変わらないでくれよ

そのままでいておくれ。
美しく愛しい貴方のままで。

変わってしまったんだね。
大好きだった貴方は。

天狗になったのかい?
人を憎んだのかい?
今も自分を愛しているかい?

何度でも言うさ。
しつこくてもいいんだ。
大切なことだから。

無理はするな。
飯はちゃんと食え。
たっぷり寝ろ。
泣きたいときは泣け。
そして、生きろ。

私はよく逃げる。
嫌なことから。
恐いものから。

でもそれでいい。
逃げて逃げて逃げて遠くへ至る。
そこに大切なものがあるかもしれないから。
居場所があるかもしれないから。

人は常に変わり続ける。
大好きだったものが大嫌いになる。
興味のなかったものが愛しくなる。
そんなこともよくある。

でも変わってはいけないものもある。
自分の中の核のようなもの。
己の人生でこれだけは、という信念。
それが折れてしまうこともあるかもしれない。
そしたらまた立て直せばいい。

疲れたら休むのは当たり前。
けれど一度休んだら立ち上がらなきゃ。
いつまでも休んでたって何も進まない。
時間は待ってはくれない。

私は何度も私に問いかける。
時間を無駄にしてやしないか。
生きる意味を見失ってないか。
自分を愛せているのだろうか。

お前の核は一体なんだ?

立ち止まることの多い人生だ。
少し動いて長い間休んでいる。
他と比べて進みは遅いだろう。
それでも私は私を責めない。

自分を責めても何も解決しない。
小さい頃から褒められたかった。
怒鳴られ殴られる方が多かった。
褒められるために頑張っていた。
だんだん頑張れなくなっていた。

心が疲れてしまうんだ。
頑張る意味が分からなくなるんだ。
自分はなんてだめなんだろう。
そうやって責めることしかできなかった。
自分の事が嫌いで仕方なかった。

死にたくなることも沢山あった。
数え切れないほど涙を流した。

人生なんてくそくらえ。
大人なんて皆嫌いだ。
こんな命もういらない。
何度も何度もそう思った。

でも死ねなかった。
遺書を書いても
橋の上に立っても
駅のホームの端っこでも
スカーフで首を絞めても
あと少しのところで留まった。
最後の一歩が踏み出せなかった。

私には死ぬ勇気がなかった。

生きたくないのに死ねない。
くだらないなと思った。
そんな自分が情けなかった。
死にたいときでも腹は減る。
眠くなったりもする。

どんなに死にたいときでも生きてるんだ。
死ぬその瞬間まで私は生きてるんだ。

あぁ、くだらない。
あまりにも滑稽で笑ってしまう。

なにやってんだろ。
あほらしい。
あーあ、もういいや。
死ぬの、やーめた。

そんな風に思えた。
全てがどうでも良くなった。

だって私の人生なんだから。
嫌なら逃げればいいじゃないか。
なんでそんな狭い世界に閉じこもってるのさ。
どこへだって行けるんだ。
やろうと思えば何でもできるんだ。
一人でも、自分の力で。
未来は切り開けるはずなんだ。

嫌なことから逃げるために頑張った。
自分のためだけに頑張れた。
誰かに褒められるためじゃなく。
自分の幸せを見つけるために。

逃げたい。
たったそれだけの事でも本気になれる。
あのときの私は全力で生きていた。
生きるために行動できた。

今はどうだい?
安心できる場所を見つけて。
少なくても気の許せる人がいて。
幸せなはずなのに。
その場しのぎで生きている。
自分がだめな人間だと思う。

じゃあまた逃げればいいじゃないか。
大丈夫だよ。
何とかなるから。
なるようにしかならないんだ。

次はどこに行こうか。
何をしようか。
どんな人と出会うだろうか。

何をしててもいい。
どんな人生でもいい。
幸せならいい。
生きてればいい。

どんなに変わっても
ちっとも変わらなくても
どっちだっていいんだ。

なんだっていいんだよ。
生きてることが全てだから。

気楽にいこうよ。
明日も、ね。

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