見出し画像

【妻のターン】何度もふりむいて読み返す

こにゃにゃちは、Meglishです。

ふと本棚から呼ばれた気がして顔を向けると
この本と目が合いました。

「ふりむく」

はい、ふりむきました。

2005年に刊行されてすぐに手に入れたので
もう15年、こういうことをしているわけです、once in a while。

松尾たいこさんの絵に
江國香織さんがひとつずつ文章を書いています。

まず見開き左のページにある松尾さんの絵だけ見て、
あれこれじっと観察して、色や表情を感じた後
右ページの江國さんの文章を読むと、毎度ややっという驚きがあります。
そんなふうに見えていたのね、江國さん。

とあるストーリーの断片、
絵に描かれていない登場人物のひとりごとや問いかけ、
情景を味わうポエムなどを読んだ後、
また絵に目をやると、さっき気づかなかったことに気づけたりして。


松尾さんの前書きにはこうあります。

日常の日々の中で、ふと立ち止まったときに目に入ってくる景色。
記憶の中から、突然よみがえってくる懐かしき光景
ーありふれているけれど、でも懐かしくって少しだけ特別になった
そんな瞬間を、切り取ってみました。


そして、江國さんのあとがき(帯にも)

21枚の絵を見て文章を書く、というのは、
文句なく楽しい作業でした。
黙々と遊ぶ子供みたいな気持ちで言葉を選べました。
松尾さんの絵の、大胆さが好きです。
きれいな色ときれいな構図なのに、
どこか不安定なところも。


そうか、おふたりの共通点は「日常」と「不安定」。
日常にある風景や人物がどこか、危うげ。
だから絵と文章をいったりきたりしたくなるのね。

安定を求めてるってわけじゃないけど
何か他に気付いていないことを見つけられるのではないかしらん、と
右みて左みてバランスをとりたくなるような、そんな感覚。

あら、今の状況にぴったりね、この本。

読むたびに滞在時間が長いのはこのページ。

画像1

「ここ、ほんとうにいい家ね。築何年なの?」

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?