マリと開運と私 2022/12/31 はじまり
物心つく頃には私は宇宙人の存在を信じていた。
それどころか、自分は宇宙人から実験台として人間に預けられている何かなのかもしれないと思っていた。
なぜか、母親のことは実の母のような気がせず、世間的に私の母となっている人は、宇宙人から頼まれて私を育てているのかもしれないと思っていた。
母子家庭で団地住まいの、2人暮らしの狭い家の中で、母が1人になることができるのは、お風呂に入るときだけだった。
その時間が宇宙人に私のことを報告する時間なのではないかと思っていた。
部屋のどこかには