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ドローンデリバリーの世界

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エコでクリーンなドローンデリバリー(drone delivery)。ドローンデリバリーまたはドローン宅配、あるいはドローン配達、ドローン配送、ドローン輸送、ドローン運搬、ドローン… もっと読む
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【ドローン宅配】アメリカでの好感度は驚異の9割

世界初のオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスは、2017年イスラエルのFlytrex社によってアイスランドのレイキャビクで開始された。それから遅れること2年、Alphabet(Googleの持株会社)傘下のWing Aviation社がオーストラリアのキャンベラとローガン、フィンランドのヘルシンキ、アメリカのクリスチャンズバーグでドローン宅配サービスを開始したのは2019年のことになる。 ドローンデリバリーへの不安と期待新たなテクノロジーの導入には不安と期待が交錯する

【ファクトチェック】日本ファクトチェックセンターによる『「(動画)ドローン配送の普及が進まないのは鳥に襲われるから」は誤り』判定を検証

日本では新聞やテレビはもちろんドローン専門メディアにさえドローンに関する不正確あるいは不適切なミスリード記事(報道)が氾濫しています。その中の一部には風評被害に繋がるものも存在します。 ドローン専門メディアの編集長から記事に間違いがあったら教えてくださいと社交辞令の挨拶は受けていますが、現状あまりにも誤りが散見されるため極力見ないようにしているのがドローン後進国であり衰退途上国でもある日本の現状です。 もちろん、たまたま目に入ってしまった不正確あるいは不適切なドローン関連

【ドローンデリバリー】が環境イニシアチブ賞受賞

2017年にアイスランドの首都レイキャビクで世界初のオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスを開始したオンラインコマース企業Aha社(Aha.is)が、ドローンデリバリー(drone delivery)活用による環境負担(環境負荷)軽減への貢献でSA Confederation of Icelandic Enterpriseの「環境イニシアチブ賞」を受賞した(2021年10月7日付『Morgunblaðið』「Hamborgarar á flugi」)。 商用ドローンデリ

【カナダ】空港からのドローンデリバリー開始

カナダのドローン物流(drone logistics)企業Drone Delivery Canada(ドローンデリバリーカナダ)社はカナダの規制当局にあたるNAV CANADAの認可を受け、今年(2021年)12月(デモンストレーションの実施は3日)にエドモントン国際空港(EIA)からLeduc CountyのNisku商業地区への商用ドローンデリバリー(drone delivery)サービスを開始した。 空港を起点としたドローンデリバリー 通常カナダの空港周辺空域はドロ

【ドローンデリバリー】Amazonが脱落し、GoogleとWalmartが飛翔

Alphabet(Googleの持株会社)傘下Wing Aviation社は、人口760万人以上を有するアメリカ第4位の大都市圏(metropolitan statistical area)であるテキサス州のダラス・フォートワース複合都市圏(Dallas–Fort Worth metroplex)で2021年の秋からトライアル実施していたオンデマンド商用ドローンデリバリーサービス(drone delivery service)を先月(2022年4月)7日から本運用へと移行させ

【規制に挑む】Walmartドローンデリバリーを米国6州34拠点400万世帯へ拡大

世界最大のスーパーマーケットチェーン「Walmart」でお馴染み、アメリカに本社を置く世界最大の小売業者Walmart社は、提携するドローンデリバリーのスタートアップ企業DroneUp社とオンデマンド商用ドローンデリバリーサービスを年内にアリゾナ州、アーカンソー州、フロリダ州、テキサス州、ユタ州、バージニア州のアメリカ6州34拠点400万世帯へ拡大させると今月(2022年5月)24日に発表した。 アメリカではAlphabet(Googleの持株会社)傘下Wing Aviat

【ドローン宅配】大都市圏でのドローンデリバリーも好調

人口760万人以上を有するアメリカ第4位の大都市圏(metropolitan statistical area)であるテキサス州のダラス・フォートワース複合都市圏(Dallas–Fort Worth metroplex)で2021年の秋から開始されたAlphabet(Googleの持株会社)傘下Wing Aviation社によるオンデマンド商用ドローンデリバリーサービス(drone delivery service)が順調なスタートを切った。 これまでWing社などのドロー

【オーストラリア】大手スーパー『Coles』もドローンデリバリー開始

オーストラリアの二大スーパーマーケットチェーンのひとつColes Groupの『Coles Supermarkets』がAlphabet(Googleの持株会社)傘下Wing Aviation社と提携し、首都キャンベラで食料品などのオンデマンド商用ドローンデリバリーサービス(drone delivery service)をトライアル(パイロット)として開始した。 前回『【フード宅配】ドローンデリバリーがUber Eatsに引導を渡すオーストラリア』を書いたばかりだが、オース

【フード宅配】ドローンデリバリーがUber Eatsに引導を渡すオーストラリア

「Google傘下のドローン企業がオーストラリア首都特別地域とクイーンズランド州でオーストラリア初のフードドローンデリバリーを実現したことで、Uber Eatsを埃の中に置き去りにする」 (Drone company in Google stable leaves Uber Eats in dust with food delivery firsts in ACT, Qld) この刺激的かつアイロニーたっぷりな魅惑の一文は先月(2022年1月)27日付で『News.com.

【世界初】救急ドローン(AED搬送ドローン)がOHCA患者を救命

所謂「救急ドローン」(ambulance drone)と呼称される「AED搬送ドローン」(AED delivery drone)による救命救急サービス「Emergency Medical Aerial Delivery」の実用化(社会実装)に取り組んできたスウェーデンEverdrone社の自律型ドローンが2021年12月9日朝、雪掻きの最中に心臓発作を起こして院外心停止(OHCA)に陥ったトロルヘッタンの71歳男性にAED(自動体外式除細動器)を3分で届け、救急隊(EMS)が

【医療物資のドローン物流】 救急車より早い救急ドローン(AED搬送ドローン)

突然の心停止人が心停止に陥ったとき、脳死と死亡は僅か数分以内に起こる恐れがあり、病院外で発生した場合の生存率は極めて低い。EUでは年間80万人が突然の心停止に遭遇するが、そのうち生還できるのは僅か8%しかいない。 心停止から3分で脳死の恐れ心停止では1分経過する毎に救命率は約10%低下する。心停止から3分で脳の損傷が発生し、8分経過すると救命の可能性は極めて低くなる。救命率を上げるためには心肺蘇生法とAED(自動体外式除細動器)を用いた迅速な一次救命処置(BLS)が重要で

【医療物資のドローン物流】 コロナ禍で加速したドローンによる医療サプライチェーン変革[序章]

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによってドローンによる医療サプライチェーン変革が一気に加速した。もともとの強みである速さに加え、非接触型デリバリーのニーズが高まったことが要因としてあげられる。 そうは言うものの、ドローンで医療サプライチェーンがどう変革されているのかイメージの浮かばない向きも多いと思われる。そこで医療物資のドローンデリバリーがどんなものか、百聞は一見に如かず、まずはENAC(イタリア民間航空公団)がLeonardo社、Telespa

【医療物資のドローン物流】デリバリーで活躍するドローンたち 〜 コロナ禍で加速したドローンによる医療サプライチェーン変革[機体篇]

『【医療物資のドローン物流】コロナ禍で加速したドローンによる医療サプライチェーン変革』前回の[序章]に続き、本稿では[機体篇]「デリバリーで活躍するドローンたち」として医療物資のドローンデリバリーで使用されているドローン機体(UAV)を概観する。 ドローンデリバリーで活躍している機体「ドローン」(drone)というと翼がなく機体にプロペラが4本付いたクワッドローター(クワッドコプター)などのマルチローター(マルチコプター)を思い浮かべる向きが多いかもしれない。しかし、医療物

【医療物資のドローン物流】移植用臓器のドローンデリバリー

臓器移植を必要とする患者全米臓器配分ネットワーク(Organ Procurement and Transplantation Network)の推計ではアメリカに臓器移植を待つ患者が約11万4,000人いるとされるが、ドナーから摘出された臓器(特に腎臓)の多くが総阻血時間のタイムリミットまでに目的地に到達することができずに廃棄されている。 タイムリミットで廃棄される臓器ハーバード大学医学大学院(Harvard Medical School)の研究者が2019年に『JAMA