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「健康なくしては仕事も出来ないし、活躍も出来ない」ヘルスリテラシーの大切さ~WOMAN EXPO 2023アーカイブ配信レポ③~

「カルテット」「この世界の片隅に」「大豆田十和子と三人の元夫」「エルピス」「17才の帝国」
…これらの有名ドラマの共通点、ご存知ですか?

実は、ドラマプロデューサーが同じなのです。佐野亜裕美さんという方。そう、NHKに業務委託でプロデュースなさった「17才の帝国」は、私がハマったドラマ。こんな素晴らしいドラマをプロデュースした方が!WOMAN EXPO 2023に登壇なさってるとは!しかも、わずか4歳しか違わない人!これは、このセミナーを聴くしかない!


と思ったら、このセミナーが午前中でした。

幼児子育て中の身。朝から子どもをYAMAHAや図書館へ連れていく等お昼過ぎまでは子どもと過ごし、その後WOMAN EXPO 2023へ参加、お風呂晩ご飯の時間までに帰るとなると、会場に行けるのは、15:00~16:30頃となりました。

聴きたかったな~っと思っていたら、アーカイブ配信が無料であるとの事。もうこれは聴くしかない!と思い、聴きました。聴いたら、めちゃくちゃ良かったです。ほんまに良かったんで、みなさん是非ぜひ聞いて欲しいです。



ということで、アーカイブ配信視聴レポです。


実は私、先入観がありました。
こんな素晴らしいドラマを作ってきた人だ。きっと仕事一筋の人なんじゃないかなって。子どもいないん女性かもしれないなって。この先入観、子どもがいる人にもいない人にも、女性にも大変失礼な先入観ではあるのですが、今の世の中、こう思ってしまう人、多いはず。だって、子ども育てながら活躍している女性が、まだまだ少ないから。実際、子育てってそれだけ自分のリソースをさくものだから。自身のエネルギーを、仕事だけに注入したからこそ、この素晴らしいドラマが出来たのではないか。そう思っていました。
特に、ドラマプロデューサーということは、TV業界。TV業界は、世にある色々な業界の中でも特に男性社会のイメージが強い業界です。ひと昔前の男性社会=仕事に全エネルギーを注入する、そんなイメージがまだまだあります。

実際、佐野さんのお話を聞いていると、まぁバリバリ昭和仕事マン(敢えてこう言わせてもらいます)のエピソードが出てくる出てくる。

トイレでこっそりおにぎりを食べていた、
睡眠時間は3~4時間だった、
自分の健康に対しては後回しだった、等々。

でも、その後の言葉が印象的でした。

「でも、(自分の健康を)後回しにしても、どんどん追いかけてくるんですよね。」


って。
いや、まさに。
私、いま36歳ですが、自分の健康を後回しにして仕事や育児にまい進しても、結局どこかで帳尻合わせないといけなくなりました。

佐野さんの話は続きます。
35歳の時に身体も心も壊れ、1年休んだ。それで自らの身体と心を見直し、転職した。

健康なくしては仕事も出来ないし、活躍も出来ない

と。

実際にご活躍されていらっしゃる方のこの発言、グサグサきました。


もう1人の登壇者である、大塚製薬の西山さんのエピソードも。

配属先は不夜城と呼ばれていた。がむしゃらに働いてきた。当時「ファイヤー西山」と言われるほど働いていた。そして、会社にいながら無職になった。

健康とか栄養って重要じゃないの?と気づい42歳。でも、気付きがないと健康に気付けないって、これどうなの?と思った。薬剤師なのに全然知らなかった。これはお伝えすべきだと思って啓発活動を10年間続けている。


ここで、私が思っていたことの発言も出ました。

健康が重要だ、一度立ち止まることが重要だと認識しているのに、なぜ出来ないのか。


これに対し、ドラマプロデューサーの佐野さんがまたお話します。

35歳をこえて、ドラマの仕事が今までどおり出来なくなってるなぁと気づいた。会社でもプライベートでも色んなことがあり、1年2~3ヶ月休んだ。ここは自分が苦しんでいいことだったんだ、とカウンセリングで気づけた。それまで、心の健康が損なわれていることにすら気づけなかった。

自分の痛みに気付けないと、他人の痛みにも気づけない。

大きな病気をしたこともあったけど、それよりも、ここ数年不妊治療をしていた。そこで初めて、女性ホルモンのことを知った。自分の月経と月経の間にどんなホルモンがあるのかも、37歳38歳にして初めて知った。自分の卵巣年齢などを検査して調べると、とても老化していた。37歳の時に45歳相当と言われた。知らないうちに、自分の身体がこんなことになっているなんて!

とにかく会社に、不妊治療をしたいから休みます、と言った。妊活をするのでいつ産休育休をとるか分からないけど、それでも良ければお願いします、と大きな声で言うようにした。

ここで、ファシリテーターの方が、ナイス質問を。

Q.不妊治療する人って、人に言わずにしている方も多い。公言できた勇気はどこから?

また、ドラマプロデューサー佐野さんの答えが続きます。

現状子どももいないし、夫も自由な仕事。失うモノもない。
そういう立場にいる人間が公言することが大事だと思った。
テレビ業界は、やっぱり85%~90%おじさん。先輩も後輩も、妊娠出産で現場を離れる。テレビは下積みが7年ぐらいかかる。やっと下積みしたのに、そこで妊娠出産で現場を離れなきゃいけないなんて、もったいない。この現状を変えていかねばと思った。

1人で公言した。ドラマでも、そういうことを意識した。「勝手に代表して言っているという感じです」と。

でも口に出すと。少しずつだが、変わっていった。
例えば、佐野さんが勤める関西テレビは、この7月から不妊治療をしている人のための制度が出来た。

これは、制作にいる上司が、仕組みを作る担当になったから。
その人から「ちょっと佐野ちゃん、不妊治療の何が大変か教えてよ」と言われた。だから話した。「急に明日来いって言われるんですよ」とか「採卵がどれほど大変か」とか「どういう仕組みがあればいいか」など。2時間ぐらい話した。それで制度が出来たので、一助になれたかな、と。

最初は自分を知る。そして声に出すと、変わっていくこともあるんだなぁと。

ここで、またファシリテーターの方の発言。

「ボーっとしている男たちは、教えてもらわないと分からないから。だから声に出して伝えるということをしてもらいたいですね。」と。

知らなければ気づけない。気づけなければ、対処もできない。
知って→気づいて→相談して→対処する
自分にとっての選択肢を、1つでも多くもっておく。
ヘルスリテラシーを知って行動していくことが大切。

なるほど。
このセミナーの趣旨を一言で言うと、ここでした。
金融リテラシーと同じぐらい、ヘルスリテラシーも大切だな。素直にそう思いました。

ここからさらに、ファシリテーターの方のナイス質問が続きます。

Q.仮に、自分のことを知ったとして。だけど人に言いにくい。特に男性に言いにくい時のヒントはありますか?

それに対しての、佐野さんの答えがまた秀逸。

まず夫から、と思っています。身近なところから言っていくクセをつけていく。例えば、今日は生理前で色々大変なんだよ、だから今日はこれ出来ない、など。人間って経験を重ねていくと脳も身体も慣れてくる、そしたら言いやすくなる。

最近若い男性が、不妊治療の話をものすごい詳しく知っている。きっと、妻にすべて寄り添っているから。若い世代が、それをナチュラルに出来るようになっているからかも。今凍結受精卵が何個あって、来月移植なんですよ、なんていう話なども。

夫が妻の話を聞かない、というのは、昔の世代の話。
新聞の投書欄など見ていても、だいたいそういうの、60代ぐらいの女性が書いている。「夫が耳を傾けない」と。

公言することは恥ずかしいことではない、というのが根付いてきている気がする。今の40代ぐらいからは。

佐野さんの話は、さらに続きます。

エンターテインメントの制作者の端くれとして、エルピスでも更年期トいう言葉をあえて使ったり、メンタルのこととか、PMSなんですよねとか、PMSがどのぐらいキーっイライラするか、など、そういう話をしながら、女性が生身の人間として描かれるドラマを作っている。
自分のことを知ったうえで、口に出してもいいんだ、という環境づくりをしていきたい。



そして、こんな発言も出ました。

自分が休んでも、社会も会社も家庭も回るよ。
自分のことを知ることから始めて欲しい。


目から鱗でした。
よく、「会社は休んでも回るけど、お母さんの代わりはいないから」って言われるんです。私自身、何十回と言われてきた言葉。言ってきた人たちは、100%親切心なのは分かっている。ちょっと気を抜くと仕事にエネルギーを集中して使いがちで、仕事優先にしがちな私を心配して言ってくれているのは分かっている。
だけど、だからと言って子どもにとって母としての代わりはいない、あなたしかいない、と言われるのも、ちょっとしんどいなって時もなきにしもあらずで。

そんな時に、会社だけでなく、家庭も回るよ、大丈夫。そう言われると、ちょっとこの重荷がおりる、そんな気がしました。まぁ、「あなたがいなくても全然問題ない!」って言われすぎるのも、自分の存在価値ないって言われているような気がしてちょっとアレなんで、いいバランスが一番なんですけどね。


最後に、佐野さんからのメッセージを載せておきます。

思い切って休もう、ということを、あえて無責任に言いたいです。
自分を労わってください。
自分が一番大事なので。
そうやって、自分が楽しく人生を生きてください。

大塚製薬の西山さんも続きます。

女性の健康を女性同士で話すのではなく、男性にも話せるといいですね。今日、女性の健康のテーマなのに、あえて西澤さん(男性)がファシリテーターなんです。そういうことです。声に出して、行動していってください。


自分のことを知る。
そしてしっかりと労わる。
自分の痛みに気付けないと、他人の痛みにも気づけない。
自分にとっての選択肢を、1つでも多くもっておく。
ヘルスリテラシーを知って行動していくことが大切。


そして

「今日聞いたことを、誰かに話さないと始まらない」

ということで、私はnoteに書いて、広めていこうと思います!



日経xwomanテラスにも書いています。
半分以上削って、2,000字以内にしました!
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<WOMN EXPO 2023まとめ>
◆1◆イベントレポ① →WOMAN EXPO 2023イベントレポ①
◆2◆イベントレポ②→「失敗したことがない」と断言する人の、失敗しないための仕組化が、とても参考になった話
◆3◆イベントレポ③→リーダーに学ぶ!自分らしく働く、キャリアの築き方のまとめ
◆4◆アーカイブ配信レポ①→「迷わない新NISA投資術」お金の話を面白くききたい人へ
◆5◆アーカイブ配信レポ②→京都の一流の毒の吐き手による、本心の伝え方
◆6◆アーカイブ配信レポ③→「健康なくしては仕事も出来ないし、活躍も出来ない」ヘルスリテラシーの大切さ
◆7◆アーカイブ配信レポ④→「異次元の少子化」ってさ、本当に違う次元でやらないでよ。こっちの次元でやってよ!


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