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【オーストラリア】大手スーパー『Coles』もドローンデリバリー開始

オーストラリアの二大スーパーマーケットチェーンのひとつColes Groupの『Coles Supermarkets』がAlphabet(Googleの持株会社)傘下Wing Aviation社と提携し、首都キャンベラで食料品などのオンデマンド商用ドローンデリバリーサービス(drone delivery service)をトライアル(パイロット)として開始した。

前回『【フード宅配】ドローンデリバリーがUber Eatsに引導を渡すオーストラリア』を書いたばかりだが、オーストラリアのドローンデリバリーサービス拡大の勢いが止まらない。

尚、本稿では『Coles Supermarkets』のドローンデリバリー参戦ニュースのみを扱うこととする。オーストラリアのドローンデリバリーの概要、経済効果、コスト削減効果、環境負担(環境負荷)低減効果(ゼロエミッションあるいはカーボンニュートラル)、安全性などは前回の記事やマガジン『ドローンデリバリーの世界』の記事を参照されたい。

大手スーパーマーケットが参戦

オーストラリアの二大スーパーマーケットチェーンのひとつ『Coles』が遂にオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスに参戦した。前回の『ケンタッキーフライドチキン』(KFC)の参入に続きオーストラリアの小売業界にとって大ニュースである。

250品目以上の食料品を数分で配達

今回『Coles』はWing社のアプリとドローン宅配サービスプラットフォームを使用し、パン、生鮮食品、スナック、インスタント食品、ヘルスケア用品、キッチン用品、トイレットペーパーなど250品目以上の人気グロッサリーを注文から僅か数分でデリバリー(あるいは「宅配」または「配達」)する。

サービス時間とデリバリー範囲

トライアル(パイロット)期間でのドローンデリバリー対象地域はオーストラリア首都特別地域のCrace、Palmerston、Franklin、Harrison、Mitchell、Giralang、Kaleenの一部で、平日は8時から16時30分まで、週末は9時から16時までの日中がサービス時間となっている。極端な悪天候でない限り雨や霧でもドローンデリバリーは実行されるが、夜間は規制でドローンを飛行させることができない。

最低購入金額や配達料なし

ドローンデリバリーの最低購入金額の制約はなく、配達料金も無料であり、1回の注文で1.5kgまで購入できる。

メインネストで注文一括処理

『Coles』の注文は、アメリカのダラス・フォートワースで行われているマルチネストレットモデル(multiple nestlets model)による都市型ドローンデリバリーではなく、従来通りWing社の拠点(メインネスト)で一括処理される。

ドローンは自律飛行による自動運航

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現在オーストラリアでは25秒に1件のペースでドローンデリバリーが行われている。このドローンデリバリーは自律飛行による自動運航で行われ、1人のオペレーターがリモートで最大15機のデリバリードローンをモニタリングしている。現状は墜落などすることなく無事故を続けている。

今後5年以内に大きく拡大

シドニー大学(University of Sydney)のサプライチェーン専門家であるRico Merkert教授は、週単位のまとめ買いには向かないし、人口密集地の狭い集合住宅への受け渡しをどうするかなどの問題はあるが、スーパーマーケットなどによるドローンデリバリーサービスは5年以内に大きく普及すると見ている。

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