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『Baladerie』の説明書はどう変わっていったのか その2(ゲームのルールの伝言ゲーム)

こちらはアナログゲームマガジンの連載「ゲームのルールの伝言ゲーム」の35回目、途中まで無料で読めます。文字数は約5,000字です。

前回の続きです!


気を付けて読んだ箇所 続き

キ 主語と述語は近づける、修飾語と被修飾語は近づける

意識しないでいると書いてしまうのが、
「少し●●コマ同士を離して置きます」というような文章です。

「少し」が何を修飾している言葉なのか、すぐには分からなくて違和感があります。
「●●コマ同士を少し離して置きます」と直すと良いです。

主語と述語の例文はこちらから。

田中が私が日頃から尊敬している先輩の鈴木さんを私の親友の山田に紹介をした。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1501/23/news004_2.html  より

とても酷い。主語の問題もありますが、まず「、」がどこにもない、とツッコミを入れたくなります。読点がないと、文をどこで区切って意味をまとめるのか分からなくなります。

アナログゲームは何かを操作する文なので、読み手に「何か」を素早く伝えるため、文の始めに主語を持っていきたくなります。
「●●カードを、人数ごとに均等になるように配ります」のように。

この文はまだ良いのですが、もう少し文が長いと、どうでしょう。

「●●カードを、人数ごとに均等になるように、ランダムな面を上にして全て配ります」 
主語と述語が離れるほど、違和感があります。この文の長さぐらいが限界ではないでしょうか。私の場合は早々に述語に近づけてしまいます。

ク 省略可能な箇所は省略し、まとめる

初稿でこういったページがありました。

AとBで1段落目と2段落目が重複しており、スッキリさせなければいけません。

移動させると報酬がもらえる→Aの場合、Bの場合、という構成だったものを、重複している1段落目と2段落目を書いた後に、AとBに分岐する形にしました。

いくつかの違う説明にほぼ同じ文を載せてしまう例は、丁寧に説明をしようとする説明書で見られます。
誤解が生まれにくい「正しい」文章である一方、次のようなデメリットがあります。

・文量が多くなる
・それぞれの説明で違うところはどこなのか、探して理解しづらくなる
・説明書を読むハードルが上がる

「また」や「その後」という、時に省略できる表記が多いと冗長になります。アナログゲームにおいては順を追って追加の説明があり
、時間軸的にも一文後ろが「その後」の記述であることが自然だからです。

ただ、「ただし」や「しかし」というような逆接の接続詞は、省略すると意味が通じにくくなるので注意します。

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