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不動産業界のプロが伝えるメタバースサービスへの期待|「MEキャンパス」特別授業レポート

2024年3月22日、「MEキャンパス」メタバースクリエイターコースの学生に向けた特別授業「企業や社会からメタバースクリエイターへ期待すること」が開催されました。

特別授業とは、「MEキャンパス」のカリキュラムの一つで、さまざまな分野の第一線で活躍する講師の方をメタバース空間にお招きし、社会で役立つ知識や考え方を学ぶことができる授業です。

▼過去の特別授業レポート

今回の特別授業では、企業連携プロジェクトを実施いただいたマンションブランド「Brillia」を展開する東京建物株式会社から、プロジェクト担当のお二人をお迎えし、Tokyo Meta Livingの開発秘話や、不動産業界とメタバースに関する話題などについて、授業を実施しました。

▼東京建物と「MEキャンパス」の企業連携プロジェクトとは?


企業とのコラボレーションが貴重な体験に!住宅のプロからのフィードバック

授業はTokyo Meta Livingのロビーを、MEキャンパスアリーナにリアルタイム中継することからスタート!

ロビーには、メタバースクリエイターコースの学生3名による家具作品が展示されています。

東京建物担当者:
今回3作品を制作していただいたのですが、個性が詰まった家具を作っていただいたというのが第一印象でした。

カフェテーブルにはコーヒーカップが置いてあったり、DTMのキーボードには差し色が入れてあったり、パソコンデスクはスタンディングできるように作られていたり、細部までこだわりが詰まっていて、レベルの高さに正直驚きました!

Tokyo Meta Livingのレイアウトシミュレーションで使われている家具とはまた違って、学生それぞれの思い入れのある作品を作っていただいたと思います。

石川コミュニティマネージャー:
作品の納品後に、参加した3名の学生に面談でどうだったか聞いてみたんです。「ゲームが好きだから」「絵が好きだから」、「音楽が好きだから」など、自分の思い入れのある作品を作ったと教えてくれました。

企業のプロジェクトとして参加する企画だったので、今回家具を制作した学生は「緊張しました」と言っていましたが、「MEキャンパス」在学中に、世の中に公開される案件に関わりを持てたということは、とても有意義だったと思います。

▼家具制作について参加した学生の感想

【パネルディスカッション①】メタバースサービスの不動産業界での活用可能性とは?

今回リリースされたTokyo Meta Livingでは、部屋の模様替えのシミュレーションをメタバース空間上でできるメタバースサービスですが、不動産業界から見た今後のメタバースサービスの活用はどのような展開を期待しているのでしょうか。

不動産業界におけるデジタル技術活用の最前線

東京建物担当者:
今の不動産業界でよく活用されているのは、デジタルツイン技術やVR技術といったものです。建物の模型やモデルルームなどを高精度で再現することができます。こういう技術の活用は、今後もいろんな場面で活用されるんだろうなと思っています。

Tokyo Meta Livingも活用の一つになります。バーチャル空間での部屋の模様替えというシミュレーションを通じて、自分だけの空間を自由にデザインできる体験を提供するという目的以外にも、このシミュレーションを通じて、「お客様がどんな部屋に住みたいのか?」というインサイトを探ることもできると思っています。

そして、オンライン上の商談のような場より、お客様が気軽に情報収集できるプラットフォームという点でもメタバースの活用は広がっていくと思います。

【パネルディスカッション②】Tokyo Meta Livingプロジェクト発足背景とメタバースでの体験に期待すること

次に、企業でサービスが生まれるまでのプロセスや、どのような背景でサービスをリリースしたのかなどについてお聞きしました。

不動産デベロッパーとしてお客様に楽しんでもらえるコンテンツに

東京建物担当者:
メタバースを活用したサービスにトライするにあたって、社内のプロジェクトメンバーでかなり議論を重ねました。最初は、販売センターをバーチャル空間上に作って、アバターでお客様を迎えるというアイデアがあったんですが、従来のオンライン接客サービスと重複するという問題がでてきました。

そこで、私たちは、住まいを提供する企業として「住まいを楽しむようなコンテンツ」を世に出していこうということになりました。

東京建物には「Brillia」というマンションブランドがありますが、このブランドを少しでも知ってもらって、当社に好感や興味を持っていただけるようなコンセプトのコンテンツに振り切ることになったんです。

Tokyo Meta Livingでは、部屋のカスタマイズができるだけでなく、自分で作ったレイアウトをサイト上に投稿でき、他の人に共有して「いいね!」をもらえるできる仕組みにしています。投稿されたレイアウトを見て共感し合えたり、参考にできたり、メタバースサービスならではの体験を通じて楽しんでいただきたいと思っています。

【パネルディスカッション③】注目している先端技術やトレンドとは?

近年、目覚ましい発展を遂げているIT関連のテクノロジーが加速的に進化する中で、不動産業界はどのような最先端技術に注目しているのでしょうか。

新しい体験提供の可能性。生成AIへの期待

東京建物担当者:
不動産業界では、ITに関しては進歩が遅いとされている中、特に生成AIに大きな期待が寄せられています。これらの技術がもたらす顧客体験の向上や業務の効率化、パーソナライズされたサービスの提供に価値が出てくると思います。生成AIを利用したスタッフトレーニングなども考えられますし、お客様個々に合った体験を提供することができるようになると良いと考えています。

以前は、お客様が販売センターを訪れて紙のパンフレットや図面集を受け取るのが一般的でした。しかし今では、オンラインで情報が共有できるようになっています。
どこにいても簡単に物件情報を確認できるようになったので、お客様は物理的な資料を持ち歩く必要がなくなり、より便利に物件を検討できるようになりました。

今後もますますお客様に合わせた情報の提供ができるようになってくると思います。

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「不動産業界のIT化は遅れがち」と言われつつも、物件を探すユーザーにとってはとても便利な時代になって来ているようです。

そんな不動産業界の目線から、メタバースクリエイターを目指す学生からの質問にいくつか答えていただきました。

メタバースクリエイターとして不動産業界で働く際、3DCGスキル以外に必要な学習はありますか?

東京建物担当者:
建物の細かいデザインに注目するといいと思います。
例えば、デザイナーや設計者は、建物のアプローチに植えられた落葉樹を使って、四季を感じられる工夫をしています。マンションなどの建物でよく見かけるガラスや植栽の配置は、そのような意図から設計されていることが多いです。部屋の中以外のバーチャルでの作り込みがリアリティを感じてもらえるポイントだと思います。

Tokyo Meta Livingの他にも、不動産業界でメタバースの技術を活用した事例があれば知りたいです。

東京建物担当者:
モデルルームを物件ごとに作ることが難しくなってきたり、またSDGsの観点からVRでモデルルームを作ることも一般的になってきました。他社では、メタバース上のモデルルームを作って、実際に訪れたお客様を担当スタッフが案内するという事例もあります。

また、建設中のマンションでも、その場所で完成した建物のイメージをARなどのバーチャル上で見ていただけるようにする事例もあります。とても好評なので今後も工夫して、バーチャル技術を取り入れていきたいと思っています。

メタバースクリエイターを目指す学生へアドバイス

特別授業の最後に、MEキャンパスの学生へ応援メッセージが送られ、クリエイターの仕事を目指す学生にとって貴重な経験となりました。

東京建物担当者:
クリエイターたちの活躍の場は今後、不動産に限らず様々な分野で広がると考えられます。私たちも学び続け、クリエイターと協力してサービスを展開していく予定です。クリエイターの皆さんは、自分のアイデアを形にできることが強みであり、そのスキルは社会で求められています。私たちも共に成長していくことを楽しみにしています。

メタバースはコミュニケーションの新たな場に

今回の特別授業を通して、不動産業界がメタバースに注目する理由がよく分かりました。デジタル上で実際の物件を再現するにとどまらず、顧客とのコミュニケーションの新たな場としての活用が期待されています。

一方で、リアルな体験は不可欠で、「情報収集はメタバース。最終的な意思決定は現地で。」といったメタバースとリアルの上手な使い分けが、これからの不動産販売に求められそうです。

3DCGスキルだけでなく、建物の細部にまで注目したデザイン力が重要とのアドバイスは、メタバースクリエイターを目指す学生には参考になったはずです。

メタバースが実社会にどう浸透していくのか。学生のキャリアにもつなげていけるように、その行方を追い続けることが大切だと感じました。

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