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ヨーガ療法学会に参加しました②

こんにちは!

今日は、先日前編を書いたこちらの記事の後編を書いてみようと思います!

前回は、くいしばり(TCH)・ポリヴェーガル理論(迷走神経)・愛情ホルモン・オキシトシンの各専門分野の先生からのお話を備忘録していきました。

後編は、「運動学」「スポーツ科学」の各論点から、体と心の健康とヨーガについてお伝えできる範囲で書いていこうと思います!


1.運動学とヨーガ指導。

4人目の講演は福島大学名誉教授の白石先生のお話でした。

白石先生は、「運動の教え上手となるための運動学」というテーマで講義をしてくださり、ヨーガそのものというよりは、ヨーガの指導者としてどうあるべきか?というお話をしてくださいました。

先生は、大学で「学校の体育の先生」になりたい学生たちを長年、指導されているそうです。その中でも、毎年大体10名程度は、「跳び箱」や「鉄棒」などの、体育のカリキュラムに入っている実技ができない学生さんがいらっしゃるそうです。

みなさま、運動は得意ですか?実はわたし、とっても苦手なんです。跳び箱も、鉄棒も、小さい頃からできた試しがありません。今回は、そんなわたしのように、苦手だけれど乗り越えて先生という夢を掴みたい!という学生さんに、先生が跳び箱をどう指導するか?というビデオを見せていただきました。

その時間、何と…たったの10分!!!10分で本当に跳べるようになるの?と疑心暗鬼で見ていましたが…。

さすがは運動学の専門の先生です。スモールステップを6つ踏んだだけ、たったの10分で。なんと!跳び箱が飛べなかった学生さんたちは全員、跳び箱が跳べるようになったのです…!先生は、この方法で失敗したことは1度もないとおっしゃっていました。

ここでは6つのスモールステップのご紹介は省略しますが、先生は教え上手になるためには相手とのコミュニケーションの取り方が大切だとおっしゃっていました。

例えば、できなかった生徒さんに対して「どうしてできなかったか?」を先に伝えるのではなく、まずは本人に尋ねること。自分で気づき、言語化してもらうことが重要だ、と。

ヨーガのダルシャナというカウンセリングをする時も、「どうしてそうなったのか」「何がいけなかったのか」ということを、わたしたちヨーガ療法士は気づいていても決して口にしません。生徒さんが、自分の力で気づき、言語化し、「どうして」「何故」に辿り着けるように、あの言葉この言葉をかけながら本質へと導いていく技術が求められます。

白石先生のお話を聞いて、指導者というとおごがましいですが、ヨーガをお伝えする立場から、クライアントさんとの接し方やスタンスを改めて考えさせられる講義でした。

それと同時に、わたし自身も、自分の色々な体験によく意味づけを行いながら、「どうして?」「何故?」を自分の言葉で振り返り、カウンセリング力アップと自分の心の健康のために!本質を見抜く力を鍛えていきたいなと思いました。

先生はメンタルトレーナーとしてもご活躍されているので、今後も色々な活動を参考にさせていただこうと思いました。

2.スポーツ科学とヨーガ。

いよいよ最後の公演です。5人目は、中京大学名誉教授の湯浅先生のお話です。

湯浅先生は「体力との付き合い方」というテーマで講義をしてくださいました。

体力とは、「人間のあらゆる活動の源」です。

それを強化するために、わたしたちは運動をしています。

みなさんは、普段どんな運動をしていますか?

ウォーキング、ジョギング、ヨガ、水泳、筋トレ、ストレッチ、ダンス…。

「運動」と一口に言っても、様々な種類のものがありますよね。

わたしは「ウォーキング」はあまりしないけれど、筋トレとストレッチはヨーガの中でまあまあやっているかな…!?という感じで聞いていました。

しかし…先生曰く。体力を向上させるためには「持久力・筋力・柔軟性」この3つをバランスよく行うことが大切、とのこと…!。

つまり、ウォーキングだけでもダメ。筋トレばっかりでもダメ。もちろんストレッチだけでも効果はイマイチ…!ということなんです。

先生がオススメしておられたのは「1日10分は速歩で歩くこと。それにプラスで、簡単な筋トレとストレッチを少々行うことが良い」とのことでした。

筋トレやストレッチは、みなさんが思い浮かべるようなハードなものではなく、イスに座ってできるような簡単なものをご紹介いただきました。お子さんからご高齢の方まで、誰でも簡単にできそうなものです。

そしてまさに、湯浅先生がご紹介してくださったこの「簡単な筋トレ」「簡単なストレッチ」こそが、ヨーガ療法でポーズの中に取り入れていく「アイソメトリック・ブリージングエクササイズ」という種類の筋トレ・ストレッチだったのです!

湯浅先生はヨーガ療法とは全く関係がない方なので、とても驚きました。

ヨーガ療法学会のオフィシャルYouTubeにあった、アイソメトリックに
関する動画を載せてみます。

今回は仰臥位のパターンですが、こんな感じの、本当に誰でもできそうな簡単なものです。

本当にこれで筋トレやストレッチになるの!?と思われるかもしれませんが、この「保つ筋トレ」、1番安全で筋肉強化のための負荷に最も効果的であるという研究結果が出ているそうです。また、湯浅先生は多くの著名なスポーツ選手とご一緒にお仕事をされているそうですが、一流選手もこのような方法でトレーニングされているとか。

また、動画では「あー」「うー」「んー」などと声を出していますが、理由は2つあります。

1つ目は、初心者の方やご高齢者の方などが息を止めた状態で筋力を入れてしまうと血圧が上がってしまいます。とても危険なので、慣れるまでは声を出してもらいます。

もう1つは、「音」が持つ効果を活用しています。前回の記事でご紹介したポージャス先生の研究結果にも同様なものがありますが、「発声は、リラックスする神経に作用する」と言われています。

最初はちょっと恥ずかしいかもしれませんが、慣れてくると声が頭に響く音が心地よくなってきます◎(わたしは「んー」が好きです!)

ちょっと退屈だな…と思われるかもしれませんが、あえてゆっくりと動くことで忙しない日常生活からの乖離を生み出して、非日常のリラックスをもたらす効果を狙っています!

毎日キツイ腹筋や腕立て伏せをするよりも、こんな地味な…(笑)運動で、それより効果が得られるのであれば、わたしにはやっぱりこっちの方が合っているかな?!なんて思いました。

このような、「筋トレやストレッチ+10分の早歩き」を取り入れた運動が、私たちの体力を強くしてくれるという、これまで知らなかった知識を教えていただきました。

湯浅先生は、30歳くらいまでの人は体力を向上させるため。50歳くらいまでの人は体力を維持するため、そして、それ以降の年齢の人は体力の低下を予防するために。「それぞれが目的を持って運動をしていくいことが大切」だとおっしゃっていました。

高齢化社会。将来家族や社会に迷惑をかけないためにも、「自立した体づくり」というものに向き合うことはが必須になってきているのかもしれません。また、決して他人事ではないのかもしれません。

今回ご紹介した湯浅先生のお話はほんの1部でしたが、今回の公演の内容はほとんどがこの本に書いてあるよ!とおっしゃっていたので、わたしも購入してみました。

学校のお勉強が落ち着いてきた夏休み頃から、少しずつ、読んでみようと思います!

3.最後に。

色々な先生方の専門的なお話を伺って、健康にとってわたしが学んできたヨーガは、案外いい線いってるぞ!と(笑)手前味噌ながらにも、実感をすることができました。

同時に、もっともっと人の体を勉強し、医学的な知識・運動学的な知識をつけ、うわべだけではなく、その根拠や成り立ちまで説明できるヨーガ療法士になりたいな、と思いました。

わたしは東洋医学・鍼灸を学ぶ専門学校に通っていますが、そこで学んでいる医学的な知識はそのままヨーガに生かすことができています。

これからも、心の健康も、体の健康も。「なぜ?」「どうして?」を追求することを辞めず、知識を自分自身の技術に落とし込んでいきたいなと思いました。

今回は書きたいことが多すぎてうまく書けなかったなあ…!

そんな時もありますね◎

それではまた、次回。

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