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日本の難民認定率が低い理由

こんにちは。芽 -MEGUMU- の西村奏嵐です。
今日は、日本の難民認定率が欧米諸国に比べて低い理由を解説します。
2020年の1年間で日本で難民認定された外国人は、申請者数約4000人に対し、僅か47人でした。認定率は、1.2%。日本の難民認定率が、欧米諸国に比べてかなり低い理由は、大きく分けて3つあります。

1 難民であるという「立証の基準」が高い

難民審査では、難民本人に難民であるということを客観的証拠に基づいて証明することが要求されます。しかし、紛争や迫害から命からがら逃げてきた彼らが、証拠を持って逃げてきていることは現実的に少ないため、証拠不十分で不認定となるケースが多いようです。このハードルの高さの背景には、国際的な政治的理由があるようです。

2 日本における難民の定義が狭い


難民として認められるのは、「人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見を理由として迫害を受ける恐れがある」ケースです。これは、難民条約によって国際的に定められています。日本は厳格にこの定義を守っている傾向があります。そのため、シリア難民などの「紛争」を理由に避難してきている人は、難民と認められないケースがあります。欧米諸国では、そこまで厳格に守られてはおらず、日本の刑事裁判の中核にある「疑わしきは被告人の利益に」というような灰色の利益が難民申請者に与えられるため、少しでも人権侵害が認められる場合は、難民と認定されるケースが多いようです。なぜ、そこまで難民の認定ルールを厳格に守っているのでしょうか。その背景には「偽装難民」と呼ばれる外国人がいるようです。

3 偽装難民の対策

日本に難民申請する人の多くは本当に助けを必要としている人たちですが、その中には、就労目的での難民申請などがあり、難民認定制度を利用した「偽装難民」と呼ばれる人もいます。こういった就労目的などで難民申請をした外国人を難民として認定するわけにはいかないため、日本は、難民の定義を厳格に守り、客観的証拠などを重視した慎重な審査が行われているのかもしれません。

最後に

ここまで、日本の難民認定率が欧米諸国に比べて低い理由を紹介しました。
海外から日本の難民認定率の低さは指摘されがちですが、その背景には、様々な政治的経済的な理由があるようです。ただ、本当に命からがら逃げてきた外国人を一人でも多く難民として認定するためには、制度の見直しはもちろんですが、私たち日本人、ひとりひとりが、難民や人権についてより深く考える必要があるのかもしれません。

ライター:西村奏嵐

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