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【フェムテック⑰通信】2022年まとめ:海外フェムテック3,000万ドル(約38億円)以上の大型資金調達8選

2022年フェムテック市場で、3,000万ドル以上の大型資金調達を「Femtech Insider」からまとめてみたので、その概要をお伝えする。

①Ro:1億5,000万ドル(190億円)_2/16

米Roは、もともと男性の脱毛治療薬・勃起不全のソリューションを提供していたが、その後、更年期女性向けのRoryというブランドを展開。
2021年に、自宅用不妊検査キットを提供するModern Fertilityを買収。さらに自宅用精子検査キットを提供するDadyも買収している。

今回の資金調達で、Webおよびモバイル向けのプラットフォームを開発し、ユーザーがメンタルヘルス、男性・女性の健康課題、不妊治療、スキンケアなどのサービスを、1つのサービスで可能とする。

米国を中心に、包括的な医療サービスが増えているが、今後もこの傾向は続くと推測。

②Equip:5,800 万ドル(75億円)_2/16

米国で摂食障害治療のテレヘルスを提供するEquip。シリーズBの資金調達で5,800万ドルを調達し、累計調達額は7,500万ドルとなった。
米国では、約3,000万人が生涯1度は摂食障害を患うとのこと。

筆者は最近、摂食障害の課題解決に取り組む女性数名と話す機会があったが、彼女たちは自分自身の原体験から摂食障害に取り組んでいる。
高学歴で美しくスタイル抜群、きっとキラキラした人生なのだろうと思っていたが、過去に摂食障害に悩んでいたことが、起業のきっかけとなっている。

コロナ禍において、米国で摂食障害は70%増加
今後、日本でも摂食障害治療のサービスは増えてくると感じている。

③Pulsenmore:最大5,000万ドル(64億円)_5/16

2021年に上場したイスラエルのPulsenmoreが、GEヘルスケアから資金調達。妊婦のお腹の上でデバイスを動かすことで、胎児の様子がわかる製品を開発。
コロナ禍において、遠隔モバイル胎児モニターは「病院に行くのをためらわれる」というユーザーのニーズを満たしている。

④Mirvie:6,000 万ドル(77億円)_5/18

妊娠糖尿病や早産などの妊娠合併症だが、一般的な産婦人科医が理由を特定できるのは妊娠合併症の20%に過ぎないとのこと。
Mirvieは、妊娠リスクの予測に役立つ診断ツールを開発しており、早産などを数カ月前に予測するRNAプラットフォームを構築し、FDAを取得。
今回の資金調達を含めると、累計調達額は9,000万ドルとなっている。

⑤Oma Fertility:3,750 万ドル(48億円)_6/20

米国で、不妊治療クリニックや体外受精の結果を改善するAIを開発しているOma Fertilityが、3,750万ドルの資金調達。
同社によると、2025年までに約1,000万組のカップルが不妊の課題に直面し、今後20年で約20%のカップルが体外受精を経験するとのこと。

⑥Delphinus:3000万ドル(39億円)_10/3

米国で、高度な超音波診断の開発をしており、FDAも取得。
米国女性の40%は、高密度の乳房組織を持っており、乳がんを発症するリスクが4~6倍高くなっている。そのため、マンモグラフィだけでは、米国女性のような「密な乳房」を持つ、「がん」の約半分を見逃すことになる。
高密度乳房スクリーニングで、マンモグラフィよりも高い精度でがんを識別できる。

⑦FOLX Health:3,000万ドル(39億円)_10/12

ホルモン補充療法、PrEP処方(HIV感染予防を目的として性行為をする前から薬を内服する治療法)、セクシャルヘルスサービスなどを通じて、包括的なヘルスケアを提供。

⑧Maven Clinic:9000万ドル(117億円)_11/15

不妊治療や妊娠・育児などのオンラインサービスを福利厚生で提供。「全ての従業員やその家族にケアを届ける」という信念を軸に、日本を含む175カ国以上で、約1,500万人の生活を支えている。
フェムテック市場で初の米国発ユニコーン企業であり、企業向けサービスの充実で、フェムテック市場をけん引している。