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21卒(博士)と16卒(修士)の就職活動を経験して思うこと (2/3)

 21卒(博士)としての就活と16卒(修士)としての就活を経験したことで感じた様々を記録して投稿する。三編に分けたため、本題が気になる方は後日公開予定の(3/3)をお待ちいただきたい。

2020/12/7追記:「アカリク アドベントカレンダー」に参加しました。
https://adventar.org/calendars/5534

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(1/3) 21卒就職活動の前半戦 (コンサル&ベンチャー)

(2/3) 21卒就職活動の後半戦 (広報活動の解禁頃)

 -2020年1月-

 -2020年2月-

 -2020年3月-

 -2020年6月-

(3/3) 16卒(修士)と21卒(博士)を経験して思うこと

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-2020年1月-

 2020年1月頃からの就職活動について記録していきたい。コンサルの量的な壁とベンチャー企業の質的な壁に衝突した私は、人材紹介系の会社に興味を持つと同時に求人情報サービスや転職支援サービスに登録した。すべて合わせると10社近くになると思う。登録したことによって幅広く情報を受動的にもキャッチすることが出来るようになり、視野も広がったように思う。

 私は勤務経験のある学生であるため、後輩学生から就職活動について相談される機会が多く、また相談に乗ることが好きであった。この経験のスケールアップとして人材紹介系の会社を検討するようになった。また、働いていたときに感じた人材の流動性の低さが個人と組織の成長を抑制しているように感じていたことも検討のきっかけのひとつである。

 しかし、自分自身がそういったサービスに登録したことで少しずつ想いは変化した。登録した人材情報を基にして担当者や転職エージェントから求人情報が毎日3、4件送られてくる。私にとってそれらはとにかく無機質に感じられた。これは求人情報の提供者の問題ではなく、そういった状態になりやすい業態なのだと思う。規模の大きい求職者マッチングサービスの始まりは全て無機質にならざるを得ないのだと感じた。

 無機質と感じるものの、なかには魅力的な求人も存在する。年収、勤務地、募集職種、必要とする即戦力求人など、企業の現状が垣間見れるような様々な情報を入手することができた。

 私は新卒での就職活動が納得できないものとなった場合にそれらの求人情報を参考にして、サービスを利用した就職活動を行うことを考えていたため、この時期に実際に行動に移すことは無かったが、毎日受け取る求人情報が就職活動のモチベーションの一部を形成していたことは間違いない。各サービスに対して受けた印象や私の利用方法については別のnoteで投稿したい。


-2020年2月-

 2020年2月になると偶然ではあったが、技術系のリタイアされた世代の方とお話する機会が訪れた。これが私にとって就職活動の方針を決定的にすることになった。

 私は話を伺うことに一切飽きず、技術の歴史に感動し、これからの技術に期待する気持ちに溢れていることに気がついた。長年にわたって技術開発に貢献し、社会を豊かにしてきた方への憧れの蓋が開いた感覚に落ちるとともに、私は技術系の就職活動を決意した。

 紆余曲折を経て、王道を進むこととした。王道と表現すれば聞こえは良いが、博士の学位を取得するために退職したにも関わらず、元の道に戻ることに多少の抵抗は拭いきれずにいる自分も確かに居た。

 

-2020年3月-

 2020年3月になると世界中が新型コロナ感染症に悩まされた。その影響は就職活動にもパラダイムシフトを呼び起こした。会社説明会は軒並み中止となり、オンライン説明会が緊急的に実施された。私が受けた全ての企業の説明資料の最後は感染症の影響で採用予定人数は変わらないという締めであった。

 このオンライン説明会は当然良い点と悪い点があった。どちらかと言えば、良い点が多かったと私は思う。最も良い点としては、会場へ移動する必要がないということである。そのため、研究の合間に説明を聞くことができ、上手くやれば並行して複数の企業の説明を同時に受けることができる。また、録画等を禁止する企業もあるが、アーカイブを残す企業もあり、何度も見返すことができる魅力がある。従来型の対面式ではその場で必死にメモを取ることに追われるが、アーカイブがあることで説明資料の隅々まで自分のタイミングで目を通すことができるのだ。

 一方で、悪い点は2つ。1つ目は、人と人が対面するときに感じる直感や肌感、雰囲気と呼ばれるものを感じないことである。非科学的であるが、今後40年近く働く可能性のある会社で働いている人から感じられるものがある。また、選考する企業側としても学生から直接受ける印象は大事であろうともう。

 2つ目は質疑応答についてである。対面式では挙手して質問し、直ぐに答えをいただくことになるが、オンラインでは基本的にはチャット質問であることが多かった。多量の質問が飛び交い、企業側はできるだけ全てに対応しようとするがなかなかそうはいかない。そのため質問の質が上がっているかというとそんなこともない。企業側が回答しやすいような質問が選ばれ、答えにくい質問は見ないふりをすることが出来ると感じたし、実際にそういった場面は散見された。

 オンラインによる説明会によって、従来型よりも多くの説明会に参加することができたことで、提出したエントリーシートの数も多くなった。また、感染症の影響で採用倍率が上がるのではないか、企業とのミスマッチングを防ぐためにも母数を増やした方がいいと判断したことも影響していたと思う。

 この時期には、夏や冬のインターンシップに参加していた後輩学生は既に内々定が出ていた。この現状は非常に良くないと感じた。秋の学会に向けて、インターンより研究に時間を費やした学生は就活で大幅に不利な状況に陥り、研究はほどほどにインターンに参加していた学生は非常に有利な状況で、落ち着いた心境でこの時期を過ごしていたことであろう。このままでは大学院でさえ、就活予備校化してしまう。大学は企業に学生を輩出することが本来の目的であろうか。この国の研究力の向上には大学の研究力を成長、少なくとも維持する工夫が産官学が互いを守り、互いに保証する必要があると私は思う。

 インターンでのわずかな選考と数日間業務は大きな差を生んだ。企業側は採用枠を確保できたことだろう。学生側は他の企業の顔が見えないなか、少しでも経験のある企業を選択したことだろう。企業と学生のマッチングは大丈夫なのだろうか。学生の未来が心配である。

 2020年3月から4月にかけてはテストセンター、Webテストが大きな負荷であった。これらのテストは点数や正答率が開示されない。また、解答によって難易度が変化するものもある。どれだけ準備しても満足を得ることは難しいだろう。これから就活を控えている方々は、大学院生であっても日々の時間のなかで気分転換程度にこれらのテストの準備に取組むことをオススメしたい。また、これらのテストに対して感じた様々は別のnoteで投稿したい。

 4月に入ると半分くらいの企業からESの結果が返ってきて、面談という名の選考が始まる。これらの面談もオンラインである。また、元から計画していたかは分からないが動画選考を実施する企業も数社あった。

 また、私はOB訪問はひとつも出来なかった。4月第一週には全国的に緊急事態宣言が出され、人との接触を出来るだけ避けるよう要請が出たこともあるが、とにかく此度の感染症の影響で人と合うことに躊躇いがあったためである。そのため、とにかく各社に対するミスマッチングへの不安が募っていたため、すべての企業に平等に偏見無く謙虚に選考を受けることしか出来なかった。

 オンラインによる選考を含む面談の大きな特徴は、面談の環境を自分自身で設定できることである。従来の対面式では、初めて行く土地の初めて入るビルで想定できない机や椅子という環境のなか面談をしなければならない。これまでの当たり前が変わったのである。学生の多くは自分の部屋で、自分の机と椅子で面談をしたことだろう。

 ESを想定より多く提出した私は、各社に対する志望動機をESに書いたとおりに面談で話すことが出来るかとにかく心配をしていた。私は手元にESを置くことにした。対面型では考えられないことである。手元にESを広げながら面談を受けたのである。面談中にESに目を向けることは無かったが、この行為によって心配は軽減され、自分らしく自分の言葉で面談をすることが出来た。

 オンライン面談の視線というものはカメラを一点集中していることが少ない。意識していないとカメラ一点集中とはならない。画面に映る面接官の顔を見れば、こちらの目線はカメラとはズレるし、企業側から指定される面談ソフトによっては自分自身の顔が映り、その顔を見てしまうこともある。

 面接官も常にこちらを見ているわけではない様な気がした。やはり画面をみているのか、慣れていない方式であってカメラを意識していない方が多いように思った。

 手元にESを広げそれを読むようなことは決してオススメしないが、心配軽減材料として御守り的に置いておくことは自身の経験からオススメしたいと思う。加えて、とにかく自分自身が自分らしくいられる環境を丁寧に設定して面談に臨むことが可能であるというのがオンライン面談の特徴である。


-2020年6月-

 6月は政府主導の採用選考指針としての選考解禁となる。そして今年の6月はじめは東京都でも緊急事態宣言が解除されたタイミングであった。

 もちろん選考活動は6月以前に各社のスケジュールで進んでおり、私もいくつかの企業からいわゆる内々定をいただいていた。しかし、本来のスケジュールであったか、緊急事態宣言解除の影響かは判断できないが、3月に提出したESの返事が6月に入って返ってきた。ESの内容もほとんど薄れているようなタイミングであり、内定受諾先を決心しようとしていた矢先のことであった。ES提出から返事の無かった企業は"サイレントお祈り"で選考漏れしていたと思っていたが、その通りの企業もあればそうでない結果もあったのだ。

 6月に入ってから返信のあった企業は国内有数の大企業である印象を受けた。これは選考が遅くなったとしても採用活動や会社への影響が少ないのかと思われた。真実はもちろん分からないが、長期間連絡を受けることが無かったという事実は私にとってその会社への印象が大きく変化したことには違いない。

 そして2020年6月現在、私は未だ就職活動中である。6月中に起きたこと、思ったことについては追記していく予定である。


(つづく) → (3/3) 16卒(修士)と21卒(博士)を経験して感じた様々


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