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#書評5 あなたの「生き方」は何ですか。

私は、東京のWeb制作会社でWebディレクターをしている35歳独身女子です。あと数日で36歳を迎えます。主に担当サイトは企業サイトや専門学校、大学、教育業界サイト等。B to Bサイトを構築しております。

今回は、かの有名な稲盛和夫さんの「生き方」を拝読。発売当初から大変話題で、本の存在は知っていました。日本の歴史に残るような実業家は一体何を思っているのか。興味本位で手に取ったのですが、読み終えた今、なんだか気持ちが静かで穏やかで、まるで童心に戻ったような気持ちに。

一言で表せば、美しい「倫理書」「道徳本」のような本です。このような表現ですといわゆる、「非現実的」「理想論」のような部分も勿論あります。でも、多くの方が心を打たれ、何度も再読する理由が分かります。

どこまでも人として、どう生きるか、世のため、人のために何ができるかを突き詰めていくことが大事だと何度も説いているですが、結局のところ私たちは、その「当たり前の道徳」や「心構え」ができず、甘え、利己的な考えに蝕まれているからなんだと思います。そして大人になると、誰も諭してはくれない。まるで両親に言われているような、そんな気持ちになりました。

いくつか心に残った内容を書き残したいと思います。

1.なりたい姿を「カラーで」見えるまで、思い続ける

人生は全て思い通りになる。と言うのは色々な自己啓発本でも言われていることですが、本書も、自分のなりたい姿を漠然と思い描いているようでは、足りない。自分のなりたい姿をぼんやりとモノクロで思い描いでいるようではまだまだで、「カラーで」見えるまで、思い続ける。考え抜く。そうすれば必ず自分の思う姿になることができるし、なるまで続ける。と強く仰っていました。

そして、他人が嘲笑うような、大きな夢でも、思い描き、目の前の仕事に全力を注ぐ。神様が「こんなに努力したのだから可哀想だ」と同情してくれるくらいやったのか。そうすれば神様も手を差し伸べてくれるかもしれない。そう言う心で仕事に当たるべきだと仰っています。

私は将来、デザインを持って何かを成したいとずっと思い描いているのですが、その「何か」が未だぼんやりしています。当然、輪郭がないので目指せていない。一体私は何になりたいのか。何をしたいのか。向き合い続ける必要があると思いました。

2.人生の方程式は、「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」である

稲盛さんは、この方程式の中で、一番肝になってくるのは考え方だと仰っています。生まれ持って才能があっても、それが犯罪等、世のためにならないことや悪事に使われることも往々にしてある。

自分のスキルが人並み程度だったとしても、熱意があれば夢に近づける。とにかく目の前の仕事に一生懸命になること。

心に響いたのは、稲盛さん自身も入社したての若い頃、給料遅延、経営も不安定な会社に入社することになり、同僚と愚痴ばかりこぼしていた。でも自分にはこれをするしかないといつしか腹を括り、目の前の仕事に打ち込んだ。給料日がいつかも忘れて、打ち込み、そこで体験したセラミックとの格闘が、今の京セラに繋がっていると…。

日本空港のお掃除のプロ、新津春子さんも同じことを言ってたな。掃除なんて最下層の人間のやることだと最初は腐っていた。でもやるしかないと腹を括ってから世界が変わったとおしゃっておりました。

新津春子さんをご存知ない方は是非こちらをご覧ください。

実は生き方を読み始める前、同僚から会社のあまり聞きたくない話がLINEで来たり、どうもモチベーションが下がっていたのです。でも、生き方を読んで、待遇とか、環境とかもちろん劣悪なものからは脱した方が良いけれど、割りに合わない、あいつは仕事ができないのに私よりもらっているとか、うちの会社は福利厚生が全然ないとか、ありきたりな愚痴をこぼしているくらいなら、今目の前の仕事を愛すべきだと思いました。

今日1日、仕事にそんな気持ちで向かったら、なんだか少々清々しい気持ちなのでした。

3.働く喜びは、この世に生きる最上の喜び

人生を充実させるために必要不可欠なこと。それは「勤勉」である。すなわち一生懸命仕事に打ち込むことであると稲盛さんは説きます。よく、仕事の後の趣味や娯楽の活動を主軸に生きる。それが何よりの喜びだ!という反論もありそうだが、飴玉のような至福の喜びと、労働からくる喜びは、全く別物だ。と言い切っています。

これは、私自身もとても共感する部分が大きくあります。元々子供の頃から好きな芸術の延長にある仕事に就きたいと願っていました。例えば、Web制作やデザイナー業をしていると、よく「無償で」と知人から声がかかったりすることもあります。しかし、そこに労働としての価値が生み出されない行為は双方が本気にならないとも感じることはしばしばありました。

ビジネスの場面だからこそ、双方が大人の言葉で忌憚なくものを発し、クリエイティブにこだわったり、納期厳守であったりと制約をクリアすることが本気であり、達成感に繋がっていくなと感じます。

4.利他の心をもつ

一番私自身に足りないものです。利他の意味を調べてみると、

利他…他人に利益を与えること。自分の事よりも他人の幸福を願うこと。

私はまだまだ利己的で、顧客のため、会社のため、同僚のため、チームのためと自己犠牲を払えるほど、余裕もなく人間もできていない。

いつだったか宣伝会議で山口周さんのプロジェクトマネジメント講座を受講した時のこと。山口さんはプロマネの最大の肝は、プロジェクトマネージャーは常に機嫌が良いことだと言っていた。家庭や個人の事情においても、相談を受けられるほどに話しかけやすいことが大事とおしゃっていたことを思い出しました。

そうだなと思わせられたところまでで、自分の利他精神をどうビジネスの中で生かしていくかは一生の課題です。

5.支えになった言葉「結果を焦るな、因果の帳尻はきちんとあう」

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (1)

自分の長所でもあり、短所でもあるところ。私は生真面目すぎる部分が往々にあります。責任感が強すぎるが故に、顧客のサポートにおいても、「そこまで対応しなくて良い」とも見える。でも、対顧客へのディレクションでは一定の信念を持っています。

Webという専門分野において、顧客への最大限の寄り添いと、最後まで伴走を行う。

果たしてこういう信念に基づいた仕事がいつ実を結ぶのか。稲盛さんは2〜3年で自分の信念、やってきたことが目に見える訳ではないが、20年~30年の時を経て必ず実を結ぶことがあると断言しておられました。

稲盛さんの言葉を信じて、小さくとも自分なり信念を持って行きたいと思います。

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