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人は桜

こんにちは!

ここ数日で、わたしが住んでいる名古屋は少し春めいた気温になってきました。

家の周りもちらほらと桜が咲き始め、今年もあっという間に満開になるんだろうな…!と思っています。

さて。今日はそんな春を彩る「」にまつわる思い出話です。

ちょっといつもとは記事の毛色が違うかもしれませんが、毎年わたしが桜を見ると思い出す懐かしい話をつらつらと。


1.桜が好き。

わたしは昔から、桜が大好きです。

昔からあまり大人数でワイワイやるのが好きではないわたしなので、一般的にイメージする「お花見」みたいなものとはこれまでの人生で縁がありませんでしたが、ただただ、川沿いの桜を眺めながら散歩することが好きでした。

満開の桜はとっても綺麗で、見ているだけで心も優しくなれて好きなのですが、個人的にはちょっと緑の葉っぱが混ざり始めた、葉桜が好きだったりします。

ピンクと緑と茶色のコントラストに何とも言えない、魅力を感じます。

2.人は桜。

これが有名な言葉なのか、そうでないのかわたしにはわかりませんが、「人は桜」という言葉を聞いたことがありますか?

わたしは、学生時代から好きなミュージシャンが居るのですが、その方の歌の歌詞に「人は桜」という歌詞が出てきました。

当時高校生くらいだったわたしは、「んー……人は桜ってなに????」みたいな感じでした。(笑)

実はわたし、昔は歌手になりたかったのです。小学生の頃から作詞作曲をしていて、その曲たちを引っさげて大学時代は細やかでしたが音楽活動をしていました。特に日本語の歌詞を書くのが好きで、その時の名残なのか、音楽を聞く時どうしても「歌詞」に耳がいってしまいます。

人は桜。その歌詞の意味がわたしには全くわかりませんでした。

しばらくはあまり納得できないまま、春になりこの曲が聞きたくなると、聞いては「やっぱりわからんなあ…」と、悶々としていたように思います。(笑)

3.桜の歌詞を書く。

そして時は流れ、大学生くらいになり。自分自身でも桜の歌を書いてみようかな?と思う時がありました。

わたしは歌詞を書くために、ひとりで家の近くの川沿いの満開の桜並木の下を歩いていました。

わたしたち、大体桜を見るときって、上の方にある桜を見ますよね。あるいは遠くから塊で見て楽しむこともあるかもしれません。

そうです。これまで桜って、あんまり近くで見たことなかったんですよね。

この時が、人生で初めて桜をまじまじと見た瞬間でした。

そうしてみて、わたしは初めて桜がちょっと思ってたのと違うことに気づきます。(笑)

というよりは、近くで見てみて、「あ、桜って小さい花が何個も集まってグループみたいになっていて、それがさらに集まってできてるんだ!」と気づいたのです。

(なんだか表現が難しいな…笑。記事に使わせていただいた画像のような感じです!)

もしかするとそんなの常識で、知らなかったのはわたしだけだったのかもしれませんが、やけに衝撃を受けたことを覚えています。

4.やっぱり、人は桜。

そんな桜の様子を見て、わたしの頭には忘れかけていた「人は桜」の文字が頭に浮かぶのです。

一輪の花が小さなグループを作って、1つの枝にくっついて。それがたくさん集まって、大きな1本の木になっている。

わたしの目には、その姿が人間と重なって見えたのです。

1人の人が小さなグループを作って、1つの組織を作って、それが社会を作っている。

なるほど!人は桜とは、そういう意味だったのかもしれない!とわたしなりのヘンテコな解釈で、腑に落ちた瞬間でした。

同時にその姿は、人はひとりでは生きていけないことを風刺しているようにも見えたのです。

さらに、川沿いを歩いていくうちに、綺麗に咲いている満開の桜だけでが全てではないことに気づきます。

地面で踏まれていたり、川の水に流されていたりする花びらもありました。

そうか、わたしはこれまで、桜の綺麗な部分しか見てこなかったのかもしれないなと思ったのです。

見れば見るほど、わたしは桜が好きになりました。

確かその時書いた歌詞はこんな感じだったと思います。

「ひとりじゃ生きていけないんだと。散りゆくものも含め、ひとつなんだと。人目につくピンクが綺麗なこと。それを支える茶色があるということ。」

5.最後に。

社会に出る前のわたしは、恐ろしいほどに感受性が強かったのですが、社会人になり日々の出来事に忙殺されるうちに、段々と感情が湧かなくなってきていました。

もしかすると、それが大人になったということなのかもしれませんが、社会人になって、2年目くらいからは全く歌詞が書けなくなりました。常に頭の片隅に湧いてきたメロディも全く浮かばなくなり、自分が自分で無くなるような感覚が、悲しかったことを覚えています。

ですが、あの頃も今も、わたしの目には散ってしまって踏まれている桜も、水に流されている桜も、たくさんの桜を支える茶色い幹も、みんな美しく見えています。

今でも、桜を見ると「人は桜だな」とこの歌のことを思い出すのです。

今年も綺麗な桜を、存分にこの目に焼き付けておこうと思います◎

それではまた!




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