見出し画像

「あのひとはわたしのことが嫌い」と思ってしまうとき

もし、確認したわけでもないのに「あのひと、わたしのことが、嫌いなんじゃないかな」と、他人に対して思ってしまう、としたら。

ひとの心の中なんて、わかりようがないのに。それにもかかわらず、そう思ってしまうとしたら。

そういうのって、自分と、相手の、お互いに対する関心が、釣り合ってないときなのかも?なんて。良くも悪くも。


わたしは、高校生のとき、ある同級生の子(仮にAちゃんとする)に、すごーく嫌われていた。らしくて。

なぜ「嫌われていたらしい」なのかというと、本人から直接きいたわけではないから。

べつの同級生から「これ、言っていいかわかんないけどさ、、Aちゃんが、めぐみちゃん(=わたし)のこと、すっごい嫌いだって言ってたよ」と又聞きしたのだった。

(その、告げ口みたいな行為がそもそもどうなの?みたいなはなしは、ここでは置いておく。笑。)

当時のわたしは、Aちゃんに嫌われているなんて、予想だにしたことがなかった。

嫌われててショック、とかいう以前に、予想外で。

だから、わたしは大層びっくりして「へ???なんでだろ?」というリアクションになったのをよく覚えている。

なぜなら、Aちゃんとは喧嘩をしたこともなければ、そもそも、そんなに深い話をしたことがなかったから。

わたしにとっては「まあ同じ空間にいたら、当たり障りない話を、まあ和やかにするかな?くらいの関係性の子」という認識だった。

当時のわたしは「まあ、わたしのことを嫌いなひとは、そりゃあ一定数いるでしょうね。まあ、嫌いって言われたら傷つくけど。」なんて思ってはいたけど、

Aちゃんに関しては、あんまりにも思い当たるふしが全くなかったので、びっくりした。

わたしは「えっ、そうなの??なんでだろう。わたし、Aちゃんに嫌われるようなことしたっけな。。」と、言った。

すると共通の知り合いの子は「なんかAちゃんが言うにはさ、『めぐみちゃんは、絶対、わたしのことが嫌いだと思うんだ。だからわたしも嫌い!』って言ってた」とのこと。

「へえー。。。」と言って、わたしはさらに絶句した。

わたしは、正直なところ、Aちゃんのことが、特に好きでも嫌いでもなかった。

というか、情報がなさすぎて、好きとか嫌いとかを判断するに至っていなかった。

「え、わたしの言動やふるまいの、どこらへんから、Aちゃんは、わたしに嫌われてるって思ったんだろう??わからない....」という思いが、脳内をぐるぐる回った。

ちなみにその話は、卒業してから聞いたことだったので、実際Aちゃんが、わたしのことをどのくらい嫌いだったか、というところの、真相はわからない。

Aちゃんが、今どこでなにをしているかも全く知らないし、答え合わせのしようがない。まあ、もう会うことはないだろうけれど。元気でいたらいいなあ、と思う。

で、さっきふと、唐突に、わかったような気がしたのだけど。

そうかあ、わたし、Aちゃんに対して、めーっちゃ無関心だったんだろうな?

と。

これは完全な憶測だけど、Aちゃんは、もしかしたらわたしに対して、まあまあ関心をもってくれていた、のかもしれない。(憶測だけども)

にもかかわらず、わたしは、Aちゃんに対して、「好きとか嫌いとかを判断する材料がない」なんて思う程度に、全く関心をもっていなかった。

その、関心を持たれていない、ということが、Aちゃんは、許せなかったのかもしれない。同じ空間にいて、まあまあのやりとりはしていたのに。

わたしは「Aちゃんに関する情報がなさすぎて、好きとか嫌いとかを判断する材料がない」なんて思っていたけど、情報がなかったんじゃない。そこに情報はあるのに、わたしの視界には入ってなかったんだろうなあ。なんて。

まあほんと、ぜんぶ、憶測でしかないんだけど。

好きの反対は無関心、なんていうけれど。

「あのひと、わたしのことが嫌いなんじゃないかな(確認したわけじゃないけど)」って他人に対してもやもやしたとき、

それって、必ずしも相手は「嫌い」ってほどじゃなくて、「無関心なだけ、というか、よくわからないだけ」の場合が多かったりするのかもなあ、なんて。

こういう過去の、すっかり忘れてたエピソード、忘れた頃にこんな風に、ふーっと脳裏に浮上してくる。

昔はわかんなかったことが、なんか急に妙にわかった気になったりして。そしてまた忘れて、を繰り返していくんだろうな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?