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読書日記㉖向田理髪店/奥田英朗

おはようございまーす!

今日は朝からしっかり活動できています。気分も良いですね。

最近、朝に散歩をするようになりました。顔を洗ってパジャマに上着を羽織っただけで出かける。私は寝起きが悪いので、起きてから「二度寝しないと無理!」ってなるんですが、いったん外に出てしまうと眠気が吹っ飛びます。朝の少し冷たい空気が気持ち良いですね。

向田理髪店/光文社文庫/奥田英朗

北海道の過疎化した街、苫沢町。向田理髪店の店主康彦は、常連客ばかりを相手に退屈な日々を送っていた。札幌で会社勤めをしていた息子の和昌が、帰ってきて店を継ぐという。妻と母は喜ぶが、すたれ行く街に未来はあるのか。康彦は息子を案じるがー。康彦とその家族、同級生など田舎に住む人々の小さくも大きな事件を描いていく。

私が住んでいる地域は割と都会だし、実家も都会ではありませんが一軒家が立ち並ぶ住宅地って感じです。なので”ザ・田舎”には住んだことがないので事実は分かりかねますが。この舞台の「苫沢町」は田舎で良くも悪くも人間関係が濃厚。誰かが結婚した、誰かが病気で倒れた、噂がすぐに広まります。

主人公である康彦は割と中立的な立場をとる人だけど、周りは「結婚したらお披露目会をすべき」など田舎のしきたりを絶対視する人ばかりです。個人主義は通用しません。うーん、この感覚は私には結構きついな。例えば結婚するのは個人の問題だし、人に言うかどうかも自分が決めて良いと思いますけどね。もし親とかに強要されたら・・・反対に意地でも言わないと思う。笑

ただ、不便な地域では、助け合いで営まれているのも事実。病院に行くのを手伝ってもらったり、店に来てくれたお礼に家まで送ってあげたり。都会ではおせっかいと取られることも、田舎では声をかけてくれることがありがたかったりする。

常識は人それぞれだし、自分にとっての常識が年配の人には受け入れられないこともある。ということを考えると、自分の考えだけを突き通すのも考え物ですね。自分自身も歩み寄っていない、ということになってしまう。皆とのつながりを大切にするという意味では、時には周りにあわせることも必要なのかな。

ちょっと重めの話も書きましたが、基本的にはさらっと楽しめる作品です。田舎で育った方なら、「あ~~こういうところあるよね!」と共感できるかもしれません。

奥田先生の家族シリーズが大好きで、短編集が読みたくなりこちらを借りてきました。奥田先生の作品では、大事件はなく些細なことしか起こりません。日常にある小さな事象をピックアップして面白おかしくする天才だと思います。今度は長編も読んでみようかしら。

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