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美を巡る1-グランブーケに包まれて。1894 Visions ルドン、ロートレック展 (三菱一号館)

あけましておめでとうございます。
2021年1月現在、とある東京のWeb制作会社でWebディレクターをしている35歳独身女子です。主に担当サイトはコーポレートリニューアルや専門学校、大学等、教育業界サイト等。

元々Webディレクターになる前は、IT機器の商社でインハウスデザイナーをしていました。子供の頃から絵が好きで、若い頃は夢中になって、絵を描いていました。小学生の頃から絵の関する仕事に就くのだと、卒業文集に残した程の気合いの入れ様。デザイナーを経て今は、Web制作の進行管理、つまりディレクションを担っていますが、本当はやっぱり絵やデザインが好き。

とは言っても私は、絵画通でもなければ、美術に精通もしていません。
流行りの映画を見に行くのと同じ感覚で気軽に美術館には、ふらっと足を運んでいます。

コロナ自粛を真面目に実行しているも、流石にずっとステイホームで
息が詰まりかけたので、先日、三菱一号館美術館に行ってきました。

1.三菱一号美術館とは

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東京駅丸の内南口から歩いてすぐにあります。
2010年に開館したばかりの新しい美術館です。(2020年で開館10周年)
19世紀後半〜20世紀前半の近代美術を主に企画展を催しています。

三菱一号館は、丸の内初のオフィスビル。旧三菱一号館を復元し、美術館にしたとなんともお洒落な建物です。美術品だけでなく、歴史も感じられる空間でした。内装が美しく、自然と背筋が伸びてしまう様な、重厚な建物、ひと時を味わうことができます。

2.幻想世界を描く「オディロン・ルドン」とは

誕生日:1840年4月22 - 1916年7月6日 (76歳没)
(日本は天保11年 - 天保の改革時に誕生)
出身:南フランス ボルドー

・リトグラフ、油絵・パステル画。
・ルドンはもっぱら幻想の世界を書き続けている(象徴主義)
・鮮やかな色彩を用いるようになったのは50歳を過ぎてから。
・モネ、渋沢栄一と同い年。
・作曲家:ドビュッシーもルドンの絵に影響を受ける

ルドンの経歴
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1866年 -  26歳:パリへ出てくる。ロドルフ・ブレダンに弟子入り
1870年 -  30歳:普仏戦争へ行く
1878年 -  38歳:ラトゥール(1836.1.14 - 1904.8.25.)からリトグラフを学ぶ
1879年 - 39歳:「初の石版画集」「夢の中で」刊行
1880年 - 40歳:結婚
1886年 - 46歳:長男が誕生するも半年で亡くなる
1889年 - 49歳:次男誕生
1901年 - 61歳:ドムシー男爵のお城の食等に飾る壁画を16点作成(制作3年)
1904年 - 65歳:レジオンドヌール勲章
1916年 - 76歳:次男が第一次世界大戦で行方不明に。消息がわからないまま、ルドンは亡くなる。

時代背景としては、日本は江戸時代、徳川12代〜13代の時代です。日本の歴史の教科書ではあんまり触れられていない時代かもしれません。
新しく一万円札になる渋沢栄一と同い年で、1つ年下には伊藤博文がいます。
日本が天保の改革の頃、フランスではルドンが誕生。そう考えるとピンときやすいです。

日清戦争や大日本帝国憲法が発布された時代を主にフランスではルドンが生きていたことになります。フランスの歴史としては、エッフェル塔ができたり、ナポレオンが失脚したり。

3.なんか怖い・・・。白黒の版画の世界。真っ黒な時代。

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左:初の石版画集『夢のなかで』《VIII . 幻視》 
右:石版画集『ゴヤ頌』《II. 沼の花、悲しげな人間の顔》

4.圧倒される!<グラン・ブーケ(大きな花束)>

カンヴァス 248.3 × 162.9 cm パステル

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▲フォトコーナーにあったタペストリーを撮影(2020.12.29)

美術愛好家のドムシー男爵が城の食堂に飾る壁画をルドンに依頼。作品16点のうち、15点はオルセー美術館にあります。その1点の<グラン・ブーケ>を三菱一号館が購入、所蔵。

ルドンの作品は岐阜美術館に多く所蔵されている様なので、それも見てみたい。世界的な画家の絵1枚を日本の美術館が多く持っているって、貴重だなと痛感。

空想画の代表だったルドン。
画家の活動も遅咲きで、結婚も父親になるもの40を過ぎてから。遅くできた子をすぐ失い、戦争で唯一残された次男も失う。そう行った悲しみもたくさん作品に残っているとか。

それを経て、最も鮮やかに描かれた<グラン・ブーケ(大きな花束)>は
大変貴重な一枚です。絵の前で何分も立ちつくしてしまいました。

美を巡る2 - 身体障害と共に。1894 Visions ルドン、ロートレック展 (三菱一号館)に続く・・・。


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