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製紙工場を見学してきました! 〜北越コーポレーション(株)新潟工場〜

メディックメディア メディカルイラストレーターグループ(MIG)のエイリアンです。
最近は貨物列車のグッズを集めています。

私たち出版社にとって、切っても切れない関係にあるのが「」。とりわけ絵を描く人であれば、一度は紙というものに興味を持ったことがあるのではないかと思います。
ところで、紙ってどんな工程を経て作られるか、知っていますか?

「紙作り」に対するエイリアンのふんわりした知識とイメージ

私自身、紙の原料が木(チップ)で、そこからパルプが作られて…という知識はざっくりあるものの、具体的にどんな順序で作られて、最終的に出荷されるかということまでは想像が及びませんでした。
この度、お世話になっている用紙代理店さんのお取り計らいで、メディックメディア書籍の用紙の多くを使わせていただいている北越コーポレーション株式会社様の新潟工場に見学に行ってきましたので、その様子を紹介します!

工場到着! まず目に入ったのは…

東京から新潟までは新幹線で2時間。新潟工場は、新潟駅から車で約10分の場所にあります。周囲は住宅街で目の前は中学校という立地で、東京ドーム13個分を超える広い敷地の工場が立っています。北越コーポレーション様のなかでも最も広い工場だそうです。

ご案内いただいた建物に入ると、入口のショーケースにメディックメディアの書籍を発見!

左から『クエスチョン・バンク臨床検査技師』『かんごろ』『病気がみえるvol.11 』。
いずれも、北越コーポレーション様の用紙を使っています

参加メンバー一同テンションが上がったところで、会議室に移動して新潟工場の方より工場の概要をご説明いただきました。
「製紙工場」というと、一般的なイメージとしてはおそらく「水をたくさん使いそう」「ボイラーを動かすのに、燃料もたくさん使いそう」というところで、周囲の環境への影響は大丈夫なのかな?と思いがちですが、新潟工場で使われる水はほぼ全て再利用されており(一部は蒸気として排出)、燃料の7割以上はチップから木材繊維を採取したあとに出る黒液(バイオマス燃料)を使用していて、極めてエコな仕組みになっているそうです。
住宅街に囲まれた立地が示す通り、とても環境に配慮された設備になっていることがわかりました。

説明のあとは、マイクロバスに乗っていよいよ敷地内の見学スタートです!
※場内は写真撮影NGのため、以下はイラストと北越コーポレーション様にご提供いただいた写真でお送りします。

最初の見学スポットはチップヤード。新潟東港に船で届いたチップを、大型トラックで輸送してきて保管するための場所です。
1日分の製紙に使用するチップが置かれているのだそうですが、ビルの建設現場かな…?と思うくらいのチップの山で驚きました。港にはこの30倍の量を保管するチップヤードがあるとのことで、さらにびっくり。

トラックごと持ち上げてチップを取り出す様子はダイナミックでした
構内チップヤードとパルプ生産設備 ※北越コーポレーションより提供

続いては、パルプを紙にする(抄紙)マシンを見学させていただきます。
この日の新潟の気温は24度でしたが、工場の建屋内は30度ほどと高め。というのも、パルプは抄紙機に送られる段階では水に溶けたドロドロの状態であり、全体の97%は水分で、それを脱水したのち高温のドライヤーで乾燥させて紙にするのだそうです。
そんな暑さと湿度の中でお仕事するなんて大変そうだな、と思っていたのですが…。

工場内に人が…いない?

建屋はおよそ3階建てくらいの高さで、奥行きが極めて長い巨大なアリーナのようで、その中に幅10m、全長200m超にも及ぶ1台のマシンが動いていました。そして、働いている方の姿がほとんど見当たりませんでした。

9号抄紙機 ※北越コーポレーションより提供

「マシンに異常があったり、紙の品質にエラーが出たりしたときのために、マシンの近くで監視しているんじゃないのかな?」と思っていたところ、それらは多くのセンサーで監視されていて、別室の担当者のもとにデータが送られているのだそうです。

今回工場見学に伺うまで、「抄紙は工程ごとにマシンが分かれていて、エリアを移動して行うのかな?」というイメージを持っていたので、パルプのシート化、脱水、乾燥、塗工、プレス、巻き取りまで1つのマシンで行っているのは驚きでした。

工程の最後で巻き取られた紙は、所定の幅や長さに巻き取り直したり、平判(規格に応じた長方形)にカットしたりして製品に加工されます。
ロール状になった紙を、「これ1ロールで、『病気がみえる』およそ20,000冊分です!」と教えていただいたときには、「この量の紙が私たちの本になるんだ…!」と実感が湧き、印刷工程以前にこれだけの手がかかっていることを知って、謙虚な気持ちになりました。

工場から関東まで鉄道輸送!

工場内にはコンテナ輸送用の貨物支線が敷かれており、関東圏にそのまま鉄道輸送できるようになっていました。用紙の銘柄が描かれたコンテナを使用しており、メディックメディアの書籍でも使用している銘柄を見つけてテンションが上がりました。

コンテナ ※北越コーポレーションより提供
聞き捨てならない情報を教えていただいた

というわけで、東京に戻ってから個人的に購入しました

かわいい。機関車と貨車と線路も要るな…(沼)

デスクに飾って、新潟工場で作られた紙が東京へ運ばれてくる行程に思いを馳せながら仕事したいと思います。
北越コーポレーションの皆様、ありがとうございました。初めて知ることがたくさんあって、勉強になりました!

見学の最後に記念撮影の写真をいただきました


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