ロキソニンという薬
皆様「ロキソニン」という薬を知っていますか。
とても知名度が高く万能な薬なので、
常にバッグに入っていたり、
毎月医療機関でもらう方も多いのではないでしょうか。
解熱鎮痛剤として知られているロキソニン。
発熱時の解熱剤として使われる他、
歯痛に頭痛、生理痛に関節痛と、
ほとんどの痛みに何でも来いの薬です。
今回は
の三つについて書こうと思います。
〇注意が必要な事
・妊娠後期(28週以降)の人
胎児動脈管という赤ちゃんの大きな血管を収縮させてしまい、赤ちゃんの心臓や血圧に異常が出る事で、最悪の場合赤ちゃんが死んでしまいます。
この傾向は妊娠28週以降の症例が多く、妊娠28週未満の方にはやむを得ない場合のみ使われる事があります。
しかしその場合でも、腎機能低下や尿量減少のリスクがあり、結果子宮内の羊水が通常より少なくなってしまう恐れがあるので、避けることが原則とされています。
この場合の代替薬としては、「カロナール」という解熱鎮痛剤が第一選択として使われる事が多く、慢性頭痛などでしばらく飲む事が予想される場合は「呉茱萸湯」という漢方が知られています。
・胃が痛い人
ロキソニンの有効成分は、胃粘膜を弱くしてしまう副作用があります。
以前売り場で実際に対応した患者さんで、
と仰った方がいました。
ロキソニンの注意点として、胃粘膜を弱くするにも関わらず、多少の胃の痛みなら鎮痛してしまう事があります。
最初は効いていると錯覚している内に、逆にどんどん胃を傷付ける結果となってしまった例です。
前提知識として胃を荒らす副作用を知っていれば、このような悪循環を防げます。
胃の痛みは、胃薬を飲みましょう。
元々胃潰瘍の方はもちろん禁忌です。
胃もたれがある方や元々胃が弱い方は、
解熱鎮痛剤は「カロナール」という薬に変更する事が多いです。こちらは胃粘膜を弱める副作用がないです。
・アスピリンアレルギーの方
ロキソニンはNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛剤の一種で、服用時にアレルギーで喘息発作を起こす方が一定数います。一度解熱鎮痛剤で発作が出た事がある人は、服用しないように注意が必要です。
・腎臓、肝臓、心臓、血液異常のある人
こちらはかなり検査値に左右されるので、主治医の判断に従う事になります。軽度な方は服用する事も多いですが、無下に飲むのは避けましょう。
〇一般的な用法・用量
最高血中濃度は30分前後で到達
→だいたい30分で最大効果になります
半減期は1時間15分
→効き目は1時間15分毎に半分の力になる
1日の活動時間を3回に分けるので、
4~6時間あけて服用するように伝える事が多いです。
胃への副作用を軽減する為に、
食後に多めの水で服用するとより良いです。
副作用防止に胃粘膜を保護する薬も一緒に処方されることも多いです。
〇カロナールとの比較
カロナールも有名な解熱鎮痛剤の一つです。
どこが違うか比較してみましょう。
・消炎作用があるかどうか
ロキソニンには炎症をおさえる作用がありますが、カロナールにはないとされています。
その為、炎症を伴う痛みにはロキソニンが優先され、炎症を伴わない痛みは安全性の点からカロナールが選択される傾向にあります。
・安全性の違い
小児や妊婦、授乳婦にはロキソニンよりもカロナールの方がより安全とされています。
また、先述した胃への副作用に関しても、カロナールはほとんどないとされています。
・代謝経路の違い
代謝経路は簡単に言うと薬の処理方法です。
カロナールは肝臓に負担をかける割合が大きく、ロキソニンはどちらかというと腎臓に負担をかける割合が大きいです。
肝機能障害、腎機能障害がある方はそれも加味して医師が処方薬を選択する場合があります。
以上、3つの点からロキソニンについて解説してみました。
普段何気なく飲んでいる薬でも、
意外と知らなかった知識もあったのではないでしょうか。
現場からの話は新鮮で思ったより為になったりするかもしれません。
またのよければ覗いてください。
リクエストの薬、病気等あれば教えてください。
それではノシ
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