眠る前に読む本
寝つきが悪い人に聞いてみたい。
眠る前にどんな工夫をしているのかと。
私は、布団の中で明かりを暗くして、本を読むのが子供の頃からのお気に入りだ。
最近は眠れないことに恐怖心があり、何もせずに眠ろうとすると、胸がばくばくしてきて、いよいよ眠れなくなってくる。だから、何かをしながらいつの間にか眠りにつくのがベストだと思っている。
寝付くために読む本は、エッセイがいい。
それも、ある程度長めのエッセイが、いい。
小説だと読み始めたらきりが良く終われるところを探し始めて、それこそ睡眠どころではなくなってしまうし、短かすぎたり、写真多めの簡単すぎるエッセイは、あまりにスイスイ読めてしまい、寝付くよりも先に読み終わってしまう。
今読んでいるのは、村上春樹の「遠い太鼓。」1986年から1989年までの3年間の海外滞在生活を描いた旅行記だ。全569ページと程よく長く、遠い海外での旅や滞在の様子を描いたものだから気を張らなくても読み進められる。
普段、私は村上春樹の小説は読まない。ノルウェイの森は読んだことがあるが、それ以外のものは読んだ記憶がない。だが、村上春樹が海外に住んでいることは知っているし、海外で暮らしたいと思う私にとって、まさに理想的な生活をする彼のエッセイは興味があった。
肝心のエッセイは、淡々と進む。村上春樹が描く旅行先の人物描写は感情を交えないで非常に客観的に描いているようにも見え、その軽さが人付き合いに悩見がちな私には心地よい。
ギリシャから始まり、今日はロンドン滞在編からのスタート。
あの、薄暗いパブの中で、犬と一緒にフィッシュ&チップスをつまみ
ぬるくてほろ苦いビールを味わう夢でも見たいものだ。
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