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エッグタルトに学ぶコンテンツ集客。熱量の高い顧客を獲得するには

バズりコンテンツが優良顧客を連れてくるとは限らない


最近のデジタルマーケティングでは、よく「バズる」コンテンツが重宝されていますよね。短期間で多くのアクセスや話題を集めることができるため、一見すると非常に効果的な手法に思えます。でも、バズりコンテンツだけに頼るのは良い戦略とはいえなのですね。

実は、バズりコンテンツが必ずしも「熱量の高いユーザー」、つまり長期的に見て価値の高い顧客を連れてくるわけではないんです。そう、あれこれ面白いと思って飛びつくかもしれませんが、それで終わりという人が多いかもしれません。

熱量の高いユーザーとは、製品やサービスに本当に興味を持って、長く付き合ってくれる人たちのこと。これを「LTV(Life Time Value)が高いユーザー」と言います。LTV、つまり顧客生涯価値とは、顧客が一生涯にわたってあなたのビジネスにどれだけの利益をもたらすかを示す指標です。

バズりコンテンツは一時的な注目は集めるものの、実際にはその後のエンゲージメントが低いことがよくあります。なぜかというと、その内容が深い興味関心を引き出すものでなければ、人々はすぐに興味を失ってしまうからです。バズるだけでは、本当に価値のある関係を築くことは難しいのです。

では、どうすればいいのか。マーケティング戦略では、ただ目立つだけでなく、熱量の高いユーザーを引きつける内容を意識することが大切です。例えば、ターゲットとする顧客層が真に価値を感じるような教育的な内容や、深い洞察を提供する記事などが挙げられます。これらは即効性は少ないかもしれませんが、長期的にはより信頼性の高い顧客層を育て、結果としてLTVを高めることに繋がります。

たくさんは売れないけど、顧客を連れてくるエッグタルト


コンビニスイーツの話に少し触れてみましょう。コンビニのスイーツ売り場は、定番商品に加えて次々と新商品が登場する激戦区です。しかし、そんな中で昔からひっそりと置かれているのがエッグタルトです。実は、売り上げ数としてはそれほど多くないとされています。それでもなぜ棚に置かれ続けているのかというと、リピート率が高いからだと言われています。

出典が2012年と少し古いものの、ローソンによる分析によれば、以下のような事実があります。

リピート率が最も高いのはエッグタルトなんです。ただし、トライアル率は低く、あまり売れてはいません。POSデータであれば、売れているか売れていないかでランキングされてしまいます。そのデータだけで判断してしまうと、店頭から消えてしまうことになります。

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1212/05/news010_3.html


https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1212/05/news010_3.html
トライアル率は低いが、リピート率は極めて高いエッグタルト(赤い矢印部)

エッグタルトのリピート率は、最も売れているシュークリームを上回っています。これは、この商品を目当てにお客様が来店されているということですね。もし店頭になければ『ないのか……』と思って帰ってしまいます。これが1回であれば許されるかもしれませんが、2~3回同じことが続けば『もうローソンに行くのはやめよう』となります。お客様の不満を生んでしまいますので、このような商品は大切にしなければいけません。

https://www.itmedia.co.jp/makoto/articles/1212/05/news010_3.html

つまり、エッグタルトは一見の客には購入されないかもしれませんが、これを求めて来店する熱量の高い顧客がいる商品だと言えます。そのため、売れていないからという理由で棚から外してしまうと、熱心な顧客の離れを招いてしまうことになります。

これをコンテンツマーケティングに例えると、見られていなくても熱量の高いファンが視聴しているコンテンツを提供する必要があるということです。

コンテンツ界のエッグタルトの探し方


コンテンツマーケティングにおいて、熱量の高いファンを引き寄せる「エッグタルト」のようなコンテンツを見つけるにはどのようにすればいいのでしょうか?いくつかの方法を詳しく見ていきましょう。

方法1:ユーザー目線に立つ


まず基本となるのが、対象ユーザーのニーズと問題点を深く理解することです。何を求めているのか、どんな課題を抱えているのかを把握することが非常に重要です。
たいてい「こういうコンテンツがウケるだろう」と「実際にユーザーが欲するコンテンツ」には隔たりがあります。

例えば、あなたがエンジニア向けの採用を行いたいでYouTubeを開設した場合、単に会社の雰囲気や社内の楽しいイベントを紹介するVlogを作りがちです。

しかし、実際に対象ユーザーが求めているのはエンジニアがどのようにして採用されるのか、どのようなスキルが求められているのかという具体的な情報やステップであったりします。

ここで重要なのは、ただ情報を提供するだけでなく、その内容がユーザーにとって本当に価値のあるものであるかを試してみること。複数の案を出してみて、どれが最も反応が良いかを見極めるためにも、小さく始めて反応を測る試みが必要です。

方法2:自分をエッグタルト化する


次に考えたいのは、自分自身をブランド化すること。これは、自分自身やその提供するコンテンツが、ファンにとっての「エッグタルト」になるよう努力することを意味します。YouTubeで人気のあるクリエイターを見てみると、彼らは専門的な内容だけでなく、個人的な動画も投稿しています。これにより、少ないながらも非常に熱心なファンが定着し、コミュニティが形成されています。

しかし、ここで注意が必要なのが、このアプローチは自分の個性や専門性が十分に認識されてからでないと、効果を発揮しないことです。まずはユーザーの課題を解決するような専門的な価値を提供し、一定の認知と信頼を築いた上で、より個人的な要素を加えることが、成功への順序です。

さて、このようにして熱量の高いファンを引きつけるコンテンツを提供し始めたとしても、その効果を測定するのは難しいかもしれません。特に視聴数やフォロワー数が伸び悩んでいる時、本当に価値あるファンが増えているのかを知るためにはどうすれば良いのでしょうか?

熱量の高いファンが増えているかの効果測定方法

熱量の高いファンが増えているか、確かめるための最も効果測定方法はクロス集計を使うことです。

方法1: クロス集計を活用する


これにより、特定セグメントユーザーの傾向やパターンが明確になります。たとえば、あなたが「エッグタルト的なコンテンツ」として投稿したものの、どのような反応があったかを詳細に分析することができます。ここで見るべき主な指標は次の通りです。

エッグタルト的コンテンツの視聴者 × 平均視聴時間やリピート回数

これらの指標が高ければ、コンテンツが熱心なファンに受けている証拠です。一般的なコンテンツと比較して、これらの数値が突出していれば、ファン化が成功していると言えるでしょう。
もしコンテンツマーケティングがリード獲得や物販に直接的にリンクしている場合、以下のような指標も役立ちます。

エッグタルト的コンテンツの視聴者 × 申込数
エッグタルト的コンテンツの視聴者 × 平均単価

ただし、全ての分析ツールがこれらの詳細な数値集計をサポートしているわけではありません。特に最新のGoogle Analytics(GA4)では、セグメントの設定や測定方法が以前とは異なるため、更新された機能について学ぶ必要があるかもしれません。(むしろ追えていないのでやり方を教えてください)

方法2: 高度なツールが使えない場合の測定方法:相対的な実数値の動きを見る


データ解析ツールを使えない場合でも、投稿後のエンゲージメントの変化を見ることで、影響を測定することができます。例えば、いいねやコメントの数が明らかに増えた場合、それは熱量の高いファンが反応している可能性があります。

ただし、この方法は、非常に多くのフォロワーや視聴数を持つアカウントでは効果が埋もれて測定が難しい場合があります。最終的なコンバージョン(申込数や販売数)のような指標を追うことで、より明確な傾向が掴めるかもしれません。

方法3:定性的な指標で判断する


数値データが利用できない場合は、定性的にアプローチすることになります。投稿単位に対するコメントの質いいね数、DM数の増加など、ユーザーの反応の変化を直感的に捉えることができます。

まとめ:とにかく手数を打つことが重要


熱量の高いファンを獲得し維持することは、コンテンツ制作において非常に重要です。これらのファンは、ブランドや製品に対する忠誠心が高く、長期的に見ても価値のある関係を築くことができます。そのため、どのようにしてこれらの「エッグタルト的なコンテンツ」を見つけ、育てるかがクリエイターやマーケターにとっての大きな課題です。
そのためには、とにかく色々試してみて手数をうつことです。ユーザー目線で仮説を持って投稿を繰り返していけば定量的な分析はできなくとも定性的にファンの熱量を感じることができます。

しかし、とにかく有効なのは自身をエッグタルト化(コンテンツ化)することなので、興味のある人はこちらも見てみてください。

アイドルが最強のコンテンツである理由
https://note.com/media_labo/n/n2b0c9106dc66

バズりコンテンツ頼みの罠。正しいコンテンツマーケティングの戦略
https://note.com/media_labo/n/n4fb647c55392


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