見出し画像

壊れるくらいあなたが好きでした。




一生に一度の恋。私にはあなたでした。



画像1




そのポスター、予告を見て、私は思いました。

これは絶対に見ないといけない、と。

私は普段映画館に行かないので、珍しい感情でした。

それも、見たいと言うより、見なければという感情でした。



なぜここまで、私の感情が揺さぶられたのか。


いくら好きな俳優さんや女優さんが出ていても、友人に誘われない限り映画館には行かないのに、果たしてなぜなのか。




答えは、ヒロインの有村架純と周りの関係性にありました。






公開された当時や少し前はいわゆる不倫のドラマや映画の公開が多かったように思います。





ナラタージュもカテゴリーにわけるとその部類です。



不倫の映画が流行ったのは、出演者や話題もありますが、自分にはできない羨ましさから見にいく人もいると思っていました。

一時期、同窓会で再会して・・・みたいなドラマが流行ったのもそうだと思っています。


なので、流行ってるのはわかりつつも見てきませんでした。所詮ドラマで、不倫のドラマのエンディングがハッピーエンドになるはずがないと。



話を戻します。

それではなぜ見に行かなければと思ったのか。


当時私には好きな人がいました。

その相手は結婚されていて、一人息子がいました。


私が大学生時代にアルバイトで勤めていたところで出会いました。

その当時の私は、周りと馴染めず休憩室でも無言で、話しかけられることもあまりなくアルバイトやめてもいいかなと思っていた時期でした。

そんな時に彼は転勤で配属されました。

配属された当初、パッとしない見た目から周りの社員さんからはあまりよく言われてなくて、その程度の人がまた転勤できたんだなと思っていました。


私の店舗は大学生のアルバイトが多かったため、定期テストの時期になると人で募集の電話がかかってくることがありました。

そんな夏の定期テスト前に電話がなり、出てみると、彼でした。

この電話を境に親しくなります。


この当時私はバイトのメンバーに馴染めずにいました。怖い社員さん、先輩、怖いくらい何を考えているかわからない人など多数・・・。どうすれば居心地のいいバイト先になるか考えていました。楽しくバイトしたいだけなのに、人間関係で苦しむしんどい時期でした。


そんな私に声をかけてくれたのが彼でした。熱心に話しかけてくれて仕事の効率とかもフィードバックをしてくれたのも彼でした。接客のことで店長や社員さんからきつく言われた時も、彼は優しく教えてくれて詳しく噛み砕いて注意してくれました。


その時からです。私がバイト先に居心地がいいなと思えるようになったのは。




ナラタージュの映画の中で似たようなシーンがあります。

主人公の有村架純さん演じる”泉”がいじめられているところを松本潤演じる”葉山先生”が声をかけるシーンがあります。そこからのシーンがとても似ていました。

先生は居場所を作ってくれた

と劇中にありました。

映画を見て私も彼は居場所を作ってくれたのだと感じました。その時にはわからなかったけど客観的にみてそう思いました。


葉山先生の準備室に泉がよく話をしに行くシーンがあります。他愛もない話をしているシーン、将来の話などたくさんいろんな話をしています。

私も彼と仕事終わりに一緒に駅まで帰るわずかな道のりが楽しくて仕方がありませんでした。時にはサイゼリアにより、早番の時はスタバによって向こうは仕事を私は大学の課題をする時もありました。

私の顔色を見てしんどそうにしてる時は早く退勤させてくれることもありました。


次第にこの彼に気に入られたいと思うようになりました。出勤呼ばれたらすぐに入りました。できることはなんでもしたいと思うようになりました。

それが好きという感情になるのも時間の問題でした。

ただ過去の私のnote見てもらう通り付き合ったこともなければ処女なので好きもイマイチわかっていなかったと思います。ましてや相手は既婚者、こっちに感情が傾くなんてありえない状況でした。構ってもらってるから、気にかけてもらっているから、私はこの彼のことを好きになったと思っていました。


ある時バイトの先輩にこの話をしたら、

好きなのはわかった、でも男女の付き合うはピュアピュアなものじゃないよ。性や裸の関係に直面するんだから。付き合うとかは置いといて、ぞう。自身が男性とそうなった時にすんなり受け入れられると思わへんけどね。この社員と寝てみたいと思うの?裸の関係になりたいと思うの?

この問いに私は何も答えれませんでした。処女である自分に劣等感を感じること、好きであったとしても体の関係にまでなりたいと思ったことがなかったこと、いろんな感情が出てきました。結論私には恋愛は無理なのだと思いました。

映画の最後に葉山先生の自宅で泉とのベットシーンがあります。やっぱり男女となると体の関係はつきものなのだと思いました。私は既婚者のことを好きになった気で、既婚者との関係をいじったドラマに憧れた好奇心の塊なのだと思いました。


私と彼の別れは突然にやってきます。彼の辞令でした。彼は彼なりに試験を受けランクを上げていることも知っていてビジョンも明確だったのでそのうち他店に行くことはわかっていました。ただ、私の大学の卒業と同時に異動してくれたらいいなと思っていました。そんな願いも叶わず4回の夏に辞令がきました。基本店長から辞令本人に伝わり、その後朝礼でみんなに共有されます。ただ、私の場合慕っていることが周りに知られていたので、通達の前日に電話がかかってきました。

辞令が出たと。他県に異動になると。彼にとっては栄転でおめでたいことなのに、素直におめでとうが言えませんでした。私の中での支えを失うような気がして怖くて怖くてしょうがなくて泣きじゃくったのを覚えています。

ぞう。にだから先に伝えているからね。店長からも許可もらってぞう。には先に知らせた方がいいって話し合って伝えているからね、そこは気持ち組んでほしいと。毎日顔を合わすことはできないけど、ケータイ一つで繋がれる時代だから、何かあったらすぐに電話しておいで、相談に乗るから、大丈夫だからと電話を切りました。


次の日からの出勤は吹っ切れたように仕事に邁進しました。ただ彼に甘えていただけなのだと思いました。店長からは大丈夫かと声をかけられるぐらいでした。

出勤最終日2人でご飯に行きました。


ずっとこっちを向いて話をしてくれてました。今となってはどんな話をしたか覚えていません。でも笑顔で別れたのだけ覚えています。


この時、時計をプレゼントしました。向こうがほしいと言った時計です。そのプレゼントを買う時にこっそりお揃いの時計を自分用に買いました。これがあれば自分も頑張れると思って。実はお揃いであることを別れ際に言いました。特に向こうは何も言わず笑っていただけでした。今でもこの時計は持っています。

画像2


映画の最後に懐中時計が出てきます。ポルトガル語で幸せであるようにと彫られた時計でした。

私は特に彫るなどはしていませんが、彼自身が昇格して健康で幸せであるようにと願っています。


彼からもらった手紙に、いろんな経験をして人生を豊かにしてほしいとありました。明確には何も書かれてはなかったけど、思いは一緒だと書かれてました。





いろんな経験して人生豊かに生きます。



ナラタージュの曲と本は私の中で大事なものになりました。



この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします。頂いたものは私の活動資金にさせて頂きます。その活動でみんながハッピーに。