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第233話 空はつながっている


 ミツコという名前が判明したその翌々日。ぼんやりネットを観ている最中に、とある日本刀にまつわるネタだと分かるフェイクニュースを発見する。けれどもその緻密さになんとなくあきらにLINEで知らせると、次の瞬間ミスに気づいた。

「ごめん。けーことあきら間違えて送信した。」

「もう何やってんの笑笑
ところで明日靖國行こうと思ってるけどどうだい?」

「そう来たか靖国。オッケー行きます。多分タイムリー。」

「まじか」


 聞けばパートナーとの会話がきっかけで、けーこの過去世……太平洋戦争における人間爆弾としてのパイロットだった男性の存在が明らかになり、その魂は靖國神社に眠っているから会いに行くという話だった。

 国際問題の火種として度々その渦中となる靖國神社。けれども改めて調べてみると、その創建は当時即位したばかりの明治天皇の、こんな想いから造られていた。

 『国家の為に尊い命を捧げられた人々の御霊を慰める』(※)

 そのきっかけを平たく言ってしまえば戊辰戦争……つまり新政府軍と旧幕府軍による日本国内最大の内戦が始まりで、神社の前身として『招魂社(しょうこんしゃ)』という名前がつけられていたという。

 そこから規模を大きくしていった靖國神社は特定の御神体を主祭神とする訳ではなく、その後の様々な戦争等で命を落とした多くの人々をご祭神としていた。
 軍人のみならず看護婦や女学生、学徒。また台湾や朝鮮半島出身者など官民を問わず、貴賤を問わず、出身を問わず『靖國の大神』として祀られているとのことだった。

 そんな背景を受け止めつつ、そのままあきらにホームページを見せてみた。

「最終形態じゃん。」

 菊と桜が見事に重なった神紋を一目見るなりそんな感想が返ってきた。

……

 旧暦における大晦日となった冬晴れのその日、それでも地下鉄の階段を上っていくと徐々に外の冷気が染みた。

 東京都千代田区、靖國神社。
その地に眠る、ミカエルやスサノオと同魂の坂本龍馬にアテンドされながら桜の枝の間を行き、拝殿に向かって手を合わせていく。

 それから境内の資料館へと足を運ぶと、それこそ神話の時代からの神武天皇やヤマトタケルなどの縁(ゆかり)の展示物も観ることができたし、ちょうどよくフェイクニュースの元となった日本刀なども拝むことができた。

 そして、時系列をぐっと近づけいよいよ第二次大戦の展示が始まると、生々しくも懸命に生きていた“当時の人たち”の霊魂が寄ってくる。

 センタリングをしながら進んでいくと、やがて一人の青年の前でけーこがその足を止めた。家族に残した手紙には自画像と、それから桜の絵が添えられていた。

 名前の下に命(みこと)とついた男前な写真に向かって二人で手を合わせると、「まさかこんなピンヒールで、毛先をピンクに染めた姿で会いに来るなんて思ってなかっただろうね。」とけーこが笑う。

「じゃあね。」と、けーこからのそんな言葉で別れると、私たち二人、再び寒空の下(もと)へと戻ることにした。



(※)靖國神社ホームページ解説文より抜粋して引用。
(明治天皇は新政府軍の指揮者でしたので、戊辰戦争においては討幕派の方々のみが英霊として眠っていると付け加えさせてください。)




written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

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靖国神社のある九段下(くだんした)と言えば、駅を出てすぐに日本武道館があります。
ライブやイベントで行かれる方も多いと思いますが、昭和39年の開館後の演舞始めの儀では、弓道、相撲、剣道、柔道が行われたとあります。
実はその中の相撲って、タケミカヅチと、長野の諏訪大社に代表されるタケミナカタ(大国主の子)によって始まったとされています。(『出雲の国譲り』)

とある神社でそんなタケミナカタさんにお会いした時にこう言われました。
「あなた達のお陰で、私たちの世界も軽くなってきている。」

ツインレイが統合するということ。それは私自身のプレアデスの父からも言われた通り、多くの宇宙存在にとっての悲願であり希望です。
(だから神々が応援してくれるわけで、今さらですが、エゴ的な恋愛成就を叶えたりするのとツインレイに力添えするのとは高次元的にも訳が違うと、改めてわかっていただけると思います。)

そしてもし武道館に行く機会があれば是非、靖国神社にもお詣りしてみてください。

「曇りなき心眼で確かめてみてください。」と、私のハイヤーセルフのたった今の伝言も記しておきたいと思います。

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→第234話 戦争は無くならない

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