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日経記事を経営学の視点から見るー花王、化粧品「AUBE」の販売終了 構造改革の一環

化粧品といえば、ドラッグストアでお安く買える「ドラコス」でセザンヌやキャンメイクのようなプチプラコスメが大人気。花王のKateもリップモンスターが大ヒットしました。そして「ドラコス」に対して、高級ラインということで「デパコス」は円安だろうと継続した人気を誇っています。トレンドカラーはドラコスで良いけれど、ファンデーションなどのベースメイクはやはりデパコスが良いという人が増えてきたように思います。

YouTubeでの化粧品をレビューする人気チャンネルでもそういった分類で商品を紹介しているし、そういう意味では花王のAUBE(オーブ)はあまり最近目にすることがありませんでした。

さて今回は、日経新聞の記事『花王、化粧品「AUBE」の販売終了 構造改革の一環』について、経営学の視点から考察しました

記事の概要

花王は、中価格帯の化粧品ブランド「AUBE(オーブ)」の販売を8月末をめどに終了すると発表しました。この決定は、業績回復を目指す構造改革の一環として行われ、約30ある化粧品ブランドの中でオーブを含む10ブランドが統廃合や廃止の対象となっています。オーブは1994年に販売開始されたメーキャップブランドで、主にドラッグストアで販売されていました。今後、花王は「KATE(ケイト)」や「モルトンブラウン」などの20ブランドへの投資を強化し、特に海外市場での事業拡大を目指しています。また、この構造改革の一環として、中国での紙おむつ生産も終了し、コスト削減を図りながら5期連続の最終減益からの脱却を目指しています。

経営学の視点からの考察

花王による「AUBE」ブランドの販売終了と構造改革は、ポートフォリオ管理、リソースの再配分、コスト削減、市場適応という経営学の概念に基づいています。これらの戦略は、企業が市場環境の変化に対応し、長期的な競争力と業績回復を目指すためのものです。花王は、効果的なリソース配分と市場適応を通じて、経営の効率化と成長を図っていると言えます。

経営学の視点からの考察を以下に示します。

ブランド統廃合の戦略

「約30ある化粧品ブランドのうちオーブを含む10ブランドを統廃合や廃止の対象としていた。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC108IM0Q4A110C2000000/

花王のこの決定は、マーケティングミックス理論(Neil Borden)に基づくポートフォリオ管理の一環と見ることができます。企業は有効なリソース配分とブランドポジショニングを最適化するために、パフォーマンスの低いブランドを統廃合することがあります。

リソースの再配分

「今後は『KATE(ケイト)』や『モルトンブラウン』など20ブランドに投資し、海外を中心に事業を拡大する。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC108IM0Q4A110C2000000/

花王はリソースをより有望なブランドに再配分しています。これはリソースベースのビュー(Jay Barney)に基づき、企業が持つ限られたリソースを最も効果的に活用し、競争優位を築く戦略です。

コスト削減と効率性

「コストを削減し、2023年12月期まで5期連続の最終減益からの業績回復を目指す。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC108IM0Q4A110C2000000/

花王の構造改革はコストリーダーシップ戦略の一環として理解できます。不採算部門の削減によりコストを下げ、全体の効率性と競争力を高める目的があります。

市場の変化への適応

「構造改革の一環で、約30ある化粧品ブランドのうちオーブを含む10ブランドを統廃合や廃止の対象としていた。」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC108IM0Q4A110C2000000/

花王の構造改革は、市場の変化や競争環境に適応するための戦略です。SWOT分析に基づき、企業の強みを活用し、弱みを改善しながら外部環境の機会を捉え、脅威を避けることを目指しています。


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