるのでまたご報告させてください!)

ちなみにどれだけ“秒”だったのかというと、今月は明らかに漫画の読了数が少ない点からもお分かりいただけるだろう…….。

愛してやまないエドワード・エルリックのおすわりぬいと共にお誕生日を迎え、また一つ歳を重ねました。

兼業ライターというか“マンガライター”を始めて2023年で3年目。たまに「マンガライターってなに?」と聞かれるのですが。執筆テーマをマンガに絞って書評・インタビュー・コラムを書かせていただいているので、分かりやすくそう名乗ったのが始まりです。

でも、そもそもがマンガの数やPFはどんどん増えているのに、その魅力を伝える人が圧倒的に足りていないと感じていて。誰よりもマンガの魅力や見どころを言葉で伝えていきたい、「描き手」としてのマンガ家さんを支える「書き手」として活躍したい……そんな意味合いも込めて“マンガライター”と名乗っています。

来年も引き続き、大好きなマンガ、そしてマンガ家さんを支える「書き手」として精進しますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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