【更年期⑬通信】CBInsightsで紹介された更年期スタートアップ5選
米調査会社CBInsightsから発表された「2023年に注目すべき11のテクノロジートレンド」で、「フェムテックは更年期障害の市場に注目している」という記載があった。
欧米では、更年期のテレヘルスなどのスタートアップが増えているが、こちらの調査で紹介された更年期スタートアップ5選を紹介する。
①Rory
更年期症状・障害の治療ができる医師と患者をつなぎ、自宅までおしゃれなパッケージで処方箋やサプリメントを届けてくれる。
2022年2月に、親会社のRoが約190億円の資金調達を実施し、Webおよびモバイル向けのプラットフォームを開発。ユーザーがメンタルヘルス、男性・女性の健康課題、不妊治療、更年期スキンケアなどのサービスを、1つのサービスで可能とする。
②Alloy
米国で、女性の更年期症状・診断における診断サービスや、症状を緩和するピルや膣用クリームをサブスクリプションサービスで展開。
創業者の更年期障害の経験から起業。FDAで認証されたホルモン処方箋も低価格で提供されている。
③Vira Health
更年期に特化したデジタル医療サービス「Stella」をアプリで提供。骨盤底筋トレーニングや食事などパーソナライズされたオンライン治療が利用可能であり、2022年3月に約13億円の資金調達。その後、2022年11月には、更年期テレヘルスのAlvaを買収。
更年期女性に向けたサービスを、ノンストップで提供できるプラットフォームを目指しているようだ。
④Gennev
米シアトルで創業。マイクロソフトにいた創業者のアンジェロが、更年期向けのオンライン診療やマルチビタミンサプリ、更年期のどの段階にいるかテストする無料アセスメントを実施。
2022年10月には、米国でウィメンズヘルスケアを手がけるUnifiedに買収されている。
日本の更年期女性にインタビューをしていると、更年期の女性は、ソリューションの提供まで求めているわけではなく「とりあえず自分の状態を把握したい」というペインもあると感じる。
Gennevの提供するようなアセスメントで、自分の状態を把握して、おススメのサプリメントをレコメンドしてくれたり、ノンストップでオンラインで相談できるというのは、日本でも求められているのではないだろうか。
⑤Fifty One Apparel
医療以外の側面で、更年期の市場へ参入。更年期症状のひとつに「ほてり」「のぼせ」などの「ホットフラッシュ」があるが、そういった症状に悩む女性のために、ハイテク素材を使用して温度調節機能を備えた衣類を販売。
更年期障害のホットフラッシュ国別比較を見てみると、日本人と比較し欧米人は「ホットフラッシュの経験」「ホットフラッシュが中等度~重症」の割合が高くなっているため、欧米を中心にこういったソリューションが求められているのかもしれない。
まとめ:患者のリテラシーが上がることで、医療を変えて行く必要がある
日本は国民皆保険であるため、「病気になってから病院に行けばいい」という考え方が強いと言われている。
また、更年期症状・障害は、「病院にいくほどではない」という考えから、なかなか病院には足を運びにくいということ。
症状が多岐に渡るため、更年期症状・障害だと、患者が気づきにくいというのもある。
英国では、更年期症状が社会問題へと発展し、国が対策に乗り出した。
また、中学校では性教育の一部で、更年期症状の教育が義務化されている。
昨年から、厚生労働省が更年期症状の調査をはじめたが、更年期女性のリテラシーをどう上げていくのかが、更年期市場発展のひとつの鍵であると感じている。