第91話 航海に馳せる夢
あれから一週間が経とうとしていた。
「ツインレイをやめない」と決心してはみたものの、未だたくさんの先生との思い出が亡霊のように私を支配していた。最後の最後に私の寒さを気遣うなんて、あの人の優しさは罪だと思った。
昨日だって起きる時に、夢の中で先生から「待っていてね。」と言われうっかり喜んでしまって、その反動から日中は悲しみが襲いかかってきてどうしようもなかった。
そんな中でも、旦那と一緒にいた時の部屋に強烈な違和感を感じ始めていた私は、15年使ってへたれてしまったソファーやお揃いだったベッドの買い替えも徐々に始めることにした。
それらが視界に入った時の、「ああ、これは旦那とこの時に買って」とか、「これは旦那がこの辺にビールをひっかけて」とか、そういう記憶に纏わりつくエネルギーが一つ一つ不愉快だった。
いくつかの買い物へはけーこと一緒に出かけた。お店を何軒も回っても気にいるものが無かったり、あるいはさすがに桁違いの物もあったりとそれなりに難しさを感じていたし、二人でそのままホームセンターのわんこに捕まって、動けなくなってしまうなんていうこともあった。
それでも、どれだけ時間をかけても自分の気持ちに嘘つかないで、本心から欲しいものを選ぼうと決めていた。あきらと二人で暮らしているとはいえ、“自分自身が求める感覚”を尊重することを、この機会に練習しようと思ったのだ。
そうやって試行錯誤しながら店舗やネットを見ていった中、とあるサイトで金色の船の置物を見つけた。
美しいガラスと繊細な金色でできた、手のひらの半分くらいの小さな帆船(はんせん)。ちょうどあきらの副賞だった遊覧船乗船をきっかけに、それまで興味がなかったはずの船に急に惹かれるものを感じて、一目惚れの勢いで買ってしまった。
白い小箱から取り出してベッドサイドに置いてみると、金属もガラスもキラキラと反射して美しい。角度を変えて眺めているだけで、どこか遠い海の上へと、まるで現実逃避の旅に連れ出してくれるような感じがした。
それからさらに一週間ほどが経ち、見つけたツインレイサイトは有料記事も含めて二周目を読み切って、自らの血肉とするため三周目に突入していた。
人は、例えUFOなどのあり得ない物を目撃したとしても、時間と共に記憶を書き換え“まとも人間フィルター”を作って、見た記憶すらなかったことにしてしまえる生き物。自分にとって大切に覚えておきたいこと、学んでいきたいことは、定着するまで繰り返す。ましてサイレント突破なんていう、先達(せんだつ)無くしては難しい道への挑戦ならば、結局のところはそれが一番近道なのだ。
『毎瞬毎瞬、自分の気分を良くしておくこと。』
そうすると、リラックスして空いたスペースの分、エネルギーがたくさん流れ込んでくるのだとそのサイトは教えてくれる。そして読み込むたびに段々と、それがとても大切なのだと腑に落ちてくる。
自分の感覚を研ぎ澄ませるように深呼吸すると、ありったけの笑顔を込めて、スサナル先生にニコニコマークを送ってみる。
するとなぜだか自分の意思に反して、どこから現れたのか婚約指輪が入った箱まで一緒に先生の元に送ってしまった。だけどまだ、その箱が開かないことはわかっていた。
愛する気持ちは胸にしまって、赤い糸の繋がりだけは残して。それなのに足がすくんでガタガタ怖くて仕方がない。
それでも今はたった一人、この道へ飛び込むのだと覚悟をすると、船はやがて向きを変え、“故郷への帰り道”への進路を取った。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
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定期的に家の中の物を点検するのは、その時のエネルギーレベルに不必要な物を取り除くためにも有効です。
私はとにかく、申し訳ないけど人からの頂き物などが苦手で、使うたび目につくたびに、「○○から貰った物」、「○○の時のおまけ」など、余計な思考が働くことが煩わしくて駄目なんです。そういう意味で、リサイクルショップも苦手。
けーこは人のエネルギーぶった斬るのも得意なのもあって、フリマもリサイクルもまったく平気だけど、
私は生者の念より死者のほうが楽w
リサイクルショップの服着るよりは、夜の墓行くほうがマシかも笑
さて。
昨日予告していました、BUMP OF CHICKENのシリウスですが、ハイヤーマインドを働かせながら内容を“読んで”みたでしょうか?
霊的なアクティベーションの練習にもなるので、私の答えに囚われず、ご自分なりの読み解きをしてみてくださいね。
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