生成AIの活用は駆け出しクリエイターの「下剋上チャンス」!「MEキャンパス」特別授業レポート
2023年12月21日、「MEキャンパス」メタバースクリエイターコースの学生向けに特別授業が開催されました。
メタバースの学校「MEキャンパス」では、アドバイザリーの方々や業界をリードする著名人による特別授業を実施しています。
さまざまな分野の第一線で活躍する講師の方をお招きして開催される特別授業では、社会で活躍するために欠かせない知識とマインドをより深く学ぶことができます。
今回の特別授業では生成AIやXRなどの先端テクノロジーとプロダクト戦略を繫げる専門家として活躍され、日経クロストレンドにて生成AIに関する連載を持つ株式会社POSTS代表・梶谷健人さんにご登壇いただきました。
「最新技術トレンドとクリエイターの生成AI活用のススメ」をテーマに、生成AIツールなどの最新テクノロジーの効果的な活用法やクリエイターのマインドセットなど、今日から活かせる学びが詰まった講義の内容をお届けします!
画像・動画・楽曲生成まで!注目のAIテクノロジー5選
講義ではまず、いま注目のテクノロジーについてお話いただきました。梶谷さんは「今年は多くの生成AIが話題になった」と言います。
梶谷さん:
今、広く知られているAIといえばやはり「ChatGPT」ではないでしょうか。しかし、一般ユーザーが利用可能なテクノロジーはChatGPT以外にも多く存在しています。
GPT-4V:画像などテキスト以外での入力指示が可能なGPT
Midjourney:テキストや既存の画像から新しい画像を生成するAI
Runway Gen2:テキストや画像から動画を生成するAI
Suno AI:イメージや歌詞をテキスト入力して楽曲を生成するAI
Hey Gen:動画とテキストから多言語で話すアバター・動画を生成するAI
メタバースクリエイターを目指す皆さんに特におすすめなのが「Midjourney」と「Runway Gen2」です。
どちらもイメージをテキストやラフスケッチに起こすことでクオリティの高い画像や動画を生成してくれるAIなので、作りたいもののイメージをCGで確認したり、自身の作品から新しいインスピレーションを得たりと、直接CG制作に活かせます。
表現の幅を広げる選択肢のひとつとしてぜひ活用してみてください。
「表紙だけでなく中身をじっくり読む」先端技術のキャッチアップの心得
続いては、このような最先端のテクノロジーの情報をいち早くキャッチし、使いこなすための心構えについてです。特にAI領域は毎日のように新たな情報が更新されるため、変化を自分の追い風にする必要があると語ります。
梶谷さん:
テクノロジーはこの1年でも急速に進化しています。数ヶ月前に試したものが一瞬で予想できなかった発展を遂げることもあるため、AI領域の全体像をつかめずにとまどっている方も多いのではないでしょうか。
私は進化のスピードが速いAI領域に向き合うスタンスとして、3つのポイントがあると考えています。
実際に使ってみる
まずは「体験して学ぶ」を意識することです。本屋で本の表紙だけを見て中身を読んだ気になっても何も身に付いていないのと同じように、生成AIツールの概要だけを知っていても、使ったことがなければ身になりません。当たり前のように聞こえますが、これができている人は実は少ないんです。
膨大な数のテクノロジーが生まれているなかでできる限り多くのツールに触れたい気持ちはわかりますが、最後に勝つのはその領域について深く知っている人です。まずは試行錯誤しながら、一つひとつのツールを体験する時間を確保し、積極的に使い込んでみましょう。
「好き」を極めてプロンプトの精度を上げる
生成AIは日々進化し、だれでも一定のクオリティのクリエイティブを生み出せるようになっています。そのなかで良いクリエイティブを生み出すためには、自分のイメージをどれだけ高解像度で言語化し、プロンプト(指示文)にできるかにかかっています。
たとえば、「写真のようにリアルな画像を作ってほしい」と指示するのであれば、映してほしい物体や雰囲気だけでなく、カメラの設定値や光の入り方まで細かく指示したほうがイメージに近い画像になりますよね。
その際にカギになるのが「好きかどうか」。カメラ好きであれば自然と語彙がストックされているため、よりリアルな画像に近づけるためにはどのような条件を加えれば良いかわかるはずです。
ぜひ、自身の好きを極めてみてください。より細かく指示を送るための知識や語彙力が身につき、AI活用力が上がるはずです。
クリエイティブディレクション力を磨く
生成AIツールを使いこなすためには、自身の頭の中のイメージを言語化し、指示をする力を高めることが大切だとお伝えしました。
さらにより良いクリエイティブのためには、AIが無数に出してくるアウトプットから適切に選び取る力や、AIとAI、AIと人など複数のステークホルダーをつなぐ力(オーケストレーション力)が必要です。
これらのスキルをまとめて、クリエイティブディレクション力と呼びます。
クリエイティブディレクションには、AIを活用したアウトプットを社会に魅力的に発信する「ストーリーテリング」のように、人間にしかできないことも含まれます。
生成AIが瞬く間に移り変わっていくなかで、一定のツールを使いこなせるスキルだけではなく、陳腐化しないスキルを持っておきたいところ。クリエイティブディレクション力は、変化の時代に生き残る人材になるひとつのカギだと考えています。
ChatGPTは「社会人1年目に指示を出す」イメージで使いこなす
次にお話しいただいたのは、「ChatGPT」の活用法についてです。日々の勉強や仕事に生成AIを活用するなかで「思い通りにアウトプットをしてくれない」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
梶谷さんは、クリエイターがChatGPTで理想のアウトプットを出すためには「知識は豊富だが融通の効かない社会人1年目に指示を出す」イメージで使用するのがおすすめだとお話しされました。
期待する役割を明確に伝える
ChatGPTは「イベント用の資料を作っておいて!」とざっくりとした指示を与えても、理想の資料を作ってはくれません。
「あなたは経験豊富なプレゼンターです」など最初に期待する役割を伝えることによって、ふるまいが明確になります。
事前情報や出力フォーマットを与える
イベント用の資料作りであれば、想定ターゲットや登壇者のプロフィールなどの必要な情報を与える必要があります。
資料のタイトルや概要、見出しの数などやアウトプットのフォーマットも示すことで、ChatGPTが何をどのような形で出力すれば良いかを理解しやすくなり、出てくるものの精度が上がるでしょう。
自己採点でブラッシュアップ
ChatGPTは最初の出力で完璧なアウトプットを生み出すのは難しく、何度かブラッシュアップを重ねることで理想のアウトプットを得られるようになります。
そのため、部下に仕事を依頼するときと同じように、ChatGPTにも期待の方向性や評価の基準を伝えて、自己採点をしながらブラッシュアップをするように指示します。
プラス評価とマイナス評価のポイントを箇条書きで示すなど、ChatGPTが理解しやすいように伝えるとより早く良いものが完成するそうです。
梶谷さん:
これらのポイントを押さえてChatGPTを活用すれば、かなり「使える」ツールだと感じるはずです。ほかのプロンプトを真似してみるなど、ツールのクリエイティビティを引き出す方法を試しながら、ご自身の制作にも活かしてみてください。
駆け出しクリエイターがシニアを追い抜ける「革命フェーズ」に
特別授業では、会場に集まった学生から質疑応答も受け付けました。「MEキャンパス」の学生が使うのにおすすめなツールや「AIのイケメン男性を作ってみたいが、どうすれば良いか」といった具体的な方法まで、幅広い質問にお答えいただきました。
最後に、梶谷さんからこれからメタバースクリエイターを目指す方に向けたメッセージです。
梶谷さん:
生成AIツールをうまく活用することで、これまでシニアクリエイターが何十年もかけて培ったスキルで多くの時間を費やして作っていたクリエイティブをショートカットして作れる時代になりました。
もちろんシニアクリエイターに対してリスペクトを払うことは大切ですが、駆け出しのクリエイターがここまで下剋上できるのは歴史上初めてのこと。まさにクリエイティブ界の「革命フェーズ」に入ったと言えます。
この追い風のタイミングで、皆さんが学んでいる新しいスキルと、今回紹介したさまざまな生成ツールを掛け合わせて使うことでこれまでよりもずっとおもしろい作品が作れるはずです。ぜひチャレンジを続けてみてください!
最新の学びで成長を目指すなら「MEキャンパス」
さまざまな生成AIツールを適切に使いこなすことで、これまでよりも早く革新的なクリエイティブにたどり着けることを実感した今回の特別授業。
メタバースクリエイターを目指す学生の皆さんにとっても、生成AIが作品作りの助けになることが分かった実りある学びの機会となったのではないでしょうか。
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日程:2024年3月9日(土)〜3月17日(日)まで
■オリエンテーション
日時:2024年3月9日(土)11:00〜12:00
■募集人数
先着20名
■申込み受付期間
2024年3月7日(木)まで
▼詳しい応募要項、お申込みはこちらから
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