ディズニーでダメージを受ける

世の中の多くの人はディズニー作品が好きなのだろう。
世界中で愛されるキャラクター。
みんなが夢中になる夢と希望の国。

周囲をちょっと見渡せば、年間パスを購入して頻繁にディズニーランド通いをしている人が一人くらいいるのではないだろうか。

雑誌もTVもSNSも頻繁にディズニー特集やディズニーの最新ニュースを発信している。

だが、中には私のようにディズニーでダメージを食らう人間もいる。
私にとってディズニーは精神攻撃以外の何物でもなかった。

「落ち込んでるときはディズニー映画観ると良いよ!」
「ハッピーエンドばかりだから観ると幸せになれる」
「ディズニー大好き!」

などとよく言われるが、それは「メンタルにトドメを刺しに行け」と同義語だった。

ハッピーエンドも夢も希望も現実にはあり得ないということを小さい頃から悟っていたから。努力は報われないし、王子様も魔法使いもいない。何をどんなに頑張っても毒親が壊してしまう。

周りの大人たちを見てもアル中・ヤク中・水商売。他の職業の人も無職の人も、毎日「自分の人生こんなはずじゃなかった」と言いながら生きている。

この現実をディズニーが否定してくる。

「そんなことないよ!未来は夢と希望にあふれてハッピーエンドだよ!」
という良い意味ではなく

「(ハッピーエンド以外の)現実を切り捨てて問題を無視し見ないふりをしている」
ようにみえていたし、ご都合主義の幼稚な作品でしかなかった。

こちとらそっちのヒロインより劣悪な環境で生きてるんだよ!生温いこと言ってんじゃねぇ!誰も助けてなんてくれねぇんだよ!お前はこんなに恵まれまくってるのに何が不満なんだ!というイライラさえあった。

そんなディズニーが苦手人間な私だが小中高の遠足は毎年ディズニーランドという地獄だった。

救いだったのは私と同じくディズニーが苦手でダメージを受ける友人がいたことか。

遠足の後は感想文を提出しなければならなかったので、適当に待ち時間の少ないアトラクションに一つ乗って、あとはなるべく人の少ないところで友人達と時間をつぶしていた。

遊園地を楽しむ親子連れも苦手だし、いい年した大人が馬鹿みたいにはしゃいでいるのも不愉快だった。

そういう人達を見ているとディズニーランドを楽しめる人間と自分達とでは住む世界が違うのだと見せつけられ、子供ながらに惨めさと悲しさと怒りと色々な感情が入り混じって胸がムカムカした。

そして夢の国から現実(地元)に帰るとより一層現実のクソさがより引き立ってこれまで以上に生きているのが嫌になった。

私は夢の国の住人にはなれない。


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