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医療的ケア児の娘とのくらし

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医療的ケアと共に生きる娘とのはなしをあれこれ書きます。
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#重症心身障害児

娘が娘として生きる力

娘が娘として生きる力

リハビリの先生が2年ほどおやすみされることになり、その間担当が交代することになった。
「はじめまして」のその日、どんな先生かな、娘はどんな反応するかな、とちょっとドキドキしていたのは私だけだったようで、娘は初回だというのににっこにこで。あらもう仲良くなったん、よかったねぇ。

そうなのだ、このところ、リハビリの担当替えにも動じず、新しい支援者さんにも動じず。クラス替えにも動じず。こんな子やったっけ

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ややこしい父親の話

ややこしい父親の話

我が家からそう遠くない場所に住んでいて容易に会うことのできる私の両親とは、距離の近さの割に、最近はなかなか会わない。私は両親のことは好きだし、両親と私の仲は良いと思うのだけど。

近いからいつでも会えるという油断からか、はたまた双方ドライな性格ゆえか。

あと、思い当たる要因が一つある。

私の父が、ややこしい。

私の姉が一人暮らししていた時、姉を心配していたらしく

「おい、金はあるんか、元気

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13回目のクリスマス

13回目のクリスマス

13年前、娘との初めてのクリスマスは病院で迎えた。

死ぬかもしれないと言われていた大きな手術を無事に終えた後で、少し先の未来にようやく目を向け始めた頃だった。

外はもう寒くなり始めていて、娘が退院する頃には雪も降るかもしれない。外の寒さを知らない娘の、手術のために丸刈りにされてしまった頭が寒くないように、クリスマスプレゼントは温かそうな赤い毛糸の帽子を選んだ。

旦那とふたり店を回り、ああでも

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