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塗り絵に学ぶコンテンツサービスの作り方

なぜユーザー投稿型サービスが難しいのか

ユーザー投稿型のサービスが世に溢れているのですが、運営の難易度はものすごい高いのです。100人のユーザーがいたとしても、実際にコンテンツを投稿してくれるのはそのうちの数パーセントに過ぎません。
開設初期にコンテンツが全く投稿されないということも少なくありません。なぜコンテンツが投稿されないかというと、投稿に至るまでの心理的、技術的な障壁が高いからなんですね、
ちなみに日本人はコンテンツを投稿するなどのアクションを取る人が、海外に比べ割合が低いと言われており、なおさら障壁が高いのです。

「塗り絵」という仕組みに学ぶ

コンテンツを投稿してもらうために、参考になるのは「塗り絵」というしくみです。塗り絵は、すでに下絵が用意されていて、そこに好みの色を塗っていきます。下絵という土台を用意することで、コンテンツを作るハードルを下げてるんですね。

この心理を応用すれば、ユーザーがコンテンツを投稿する難易度を下げることができます。つまり、コンテンツの「下絵」を用意しておくのです。これは、ユーザーがゼロイチでコンテンツを作るよりも始めやすいので、参加への敷居を下げて投稿数を増やす効果があります。塗り絵のメカニズムを取り入れることで、ユーザーが自分の色を加えやすくなるわけです。

「塗り絵」のしくみを取り入れて成功したキャンペーン

例えば、かなり昔の話になるのですが小説の投稿を促すキャンペーンがありました。キャンペーンサイトはそこそこ見られていたのにも関わらず、開始翌日の応募数はゼロでした。

そこで、小説の書き出しを用意して、その続きを書いてもらう形に変更したところ、翌日には数十件の応募があり、最終的には数百人の書き手が参加する大規模なキャンペーンになりました。この事例から分かるのは、始めるための「下絵」があることで、ユーザーが積極的に参加しやすくなるということです。

ちなみに話が若干それますが、小説の連作が進むほどキャンペーンサイトの閲覧数はあがりました。一度でも連作に参加した人は、自分が参加した作品をシェアしてくれたり、続きが気になるので何度もアクセスしてくれるからです。これを勝手に「おーいお茶」高価を読んでいます。(おーいお茶のパッケージには購入者が投稿した俳句が掲載されており、掲載されるとおーいお茶をまとめ買いして知り合いに配る現象があるそうです。)

コンテンツ作成におけるメリットの提供が重要

さらに、コンテンツ投稿のモチベーションを高める要素として、承認欲求があります。しかし、サービス開始初期はユーザー数が少なく、投稿が見られない、いいねが付かないという状態になりがちです。
コンテンツサービスはコンテンツ投稿者が増えれば閲覧者が増え、閲覧者がいいねをつければコンテンツ投稿者が増える、というにわとり卵の関係になっています。ですから、コンテンツ投稿者と閲覧者の両者をバランスよく獲得していかなければなりません

ここで重要になるのは、投稿そのものを楽しい体験にすることです。塗り絵は色を塗るという作業そのものに楽しみを見出せます。

あるいは、投稿そのものが投稿者にメリットとなる作りにするべきです。例えば、グルメレビューの投稿サービスであれば、自分のレビューが分かりやすく整理され、後でグルメのメモとして活用できるような設計にすることが考えられます。これにより、外部からの承認がなくても、投稿すること自体に価値を見出しやすくなります。

まとめ:塗り絵から学ぶ、ユーザー中心のサービス設計

結局のところ、ユーザーが自分自身でコンテンツを作り上げるプロセスを楽しむことができれば、サービスは自然と成長します。塗り絵のように「下絵」を提供することで、投稿の敷居を下げ、承認欲求だけでなく、創造の楽しみそのものを提供する設計が求められます。ユーザー投稿型サービスを成功に導く鍵は、ユーザーの参加を容易にし、その経験を充実させることにあります。塗り絵のシンプルな楽しみから学んだこれらの原則を活用することで、ユーザーが活躍するコンテンツサービスを構築することができるでしょう。


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