見出し画像

第115話 ミイラ取りがミイラ



 四次元の、光と闇とを混同していた。

 このころの私はまだ、あれほど毎回集合意識の闇と闘ったりもしてきたのに、それでも“そのこと”を混同していた。日々内観し精査して、一つ一つを確認すればするほど逆に、高次四次元体であっても全てが怪しく思えてきた。

 夢の中で闇と闘い闇へと愛を込めたあと、次に場面が変わって見えたのは、体育館の高さくらいの石膏のような聖母マリア。
 本来だったらミカエルと共に出てくることが多いマリアは、今となっては黒目のない眼(まなこ)のままで冷たく下界を見下ろしていて、さっきまで一緒に闘っていたというのにヒヤッとしたものを感じた。

 それからまた別の日には、私を不安にしようとするけーこと、その後ろには黒い色をした騎龍観音(※)の姿がチラチラと見てとれた。

「ねぇひみ知ってる?
スサナル先生って今度引率で、グラビア撮影のお仕事現場に子供たち連れて行くんだって。あの先生も男だものね。
ねぇねぇお泊まりなんだってー。そのままお部屋まで行っちゃったりして。

……ふーん、そうだよね、そうだよね。ひみだってきっと不安だよね。
じゃあひみにいい物取ってきてあげる。ちょっとだけ待っててね。」

 そう言ってけーこが部屋を出ていった後、床をよく見てみると、カーペットの下やクッションの中など、あちこちから忍者が使う撒菱(まきびし)のようなものが見つかった。


 もういい加減、あらゆる四次元に懲りていた。 夢とはいえ、あんなことを吹聴してくるけーこ自体への不信感も生まれたけど、それより何よりけーこのことも後ろで操っているであろう四次元という存在全て、信じられない物へとなった。
 ウエサクで心に潮が引いたのは、やっぱり間違いではなかったんだとの確信を得ると、それから家の中で一番大きなゴミ袋を取り出した。

 今まで作ってきた切り絵とその原画、神社のお守りやご朱印帳に、天使のポストカードなど。あらゆる物を詰め込むと、もう二度と、四次元の神々には関わらないと心に決めて、それらの全てを処分した。

 これからは、ハイヤーセルフのみを中心に据えて、私はこのサイレントを乗り切っていこう。

……

 私が初めてツインレイという存在を知ったのは、今からもう四年近くも前のこと。

 その時出会った最初のツインレイサイトの教えで闇を視ることを学び、ここまで練習を重ね、四次元にだって光と闇の側面があると散々教わってきたのというのに、この時の私は闇に飲まれていた。
 慎重を期して四次元を視て、自ら答えを出してわかったつもりが、結果、却ってそこが仇となった。
 この時じわじわと私の夢に潜入してきた低層四次元の闇は、私と高次四次元との間に不協和音を響かせることに成功した。

 神、天使、仏など……。それらとの切り離しに全く不安がなかったわけではなく、この後もその時その時で揺り戻されることは多々あった。
 だけど結果として、私は概ね四次元全てに“不信感”を抱いた訳で、そういう意味では闇の目論見は大成功したということになる。

 それでもハイヤーセルフからしたら、私が“転ぶ”ということは、私の学びの必修科目であるため最初から全て織り込み済み。
 例え手痛い失敗でも、“何でも自ら経験させる”のが、それでも高次元というものなのだ。

 こうして盛大に勘違いをし、高次四次元からの光のサポートを受け取ることを拒絶した私は、ハイヤーセルフという命綱だけを頼りにさらに深くへと潜っていった。


※騎龍観音(きりゅうかんのん)……龍神の、頭やら背やらに乗っている観音様




written by ひみ

⭐︎⭐︎⭐︎

実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

⭐︎⭐︎⭐︎

・・・という理由から、今までのヘッダーに素戔嗚尊や武甕槌の切り絵がなかった訳なんですよ。

スマホの画像も全て処分していたのだけど、市杵島姫と瀬織津姫の二柱に関してだけ、なんとけーことのLINE画像に埋没していたのを救い出せたというね。そしてその意味はまた大きいの。
(特に市杵島姫作った時は、私のためにノリノリでやって来てくれた!そのお役目がね、すごいのです。)

時期が来たら、こちらの二柱はもしかしたら画像販売するかもです。その時は降ろしたメッセージもつけますね。

⭐︎⭐︎⭐︎

←今までのお話はこちら

→第116話 透明な愛の在り処

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?