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【2023年版】#名刺代わりの小説10選

2023年が始まって、早くもひと月が経った(信じられない)。

今年も、「#名刺代わりの小説10選」を更新しようと思う。

こういう選書企画は、あれこれ悩みながら本を選ぶ過程が、とにかく楽しい。

いつも時間はかかってしまうが、自分が好きな小説とは何かを見直す機会として、毎年続けていきたい習慣だ。




2022年版 #名刺代わりの小説10選

まずは、2022年版の#名刺代わりの小説10選を振り返りたい。

伊坂幸太郎|砂漠
内田洋子|ボローニャの吐息
小野不由美|十二国記
重松清|きみの友だち
佐藤正午|鳩の撃退法
沢木耕太郎|深夜特急
本多孝好|WILL
村上春樹|1Q84
森博嗣|今はもうない
米澤穂信|さよなら妖精

(私にとっては)錚々たる顔ぶれが並んでいる。学生時代から現在まで、私の読書経歴が幅広く網羅されている。まさに、私の名刺がわりになってくれるような小説たちである。


私はこれまで#名刺代わりの小説10選を、老舗料理店の秘伝のタレのように、継ぎ足し継ぎ足しやってきた。結果として、新旧入り混じったラインナップになっている。

たとえば重松清さんの『きみの友だち』は、中学生の時に読んでから、ずっとトップ10に君臨し続けている。一方で小野不由美さんの『十二国記』は、2022年に最新刊まで読み終え、ランクインした新しい作品である。



2023年は、これまでのラインナップを一新し、全く新しい「#名刺代わりの小説10選」を選びたい。

長らく継ぎ足してきたものから卒業し、これまでとは違う系統のものを一から作る。

昔の思い出はもちろん大切だが、「現在の」私が好きな小説を選ばなければ、真の意味で「名刺代わりの」小説10選とは言えない。


今こそ未練を断ち切り、新たな一歩を踏み出す時だ。

……などと大層なことまでは考えていないが、2023年版の「#名刺代わりの小説10選」は、結果的に2022年版から、大きく顔ぶれが変わることになった。



2023年版 #名刺代わりの小説10選

2023年版の#名刺代わりの小説10選は、以下の面々にした。

重松清|きみの友だち
太宰治|津軽
カズオ・イシグロ|わたしを離さないで
米澤穂信|折れた竜骨
森見登美彦|四畳半タイムマシンブルース
ブッツァーティ|タタール人の砂漠
吉田修一|路
佐藤正午|Y
ケン・リュウ|もののあはれ
深緑野分|ベルリンは晴れているか

2022年に読んで面白かった小説が大半を占めている。一冊ずつ語っていると長くなってしまうため、少しコメントを補記するに留める。


まず重松清さんの『きみの友だち』は、2022年版から引き継いだ唯一の作品である。本作は私の読書の原体験であり、いわば核のような存在である。これだけは外せなかった。

米澤穂信さんと佐藤正午さんは、作品を変えて引き継ぐことにした。『折れた竜骨』は「ファンタジー×本格ミステリ」という珍しい作品。『Y』はタイムリープを取り扱った、佐藤さんの隠れた名作である。

森見登美彦さんは、本当なら2022年版にも入れたかったのだが、泣く泣く諦めたお気に入りの作家である。『四畳半タイムマシンブルース』には昨年、劇場版もあわせて、非常に楽しませてもらった。


太宰治『津軽』、吉田修一『路』、深緑野分『ベルリンは晴れているか』は、いずれも2022年に読んで特に刺さった作品たちだ。

中でも太宰の『津軽』は、「太宰治全部読む」という企画の中で読んだのだが、他の太宰作品とあわせて読むと感動が増幅するのでおすすめだ。


2023年版には海外作品も選出した。ブッツァーティの『タタール人の砂漠』は、友人と趣味でやっているオンライン読書会のテーマ本だったのだが、昨年の私に大きな影響を与えた小説である。

カズオ・イシグロさんの『わたしを離さないで』とケン・リュウさんの『もののあはれ』も、思わず人に勧めたくなる傑作だ。このところ中国SFの勢いがすごいが、ケン・リュウさんは、短編のSF作品を作らせたら右に出る者はいないと思う。


以上が、私の2023年版「#名刺代わりの小説10選」だ。名刺交換お待ちしております。




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