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ボトルから五十年物の輝く美酒を注ぐと、ワインは自らが有名になったと知り、グラスの中で恥じらいに赤く染まる。 2021/02/12

 音楽がないと味気ない。基本的に常にBGM流しているので、なんか物足りない。壊れてしまったLINNのMAJIK-DS Iの修理の相談をしたら代替品の貸し出しを提案してもらった。手厚いサービスにちょっと感動した。でも良い機会なので買い替えも視野に入れたいというお話をしていたら、そちらの自宅試聴も手配してくれた。楽しみ。

 出社したので、帰りに少し足を伸ばして書店に立ち寄った。ビジネス書を一通り眺めたりなどしてまとめ買い。最近ビジネス書飽きてたのだけど、まぁ少しはそういうインプットもしておかないといけないというか、仕事モードの脳味噌がなまる感じがする。

 とかなんとか言いながら、今は小説が読みたい。読みたいから読む。読みたいものを読む。ディケンズ『荒涼館 2』読了。1冊500ページ超の大ボリュームで4巻、というとにかく文字量が多いのだけど、物語の筋自体は至ってシンプル。2巻目以降は、冒頭見開きで、全巻までのあらすじというページがあるのだけど、これが本当に良くできていて過不足なく2ページにまとまっている。500ページが2ページに。この溢れ出ちゃうような言葉の奔流みたいなのがディケンズよなぁ、などと思いながら読む。

ボトルから五十年物の輝く美酒を注ぐと、ワインは自らが有名になったと知り、グラスの中で恥じらいに赤く染まる。
ディケンズ『荒涼館 2』P.184

 ワインが飲みたくなる。そんなに上等なものは持っていないけれど。そしてクセだらけのスキンポール氏が面白い。自己肯定感の塊。

 わたしはあらゆる欠点をともなうじぶんをうけいれることにした。その条件下で最善をつくす、それが健全な哲学だとかんがえた次第である。どうか、 みなさんもわたしにならって是非こんなわたしをうけいれていただきたい
ディケンズ『荒涼館 2』P.472

 何もできないスキンポールは自らそれを受け入れている。自分が受け入れたのだから、他の人も自分を見習って受け入れてねっていう理屈が素晴らしい。


 

自分の好きなことを表明すると、気の合う仲間が集まってくるらしい。とりあえず、読んでくれた人に感謝、スキ押してくれた人に大感謝、あなたのスキが次を書くモチベーションです。サポートはいわゆる投げ銭。noteの会員じゃなくてもできるらしい。そんな奇特な人には超大感謝&幸せを祈ります。