[インタビューのコツ 事前準備編]編集者が教える実践的アドバイス4選
執筆:編集2G新井
はじめまして、mediba編集グループの新井です。私がこれまで携わってきた雑誌やWEBメディアでは、俳優やミュージシャン、お笑い芸人など、しばしば著名人にインタビュー取材を行う機会がありました。
どんな組織においても情報発信が大事となりつつある昨今、編集者以外の方もインタビューを行う機会が増えているように思います。
今回の投稿では、「インタビューを行うことになったが、どうしたらいいか分からない」というインタビュー初心者のために、取材相手に失礼なくスムーズに質問ができるよう、インタビューのコツや当日までの流れを紹介していきます。[インタビュー事前準備編]と[インタビュー当日編](後日公開予定)に分けて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
[インタビューのコツ 事前準備編]
①取材対象者について調べる
インタビュー取材というと何か特別な話術が必要なのかと考えがちですが、それよりも事前に取材対象者や関連する事柄について調べておくことのほうが大切です。“インタビューは準備が9割”と言っても大げさではなく、相手のことをよく知らないままインタビューに臨むのは失敗の元と認識しておきましょう。
ある程度知識を持ってインタビューに臨めば、取材対象者も「自分に興味を持ってくれている」と好感を持って話してくれますので、以下のような情報は事前にインターネットなどを利用して調べておくことをおすすめします。
取材対象者のホームページ
取材対象者のプロフィール
取材対象者のSNSアカウント
取材対象者の過去のインタビュー記事
関連する分野のニュース
②記事の大枠を決める
あらかじめどういった記事にするか以下の項目だけでも決めておくと、後の記事作成がスムーズになります。
記事のメインになる内容
この記事で伝えたいこと
記事のボリューム(文字数)
写真のイメージ
どういった情報を得られたかによって記事の内容もボリュームも変わってきますから、「インタビューもしてないのに大枠なんて考えられない」という気持ちも分かります。ですので、「大体こんな感じ」くらいのざっくりとしたものでいいと思います。記事の方向性や撮りたい写真のイメージを想定しておくことで、スムーズなインタビューが実現しやすくなるでしょう。
③質問内容を考える
取材相手について情報収集し、記事の大枠を決めたら、それに合わせて質問したい内容をまとめていきます。その際は、
必ず聞くこと
時間があれば聞くこと
の2種類に分けておくことをおすすめします。そうすることで、インタビュー時間が足りなくなっても臨機応変に対応しやすくなると思います。私はこれまで俳優やアイドルのインタビューを行うことが多かったのですが、韓国のアイドルを取材しにソウルまで行ったら、当日スケジュールが変わり撮影とインタビュー合わせて5分(!)ということもありました。
そんな時にどの質問から聞いていこうなどとゆっくり考える時間は残念ながらありませんので、いつも質問内容にはあらかじめ優先順位をつけていました。これは極端な例としても、インタビュー時間が足りなくなるということは往々にして起こりうるので、質問内容を事前に考えた上で優先するものとそうでないものと分けておくようにしましょう。
④質問内容や当日のスケジュールを事前に共有する
取材対象者はインタビュー前にできるだけ多くの情報を知っているほど、安心してインタビューに臨めます。インタビュー時間を含む当日の流れや質問内容を事前に共有しておけば、インタビューが円滑に進みやすいですし、現場で時間を調節しやすくなります。
取材日時と場所
記事のテーマ
掲載される媒体
質問内容
質問者の連絡先
を遅くともインタビューの前日まで、できれば余裕を持って2日前までに取材対象者に送るようにしましょう。また、当日慌てなくてもいいように、このタイミングで録音・撮影機器の準備もお忘れなく。
まとめ
インタビューは事前準備をしっかり行うことで、とても楽しく有意義なものになります。私も何度やっても緊張しますし、初心者ならなおさらだと思いますが、取材時間のスケジュールと質問内容さえしっかり決めておけば、インタビューが成功するイメージを持ちやすくなると思います。
次の投稿では、[インタビュー当日編]と題しまして、当日どんなことに気を付けたほうがいいかや実際にインタビューをどういう流れで行うかなどを紹介します。限られた時間で情報を引き出すには質問者の技量が求められますので、さらにステップアップしたい方はそちらもご覧ください。
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