同じ音を聴いていても、聞こえ方は全然違う。- ハトの鳴き声 -
街中でよく見かけるハト。童謡「はとぽっぽ」でおなじみのあのハト。鎌倉の鶴岡八幡宮にたくさんいるハト。正確には「キジバト」や「ドバト」といった種類のハトのようですが、ハトの鳴き声、どのように聞こえますか?
夫と私では「聞こえ方」がまったく違うことが判明!
私が小さい頃住んでいた家では、早朝必ずハトの鳴き声が聞こえてきました。
この「♪ホーホ ホッ ホホ~」を何回も何回も繰り返している、それが私のイメージするハトの鳴き声。音階で言うと、半角にしている「ホッ」の部分から高い音に変わっています。(文字だと伝えるのが難しいですね笑)
しかし、そんなキジバトの鳴き声が家の外から聞こえてきたある日。何気なく夫と、その「ハトの鳴き声」について話していた時に聞こえ方が全然違うということが判明しました。
夫の聞こえかたはこうです。
「・・えっ、「ホッ」ないの?」と私。
「ホツって何?♪ホーホー ホホーしか聞こえへんで。」と夫。何度すり合わせをしても、ホーホとホホーの間に「ホッ」は存在しない様子なのです。
せっかく外でキジバトが鳴いているので、タイミングを合わせてマネをしてみることにしました。
・・始まりと終わりのタイミングは完璧に合っています。やはり「ホッ」の部分だけ、私には聞こえているけど夫には聞こえていない(?)ようでした。
ググったら答えが書いてあった。
気になった私はグーグル先生に聞いてみることに。キジバトのWikipediaにおおよその答えが書いてありました。
どうやら「個体差」があるようなのです。私の「ホッ」があるバージョンは恐らく5音。夫が認識しているのは恐らく4音バージョン。
こう書いてあることから、「ホッ」がある5音バージョンがスタンダードとも言えそうです。そんな違いがあったとは・・初めて知りました!
それでも夫は「ホッ」が聞こえない。
そうか「個体差」か。・・と一度は思いかけたものの、よく考えたらさっき一緒に聞いたのは「同じハト」の鳴き声です。個体差ではないんですよね。
こうなってくると夫の聴力的な何かで聞こえない可能性が考えられますが、特に耳が聞こえづらいわけでもないので、聴力とは別の要因がありそう。
ここで思い出したのが「鈴虫の鳴き声は日本人にしか聞こえない」という話。(虫の鳴き声を「声」と認識できるのは日本人とポリネシア人だけなのだとか!)
こういった「認知」の違いで聞こえ方に差がでるのであれば、もしかしたら昔から4音バージョンに慣れ親しんでいた夫は「ハトの鳴き声=4音」と脳が処理しているから「ホッ」が聞こえないのかもしれないな、と感じました。
同じ音を聴いていても、聞こえ方は全然違う。
とはいえ、結局のところ同じハトの鳴き声を聞いても“なぜ夫にだけ「ホッ」が聞こえないのか”の正しい答えはわかりませんが、確実にわかったことは「同じ音を聴いていても、聞こえ方が全然違う(場合がある)」ということ。
先ほどの「鈴虫の声は日本人にしか聞こえない」の例ではありませんが、同じものを見ても感じ方は人により千差万別であるように、すべて「認知」で成り立っているのであれば、実際の聞こえ方も、何なら見ているものも本当は違っているのかもしれない。
人は誰しも自分の見えている世界しかわからないので、同じものを見ていても、それが他人にどう映るか、聞こえているか、本当のところはわからないんですよね。きっと。
すこし話を壮大にしている感が否めませんが、星の王子さまの一節を思い出しました。
普段こんなことを意識する必要はまったくないと思うけれど、人体の不思議というか感覚の不思議というか。「ハトの鳴き声の聞こえ方の違い」から、目に見えない何かを一瞬体感できたような気がした、というお話でした。
余裕がないと、つい目に見えるものや先入観だけで色々なものを判断して、勝手に苦手意識を持ったり先走ってしまったり。本当のことは(そして人のことは)その人にしかわからないんですよね。
ということで。今回は「見えるものだけに捉われすぎないように!」というメッセージをハトから受け取った、ということにしておこうと思います(笑)🕊
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