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みんなの憩いの場、遊べる場所 〜 ベルリンの空港跡地 〜

少し前のことになりますが、2008年閉鎖されたベルリンのテンペルホーフ空港跡地に遊びに行ってきました。

先日書いた記事の展示会場となっていた、空港跡地です。

こちらでも書いたのですが、空港が閉鎖されてからは、建物の中ではコンサートや展示などいろいろなイベントが行われていて、滑走路だった場所とその周りはベルリンで一番大きな公園になっています。

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奥に見えるのが、空港の建物。長さ1230mと、とーっても長い建物です。

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そしてこちらが滑走路だった場所。
この長く続く滑走路の上を歩くだけでわくわくします。

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この公園には、ベルリンに越してくる前にも何度も遊びに来ていました。ベルリンに住んでいた友達に連れて来てもらったのですが、みんなが自由に使えるこんなに広い場所が大きな街の真ん中にあるなんて!と、初めて来たときにはとても驚いたのを覚えています。
空港が閉鎖されてすぐには跡地の用途がまだ決まっておらず、お金持ちのお家がどーん!と建ってしまうかもしれないとか、大企業が買い取るかもしれないだとか聞いて、このままであってほしいなぁと、ベルリンに住んでもいなかったのに強く願いました。

私の願いが通じたわけではありませんが、今のところ、ここは大きな大きな公園となっていて、みんながそれぞれ思い思いに本当に自由に楽しんでいます。

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伝わるでしょうか。写真には収まりきらないくらい、広ーいのです。

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ローラーブレード、スケートボード、ジェイボード(?)、エスボード(??)、ブレイブボード(???)など、私は名前も知らない乗り物(?)に乗っている人たちもたくさん。本当に広くて風があるので、凧揚げをしている人や、陸上ウィンドサーフィンを楽しんでいる人たちも。

みんなかっこいいなぁ、楽しそうだなぁ、と、そんな人たちの間をすり抜けながらうきうき歩いていると、私たちよりものんびりのスピードでちょっと屁っぴり腰でブレイブボード(?)に乗っているお姉さんを追い越してしまいました。
「私の方が遅いよね〜、あはは〜。」
上手でかっこよく乗りこなせる人たちだけではなく、初心者でもひとりでも、とにかくみんな楽しめている。そんなところもだいすきです。

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陽気な音楽に合わせて踊っている人たちも。
アイスを食べながらお散歩している人たち、ジョギングをしている人たちもたーくさん。

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そしてこちらは、アーバンガーデニング。
街の中に緑を増やすこと、有機農業、食育、コミュニティを主な目的とした、ドイツを始めヨーロッパ各地に多くある、いわゆる街の中にある農園です。
旧東ドイツでは、壁崩壊後に土地の持ち主が西ドイツや他の国に行ったきりで空き地になっている土地が少なくないそうです。そういった、いつまで使えるわからない土地で、地面に直に植えるのではなく、木で作られた花壇やパン屋さんで使わなくなったカゴなどを利用した簡易の畑にお花や野菜が植えられています。ここ、テンペルホーフ広場でも、土を掘ることは許可されていないようで、写真のように、木で作られた床に本当にいろいろなものが植わっています。

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とっても居心地がよくて、ビールを飲んだり本を読んだりおしゃべりをしたり、ここでもたくさんの人たちが楽しそうに思い思いの時間を過ごしています。

この広場にはバーベキュースペースもあり、バーベキューをしている人も本当にたくさん。カラオケをしている人もいます。


そして今回ここに遊びに来た1番の目的は、、、

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羊さんたちです!
昔むか〜しにも毎年来ていたらしいのですが、2019年からの5年間のプロジェクトとして、毎年春になると50〜150頭やってきます。機械で一気に草を刈ってしまうと植物や虫たちの生態環境を壊してしまうそうですが、羊さんたちがゆっくりと草を食べて糞をして、土と動植物の環境を守ってくれているそうです。

一昨年の2019年には100頭ほど来ていて、触れるほど近くに会いに行けて、羊飼いさんともお話ができたのですが、今年は80頭ほどが柵に囲まれていて、遠くから眺めることしかできませんでした。残念ですが、撫でられに来ているのではないので、しょうがないですね。
小さくてかわいい赤ちゃんも見れて、大満足です。

それにしても、広場に着いても見当たらないし「メェ〜」も聞こえてこないし、羊の群れを探してたくさん歩き回るほど、ここはとても広いんです。
風向きが一瞬変わった時に、「あっちの方から羊の匂いがする!」という私の彼の嗅覚を頼りにその方向に歩いて行って、ようやく羊さんたちに会うことができました。

私は田舎育ちなので、人が多いところがずっととても苦手でした。

ドイツに来て、公園や川辺や広場でたくさんの人が日光浴やバーベキューをしてる場所にいるのも楽しめませんでした。あまり人がいない場所や静かな森の中にいる方が断然好きでした。

今年で付き合って10年になるドイツ人の彼と出会った頃、
「たくさん人がいて賑やかでみんな楽しそうで、こういうところいいよねー。」
という彼の言葉に、この人と一緒に楽しくやっていけるかなぁ。。。と少し不安になったのを思い出しました。

今では、いつの間にか、そんなことを不安に思ったのが自分でも不思議なくらい、それぞれが思い思いに楽しんでいる人たちの笑顔を見るのがだいすきになっています。そして、そんな場所で、自分も楽しめるようになりました。

こどもたちがわくわくして遊びたくなる環境をつくること。
大人も楽しめる場所をつくること。

難しいなぁと頭を抱えることも多いですが、本当はもっと簡単でとってもシンプルなのかもしれないなぁ、と、気持ちが軽くなった1日でした。


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