どうして言いたいことが言えないの? 人間関係がラクになる“正しい境界線(バウンダリー)”の引き方-山本美穂子

#読書記録 2021.01.23 6冊目

■ざっくりとした本の内容
・日本人は、欧米人に比べて、個の概念が薄い。
・人から何かを頼まれて、NOが言えなかった経験→正しい境界線が引かれていないということ。
・自分の気持ちも相手の気持ちも大事にして、お互い気持ちのいい関係性を築くことが、正しい境界線。
・この境界線の引き方について論じる本。

■この本を読んで感じたこと
・この本は、何か自分が現在の状況に障害を感じたときに、「自分が過去に経験したキズ」に着目して、「過去の自分に何があって、このように感じているのか」を振り返ることを推奨している。
私は、過去に何を経験しても「今は今」だと割り切っている。過去に何があろうと、今すぐにでも自分の考え方はを変えることができる。行動を変えることができる。
「過去に私はこんなことがあったから、この目の前の出来事で怒りを感じていても仕方ない」というような、過去に原因を求める考え方は、私は私自身への言い訳であると考えているので、この本が推奨する「過去の経験に着目する」作業は、自分には当てはまらないと感じた。

・自分の感情を揺さぶる出来事があったときに「心の中で何が起きているか」「肉体的に何が起きているか」に着目することで、状況が客観的に見られる。

これは共感できると感じた。自分が困難な状況に陥ったときに、「自分はなぜ怒りを感じているのか?」「何のために(何を達成しようとして)怒りを感じているのか」を考えることは、一旦落ち着く目的という意味でも、習慣化したほうがいい行動だと私は考える。
もちろん、毎回できるわけではなく、感情をそのまま相手にぶつけてしまうこともあるのだが・・・精進しないと。

・ドローバウンダリー(外的要因)による影響を受けたら、セットバウンダリー(その要因を受けて心の中を仕分ける)を行い、自分にとって快いセットバウンダリーを引き直す

私は、「嫌だと思ったら、その嫌だと思ったことを相手に伝える」ことを心がけています。私の人生は私だけのもので、私にはその人生をよりよいものに変えていく責任があると考えます。だから、嫌なのにそれを言うと軋轢が生まれるからといって我慢することは、私の人生に対して失礼だと考えています。
また、この本にも「相手をやジャイアン化させないためにNOを言う」と書かれていますが、これは本当に同意できることで、相手にNOを伝えないことで、その人はずっと私や他の人に対して「嫌だ」と思われる可能性がある行動をとっていることに気づかない。これは、この人にとっても、社会にとっても損失だと私は考えます。

相手からはじかれる感覚(=合わない)を感じると言うことは、今までの自分にはできていなかった点に気づく飛躍のチャンス。新しいやり方にチャレンジしているチャンスでもあります。
出典 どうして言いたいことが言えないの? 人間関係がラクになる“正しい境界線(バウンダリー)”の引き方-山本美穂子(102ページ)

・この考え方は好きだなあと思いました!何事も、チャンスと捉えるか、ピンチと捉えるかは自分次第。私も、人から不快なことを言われたときや、「この人、嫌だなあ」と感じたときに、「この人から学べることは何か?」「自分ではできていなかったことは?」「自分がわかっていなかったことは?」と自分に問いかけ、自分をアップデートし続けたいと思います。

つまり、バウンダリーを引くには、違和感を抱いたほうから行動を起こさない限り、関係性を変えることはできないということです。
出典 どうして言いたいことが言えないの? 人間関係がラクになる“正しい境界線(バウンダリー)”の引き方-山本美穂子(145ページ)

・「相手に思っていることを伝えない」選択で、現状を変えることはできないと、私は考えます。もちろん、時間が解決してくれることも、環境や条件が変わって解決することもあります。ただ、私の人生は有限なので、なるべく早く快いものにしたい!そのため、ちゃんと気づいたことは相手に伝えて行こうと思います。もちろん言い方には気をつけなければならないいけど、その上で相手がどう思うか、私に対してどんな感情を抱くかは私に解決できるものではないので、私の感知するものではないと認識します。アドラー心理学の「他人と自分の課題を分ける」考え方です。
ただ、「相手にそれを伝えない」ことも選択肢のうちの一つなので、それを選択することもあります。言っても意味のない相手(絶対に状況を改善できる見込みのない人間)に、自分がどれだけ言葉を尽くして時間を遣っても、私の時間の浪費になってしまいます。
このケースは「言えなかった」のではなく「言わなかった」というもので、私の意思決定の一つだと考えます。

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