「読みづらい」説明書にしないためのポイント3つ ~23年ゲムマ秋~(ゲームのルールの伝言ゲーム)
こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の31回目、途中まで無料で読めます。文字数は約3,900字です。
はじめに
60作品ほどのゲームマーケット2023秋の説明書を読んだため、その内容から、特にどんな点が気になったのかを書いていきます。
過去のゲームマーケット説明書特集記事は以下より。
また、ゲームマーケット特集記事において、素敵な説明書のゲームを一部紹介しています。
良かった説明書
こちらの記事にも数作品挙げているので、未読の方は併せてお読みください。
バッティン×トリテ
トリックテイキングにたまにある、マーク(スート)ごとに数字の内訳が違うようなゲームです。バッティングやマーク集めなど独特な要素が入っています。
素敵だと思ったのは、そのカードの内訳の表現方法です。「マークと数字の内訳」として、表で、どのカードが何枚あるかわかるようにしています。
……と文章で書くよりも、一目瞭然です。
このゲームのように、マークごとの数字にばらつきがあるトリックテイキングとして、「フォッペン!」や「テキサスショーダウン(のちに「波乱と海原」としてリメイク)」が思いつきます。
どうもこのゲームのカード表記からも、後者を参考にしていそうです。
「フォッペン!」では数字の範囲をプレイヤーが分かりやすくする手段として、下の画像のような早見表カードが用意され、カードに工夫はないです。
後者の2作品はどちらも持っていないのでネット画像を参照してみます。
テキサスショーダウン
個性的なレイアウトです。カードの左右2カ所、〇の中に書かれている数字が、そのマークを持つカードの総数です。
このゲームでは紫であれば61~65、というようにマーク(色)ごとに連続した数字が振り分けられています。
中央のマークの数が、数値の範囲の中で、下から何番目に位置するかを表しています。
なるほど、と思える表記ですが、「じゃあこのカードは上から何番目に強い数字なのか」とすぐ読み取れるわけではありません。
波乱と海原
カード左右に、三角のギザギザがあります。ギザギザの数がそのマーク(色)の総数、白いギザギザがそのカードの強さを表しています。「テキサス…」よりも「一目見てわかる」デザインです。
リメイクにあたって工夫を凝らしているなぁ、と思いました。
「バッティン×トリテ」の話に戻ります。「トリック」を「小さな勝負」、「リード(カード)」を「基準カード」に言い換えるなど、トリックテイキング特有の用語を使わずに説明する工夫が見られました。トリックテイキングを知っている人は勝手に専門用語に言い換えて遊ぶので、それほど問題ありません。
そんな、「分かりやすく遊んでほしい」という作り手の想いを感じたのでした。
怪盗カプリッチョ
内容物欄で、内容物以外に必要なものについて、背景の色を変えて強調して伝えています。
他のゲームの説明書では、内容物欄よりも下、ゲームの準備のあたりで急に「〇〇を用意してください」と書かれていました。「え、今言われても手元にないんだけど……!」と思われないよう、内容物欄に書いておくのが良いでしょう。
こう、こうです。
「読みづらい」説明書にしないためのポイント3つ
ここからは、今回読んできた中で、「特に気を付けてほしい」と感じた点について、書いています。悪い例では、ゲームが特定できないようにしています。
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