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お前の最後はひとりだ

こんにちは。各方面で絶賛されている中、昨日やっと『勝手にふるえてろ』を観てきました。

終始、松岡茉優と付き合いてえ!!という真なる気持ちと、切り取られる構図のいちいち美しいことに夢中になり、中盤以降のシナリオがほとんど頭からすっぽ抜けてしまいました。なんたる失態。

エンドロールに入った瞬間にいろんな意味で「うわもう一度観なきゃ」と焦った作品は初めてです。最初から最後までどきどきしてました……。

JR東日本のキャンペーン広告「行くぜ、東北」でこのごろ絶賛目にする彼女、あの広告ポスターに使用されている写真が色合い・構図etc諸々すごく好きなんですけど、今回の映画で改めて写真に映える方なんだなと感じました。

日常の光景に溶け込み、たとえ目線をまっすぐ向けられても印象が強くなりすぎない、絶妙な存在感。
松岡茉優その人は、写真の被写体として、あるいは役者としての力加減が絶妙なんだと思います。

今回の役も、それ自体は感情の嵐でものすごく激しいものだったんですけど。
彼女自身の攻撃力がいい意味で控えめなので、あまりの痛々しさにグッとみぞおちが痛くなることがなかったのが良かったと思います。

……うーん、たぶん贔屓目あるかな。単に、日常とコメディパートのかわいさが有り余ってたからかもしれません。結局むちゃくちゃかわいかったです


振り回すコーラ缶から向日葵が咲いて溢れてとまらない夏 /野口あや子 『くびすじの欠片』

作中の舞台は基本冬だったんですけど(でてくる冬服が全体的によかったです)、何となく野口あや子さんの短歌を引きます。

ものすごい勢いとパンチと、ものすごい脆さがよく重なる。

野口あや子。あだ名「極道」ハンカチを口に咥えて手を洗いたり /『夏にふれる』
boとdoの差がわからない私でもわかるお前の最後はひとりだ /『かなしき玩具譚』


口内炎かわされながらしてるキス 嫌だったずっとずっと嫌だった /『くびすじの欠片』


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