勉強会やミーティングを活性化する『グランドルール』の作り方とその活用法

クリニックのチーム作りにつながるコミュニケーションに関連したことを書いています。

今回は、ミーティングや勉強会を活性化する『グランドルール』がテーマです。

チーム間のコミュニケーション問題、どうしていますか?

お互いの意見や想いを率直に言い合えたらいいと考えているけれど・・・
いざ、改めて対話をしようとなるとハードルが高いと思われるかもしれません。
みんなが好き勝手なことを言ってコントロール不能になったら?
とか、一方的な発信と違って時間管理がしにくいのではないか?
など、対話によって起こる不都合を想像してしまします。

しかし、実はスタッフの声を聴いていない状態は、スタッフの状況とそのスタッフが対応している患者さんのことを把握できていないということです。
それは「突然何かが起こるかもしれない」という危うい状態です。 例えば、突然スタッフが辞めたいと言い出したり、思いがけないことで患者さんからクレームを受けたりといったことです。
もちろん、ふだんからスタッフの声を聴いていたからと言って何も起こらないということではありません。 けれども対話によって関係性が築けていることで、なるべく角を立てずに穏便に問題解決できるということは想像できます。

勉強会のグランドルールとは?

関係作りにつながる対話をするときの決めごとを言語化したものが、今回ご紹介する『グランドルール』です。 院内勉強会で活用していただくと、対話ができる場作りと学習、両方の目的にかなうことができます。

今回は、勉強会ではじめにメンバーに対して掲げる『グランドルール』のサンプルをご紹介しますが、ミーティングや普段のコミュニケーションにもそのまま活かせるものです。

ルールがあるといいですよね。
最初に必ずルールを指さし確認しています。

医院で継続的に勉強会をしているところの院長先生がこのようにおっしゃいました。

勉強会のルールというのは、あらかじめ参加者に提示して、参加者の態度そろえるためのものです。
とはいえ堅苦しいものではありません。 参加者にとって「あったほうがいい、安心して発言できる」と思える共通認識を、勉強会の目的と紐づけて言語化したもの、
「○○という目的のためにこうしようね」というイメージです。

大事なのは○○にあたる目的のところで、参加者にとって魅力的な目的にしましょう。
ではどのような目的にしたら良いかということですが、穴埋め式で次の○○に当たる部分を考えてみてください。

みんなで一緒に○○になるために勉強会をしよう。

○○のところは、メンバーのみんなが嬉しい未来であれば良くて、
シンプルに「いまよりもっと良くなるために」でもよいと思います。

目的が決まれば、その目的の達成につながる勉強会にふさわしい、一人ひとりの「態度」がその場のグランドルールということになります。

例えば、私がクライアントのクリニックに提案するのはこのようなものです。

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グランドルールの役割

3つのルールは、コミュニケーションの土台となる大事な要素を盛り込んでいて、参加者の内にある本当の望みを呼び覚ますものです。

もちろんルールとして示したからといって、だれもがすぐにできるようになるというものではないとおもいます。
簡単でないからこそ「わたしたちはこうありたいんだ」という理想の在り方を言葉にして共有することに意味があると私は考えています。
「勉強会の時間はみんなで意識してやってみようよ」
「自分たちの意志でこの場を安全安心な場にするよ」
というメッセージは、
「この人の話をもう少しよく聞いてみようかな」と、
自分の発言の前にいっとき立ち止まったり、
「言ってもいいかな」「言ってみよう」と、
発言をためらう気持ちから、一歩前に踏み出すことに背中を押してくれるからです。

グランドルールの活用法

このメッセージを最初に掲げる役割を担うのに最適なのは、チームのリーダー、クリニックであれば院長先生です。

リーダーがグランドルールを通して、みんなが嬉しいコミュニケーションの在り方を示してくれることで、メンバーは安心して少しづつでも歩みを進められます。

グランドルールを掲げた勉強会は、コミュニケーションのトレーニングの場でもあります。

継続的な勉強会を行うことは難しいと思われる方も、
こんどのミーティングは少し長めに時間をとって、可能であればお茶菓子なども用意して、
「今日はこんな感じでいきたいんだけれど」と
ためしにグランドルールの提案をしてみてください。

最後に、ミーティングを進行するリーダーの方におすすめの動画がありますのでよろしければご覧ください。

『勉強会のファシリテーターのためのガイド動画』https://vimeo.com/573347143/8ad34024c6

☆勉強会でコミュニケーションのトレーニングができる動画はこちらです
勉強会用のコンテンツ動画(運用ガイド付き)
http://clinic-communication.jp/

教材提供
㈱メディカル・ブランド・デザイン
http://medical-bd.com

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