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【口が裂けても言いたい話】「遅すぎる青春映画」

映画「くれなずめ」をネットフリックスで鑑賞。社会人になってそれぞれの人生を背負った6人の男たちの人間模様をコメディタッチで描く。主演は成田凌。

ヨシオたち6人は高校の同級生。社会人になっても互いに連絡を取り合っていた彼らは友人の披露宴で再び集合することに。6人全員で余興を披露するということで練習に励む6人だったが、彼らの中には5年前の、決して忘れることができない「悲しい記憶」が居座っていたのだった……。

大人になりきれない男たちの幼稚なバカ騒ぎを延々と見せられるコメディ。冒頭の結婚式場の場面は舞台演劇の延長線上のようでもあり、登場人物の会話のテンポが耳にも心地よい。

もちろん、単なるバカ騒ぎで終わる映画ではない。6人の中心となるヨシオは5年前にすでに死んでいて、その事実、その記憶が5人の人生に暗く重い影を落としている。5人が見ているヨシオは実は「あの頃のヨシオ」ではなく、5人の記憶と願望が作り上げた残像に過ぎない。

過去と現在を複雑に行き来しつつ進んでいたストーリーは終盤近くになって突然ギアチェンジし、予想もできないファンタジーへと突き進んでいく。このあたりの演出は好みがわかれるところだろうが、私にとってはひとつの仕掛けとしてそれなりに楽しめた。

監督インタビューも必見である。


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